Appleの元「エバンジェリスト」であるGuy Kawasaki氏が「Truemors」を2カ月前に立ち上げたときには、このサイトの評判は芳しくなかった。同サイトのユーザー生成型コンテンツの品質は低かった。英国のITニュースサイトである「The Inquirer 」はTruemorsを「今まで発見された中で最悪のウェブサイト」と酷評した。
ところがそれからしばらくの間に、同サイトは向上した。Kawasaki氏は同サイトを利用して、個人のブランド名が高く、ウェブ開発者にかける費用が安いときに、ウェブ上で何ができるかという例を示していたようだが、同氏は「1万2000ドルでバカなことができる。人生はすばらしい!」と述べていた。
しかしこのサイトは実はバカではなかった。興味深いもので、世に出ているWeb 2.0アプリケーションのなかで最悪というには程遠い。だからこのサイトの背後にいる人物のことは忘れよう。もうひとつWeb 2.0の新興企業が加わったと見ることにしよう。
Truemorsは「うわさ」のサイトだ。ゴシップ記事を投稿すると、他の人々はそれが面白いかどうかを評価するという発想だ。面白い記事であれば、トップに躍り出る。利用者はまた、うわさにコメントを加えることもできる。
Truemorsには賢い要素がいくつかある。まず、もしネタがあれば、それを投稿するのは非常に簡単だ。記事はウェブ形式、電子メール、SMS、そして音声でさえ(音声認識ツールは「Spinvox」)投稿することができる。これはゴシップサイトであるだけに、匿名での投稿も可能だ。
Truemorsは読みやすい。投稿記事には長さの制限があり、記事はカテゴリごとに分類されている。政治、食べ物、テクノロジー、またはセックスに関心があれば、これらまたは他のカテゴリに直接アクセスすることができる。そしてコンテンツも悪くない。「Digg」のようにコンピュータおたくの投稿だらけということもない。過去数日間にわたりサイトをチェックした限りでは、ゴシップと本当のニュースの両方を含む2、3の興味深い記事を見つけた。(残念ながら各カテゴリページは各自のRSSフィードをまだ持っていない。)
しかしTruemorsでは設計者が意図したとおりに機能するためには、管理が必要とされる。Truemorsチームは中傷、誹謗、ポルノ、見え透いた宣伝記事、あからさまな広告、そして退屈な記事まで除去している。ユーザー生成型記事でも編集上の手入れをすることで、サイトの面白さを保ち、つまらない記事をほとんど含まないようなものとすることができる。これが続く限り(代行者として献身的な読者を任命することも無料で管理できる一手段だ)、同サイトは有用なものであり続けることができるだろう。
もし同サイトが成長すれば、もっと発展したコミュニティが必要となるだろう。一定の人々やグループによる記事をフォローするまたは無視する方法が必要となる。極めて活発な仲裁者も必要となるだろう。これはブロガーたちが、そのブログの見出しに「Did you hear…(この話を聞いた?・・・)」という前置きを加えるだけで、それをTruemorsサイトに放り込むようになり、同サイトはブロガーの記事で溢れることになるためだ。
とりあえず、私はこのサイトが好きだ。少し「StumbleUpon」を連想させるものである。いずれもインターネットをさまよいながら実に効率的に時間を無駄にする方法である。ただTruemorsはテキストベースであるため、なおさら効率的だ。実際にTruemorsは、「Harper’s Magazine」の「Findings(発見)」セクションのようにも読める。もっともTruemorsでは一部の記事がでっちあげのこともあるが。それでもTruemorsはちょっとした面白情報にざっと目を通すには、思いのほか優れた方法だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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