「iCloud」ストレージ容量を検証--無料分5Gバイトは本当に「十分な容量」か - (page 3)

Josh Lowensohn (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年08月25日 07時30分

結局どれだけの容量が必要なのか

 ユーザーが複数のiOSデバイスでAppleのシステムにお金をかければかけるほど、そしてそれらを実際に利用する頻度が高くなればなるほど、同バックアップサービスの利用に必要なストレージの容量も増える。例えば、今われわれのオフィスにあるiPhone 4に搭載されたiOS 5のベータ版を見てみよう。筆者が自分のiPhoneのバックアップを保存し、iCloudのテストアカウントにリンクさせているこのデバイスは、iCloudの無料の5Gバイトのうち427.9Mバイトを使用している。つまり、筆者はそのiPhoneの12個近くのバックアップをAppleサーバ上に無料で保存することができる。ただし、それは非常に多くの容量を使用する一部のアプリケーションをバックアップ対象から外した後の話だ。

 今回のテストで容量消費の元凶となったのは、ユーザーが音楽をローカルに保存できるようにする音楽ストリーミングサービスのRdioだった。このケースでは、オフラインで再生できるように同アプリケーションにダウンロードされた音楽は1.7Gバイトあった。非常に優秀で便利な機能ではあるが、筆者の無料ストレージ制限の3分の1近くが犠牲になるという問題もある。同じく大容量のRdioがインストールされたiPadをiPhoneと一緒にバックアップすると、その問題はさらに悪化した。そしてiPadでは、「VLC Media Player」で同様の問題に遭遇した。同メディアプレーヤーでは巨大な動画ファイルの保存が可能で、それらのファイルもバックアップ対象になっていた。ただし、すべてのアプリがそうした挙動をするわけではない。大きなファイルになる可能性のあるデータ用に同様のローカルストレージを提供するDropboxやBox.net、Spotifyでは、設定データのみがバックアップされた。

 iCloudは、iOSアプリ間でデータをやり取りできる別のアプリケーションデータ共有サービスも備えている。しかし、同サービスの容量の上限は1つのアプリにつきわずか64Kバイトで、その目的は、ユーザーが読んでいる電子書籍のページを同期したり、「Angry Birds」の最高得点や進み具合を一致させたりして、1つのデバイスでしていたことを別のデバイスで再開できるようにすることだ。ユーザーのページの進み具合を保存するデータがあっても別のサーバのわずか数Mバイトしか占めない容量となっているが、その結果として、Appleの「App Store」サーバから多くのアプリを再ダウンロードすることを可能にしている。だが、システムバックアップの場合、Appleは、デバイス間で同期する専用のiCloudストレージの一部とはならない、アプリケーションに関連した大容量になり得るデータを保存する可能性がある。

 筆者はここで別の問題に直面した。iOS 5ベータ第5版を実行するテスト用iPhoneとiPadの両方をAppleのiCloudバックアップサービスにバックアップしたとき、容量が5Gバイトの上限を超えてしまった。2台目のデバイスをバックアップしようとしたとき、容量不足を知らせるメッセージが表示され、筆者は何もバックアップすることができなくなった。

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