重要なのは、モバイルに関するMozillaの取り組みにNokiaをはじめとする業界大手が注目しており、プログラムコードの提供主として重要な位置を占めつつあることだ。ウェブにより、パソコンとモバイルの境界線があいまいになりつつある中、モバイル版のFirefoxはさらなる重要性を持つことになるだろう。
ひょっとしてこれは、FacebookのようなサービスをFirefox向けのサードパーティーのプラグインとして作成するだけで済むような、簡単な話なのだろうか?おそらく、Firefoxは、このようなプラットフォームを使用可能にすることはあるだろうが、自ら運営することはないと思われる。Firefoxは、いわばメタプラットフォームとして機能するというわけだ。この場合、Mozillaは、収集したデータを利用して行なわれた商取引に対して課金することもできる。
Lilly氏とSchroepfer氏は、最後に挙げたメタプラットフォームに関する話題については、積極的に口を開こうとはしなかった。あるいは、ただ単に、まだ考えをまとめている最中というだけなのかもしれない(2人とも率直で隠し事をしない性格なので、後者の可能性が高い)。Mozillaにとっては、真の判断力と先見性が求められる大きなチャンスだ。
ありがたいことに、Mozillaの運営チームには「社会に役立ちたいと考える起業家」が何人もおり、こういった課題に取り組むには最適の人材が揃っている。こうした起業家たちは、オープンソースで一山当てて、楽に金儲けしようなどという輩ではない。経験を積み、オープンソースについては、市場を揺るがすような大きな影響力を持つとともに倫理的な影響力もあるものとして、真剣に考えている人たちなのだ。
それに、もしこの起業家たちが役に立たなかったとしても、Mozillaには1億6500万人のユーザーがついており、何か間違ったことをしでかしたら即座に声を上げるだろう。何しろMozillaはオープンソースなのだ。オープンソースにおいては、参加者たちの「意見」と「意志」が今でも大きな力を持っている。Mozillaほどユーザーの声が大きな力を持っている組織は、おそらくほかにないだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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