こうした活動は全て、これまで「鶏が先か卵が先か」という問題に悩まされてきたIPv6への取り組みが進歩していることを示している。細かい問題の修正もそうした取り組みの1つだが、YouTubeのようなコンテンツをIPv6上で提供することは、インターネットのネットワーク機器を運用する人々にとって、IPv6トラフィックを適切に処理し、お互いに接続し合うための動機付けになるだろう。
IPv6の権威であるGoogleのLorenzo Colitti氏はWorld IPv6 Dayに関するプレゼンテーション(PDFファイル)の中で、「全てが上手く行けば、コンテンツはIPv6に移行し、アクセスもそれに続くだろう」と述べた。
IPv6は、43億個のIPアドレスしか割り当てられない現行のIPv4の後継技術だ。43億個のアドレスと聞けば多いように思えるかもしれないが、人々は多くのサーバやPC、携帯電話、タブレット、スマートメーター、自動車、テレビ、ビデオゲーム機、家庭用ブロードバンドネットワークルータをインターネットに接続したいと考えるようになっている。その上、最近までIPv6への移行は概ね任意だったため、困難で費用もかかるIPv6に敢えて取り組もうという人は少なかった。
コンピュータ管理者はIPv6への移行を先送りにすることができた。なぜなら、ネットワークアドレス変換(NAT)などのテクノロジによって、家庭用ブロードバンドユーザーやISP、企業が複数のデバイス間で単一のIPv4アドレスを共有できるようにすることが可能だからだ。NATには欠点もあるが、このアプローチによってIPv4はフルに活用されている。
しかし、IPv4アドレスの不足は以前よりも深刻化している。2月にはインターネットの中央在庫で最後のIPv4アドレスが割り当てられ、現在ではその不足がIPv4の販売チャネルにまで伝播している。
IPv6はIPv4よりもはるかに広大だ。IPv4の32ビットアドレスの代わりに128ビットのIPアドレスを使うことによって、340澗個(正確には340澗2823溝6692穣0938禾予4634垓6337京4607兆4317億6821万1456個)のアドレスを割り当てることができる。ユニークなIPアドレスを割り当てられるということは、NATネットワーク層の後ろに隠されていたためにインターネット上で後れを取ってきたデバイスが、ほかと完全に対等な存在になるということだ。それによってセキュリティ面での懸念が拡大するおそれはあるが、より容易なピアツーピア通信など、新たな可能性が開けるのも事実だ。
先々、IPv6インターネットを利用してIPv6サービスにアクセスするIPv6対応コンピューティングデバイスを誰もが持つ時代が来るだろう。ただし、今のところはIPv4機器とIPv6機器が混在している。
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