この「議論」は10年以上前からインターネット上にまん延していた。しかし、Appleはもはや嘲笑の的になる企業ではない。Appleは、ますますMacの売り上げを伸ばし、新しいMacユーザーを獲得している。大学キャンパスや流行に敏感なコーヒーショップは、バックライト付きのAppleのロゴの前線基地だ。Macがなかなか侵入を果たせなかったWindows陣営最後の防衛線であるビジネスの世界でも、「Boot Camp」のようなプログラムが、Windows用に開発された企業向けアプリケーションへのアクセス方法を提供できるようになると、しだいに考えが変わってきている。そして、デスクトップソフトウェアではなく、インターネット上で作業する仕事が増えるにつれ、互換性の問題も徐々に障害にならなくなっている。
それでも、あくまでもAppleは特別だと考えたい思いはなくならない。The Washington Post紙のHank Stuever氏は、Appleの店での体験に関する米国時間12月9日の記事で、昨今のMacユーザーの姿を嘆いている。「私たちは誰よりもMacを知っていてMacを愛しているんだと、私がわかっていると同様にあなたもわかっていて、あなたが知っていると同様に私も知っているという、プライバシーを分け合っているような、閉鎖的な感覚。こんな感覚は消えていきつつある」
私は12月11日の朝、自分のブログに短い文を投稿し、この記事を書くための協力をもとめた。たった50分でおよそ50通のメールが殺到し、私は受付を閉め切らざるを得なかった。私がブログに投げかけた質問は、要するに、「なぜ、MacユーザーはAppleにそれほど情熱を傾けるのか?」というものだった。
反応はよく似ていた。Macユーザーは、自分のマシンとMacユーザー仲間の両方に非常に密接なつながりを感じるのだという。Macユーザーであるという以外にはまったく共通点などなくていいのだ。ハードウェアおよびソフトウェアの両面で、そのデザインを強調する人もいる。また、ユーザーの創造性を支援するアプリケーションに注力するAppleのやり方に惚れ込んでいる人もいる。
「この件について私の気持ちを言葉にして表現するのは難しいが、こんなふうに言えるだろうか。つまり、私は自分のApple製コンピュータに情愛を感じているのだ。おかしな執着などではなく、心から私の『iBook』を愛しているんだ」と、CNET News.comの読者のRyan Spilken氏は語っている。
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