同イベントで、そういった企業の1社であるFlurryが、11月に立ち上げた仲介サービスを紹介した。このサービスは、モバイルアプリケーション向けの解析エンジンとともに、「AppCircle」と呼ばれるものを提供する。これは、同プログラムの対象となっているアプリをユーザーがどのように使用しているかに基づいて、ユーザーにアプリを推薦するものだ。推薦した結果としてそのアプリのいずれかが購入されると、その広告を表示したアプリとFlurryの両方に、売り上げの一部が分配される。一方Appleのお勧め機能は、ユーザーのデバイスにインストールされているアプリと、同じアプリをいくつかインストールしていると思われるほかのユーザーのグループとを比較した結果に基づいている。
Flurryは、同社の解析サービスを通じて、大企業に圧倒されるという傾向に抵抗するデベロッパーの増加を目にしている。アプリの開発方法に関するパネルディスカッションで、Flurryのマーケティング担当バイスプレジデントであるPeter Farago氏は、小規模なデベロッパーにも同じように大きな成功を収めるチャンスがあることを強調した。同氏は「ずっと多くの企業が多額の利益を生んでいる。人口の1%が富のすべてを所有している南米の国のような状況ではない」と語る。Flurryの最高経営責任者(CEO)Simon Khalaf氏は8日、今日のアプリケーション市場を自動車業界の黎明期にたとえることさえした。
しかし、規模が問題になることもある。iPhoneのユーザー数5000万人以上、アプリケーション数10万以上という数字には圧倒されるが、それでも携帯電話市場全体のごく一部を占めるにすぎない。このことに着目したYouWebなどの企業が、デベロッパーのアプリを人目に触れさせる場を増やすべく参入している。
YouWebは12月7日、「Sibblingz」という製品をリリースした。これは、デベロッパーが自身のゲームタイトルをiPhoneに加えてFacebookや独立したサイトといった場所でも動作するように作るのを支援するものだ。YouWebの創業者Peter Relan氏によると、同社は、ユーザーがどこにいてもどのデバイスを使っていても同じアプリにアクセスできる場合、ユーザーはそのアプリに格段に没頭するようになることが分かったという。また同氏は、データプランが付いたスマートフォンを使用する人よりも、ウェブブラウザにアクセスできる人の方がはるかに多いため、アプリデベロッパーははるかに多くのユーザーベースを獲得する可能性があることも指摘した。
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