最終更新時刻:2011年2月28日(月) 21時26分
明日の日本を沸かせるITベンチャー、大募集

協賛企業紹介:株式会社エム・ヴィー・シー

インベストメント・パートナー 木村健一氏

商社の強みを生かし、アーリーステージ企業の海外進出もサポート

 1996年に三井物産のベンチャー投資部門が独立して設立されたエム・ヴィー・シー。現在は、北米を中心に投資を展開するMCVPとともに“三井ベンチャーズ”のブランド名で、日本・アジアの企業に投資を行っているベンチャーキャピタルだ。

 同社の投資は、IT、クリーン・テクノロジー、創薬・医療機器、外食リテールサービスの4分野を中核に展開。過去の投資事例では、コーヒーチェーン「TULLY'S COFFEE」のタリーズコーヒージャパンや和定食チェーンの大戸屋といった一般消費者にもなじみ深い企業をはじめ、副作用の少ない抗がん剤を開発する創薬ベンチャーのCanBasなど多岐にわたった企業が名を連ねる。

大企業の持つ技術を切り出して事業化

 同社の投資傾向として、中でも目立つ事例は、大企業が持つ技術を切り出して会社化する「カーブアウト」だ。過去の実績では、2006年に富士通との合資で設立した「QDレーザー」が象徴的な事例だ。QDレーザーは、富士通が産学共同で長年研究・開発を続けてきた、量子ドットレーザー技術の実用化を目指したベンチャーで、光ケーブルの高速・大容量化に加え、低コスト化を実現した。同社インベストメント・パートナーの木村健一氏は「今後も技術オリエンテッドな会社を探していきたい」と、テクノロジーベンチャーへの投資に積極的な姿勢を見せる。

 一方、ベンチャー側から見た同社の魅力は、商社系ベンチャー・キャピタルとしてのグローバルなネットワークにあるだろう。同社では日本をはじめ北京や上海、ソウル、シリコンバレー、ニューヨークに海外拠点を配備するほか、商社ネットワークとの連携でヨーロッパや中東諸国にも投資実績があり、「海外進出をサポートできるのがほかのベンチャーキャピタルにはないメリット」と木村氏。また、同社の特色のひとつにはハンズオン型の投資が挙げられ、「そもそもは三井物産の金融系の営業部隊が独立した組織なので、営業系で苦労しているという企業にはいろいろな支援ができると思う。管理系部門などベンチャー企業が苦手とする業務の人材紹介なども積極的に行いたい」。

現在、同社が投資の対象とするのは、おもにアーリーステージにある企業。1社あたりの投資規模は5000万から1億円程度で、業種はIT、ライフサイエンス産業の中でも技術系の企業が中心だという。

今後はモバイル分野にも注力

 一方、同社では2008年7月末から2009年1月末にかけて「i*deal Competition」と題した、次世代モバイルプラットフォーム上で稼動するソフトウェアやサービスの開発コンテストを主催。1月20日に行われた最終審査会で選考された受賞プランには、出資を含めた事業化が検討されているという。

 木村氏は「数年前まではモバイル分野にはそれほど出資をしていなかったが、これからは広げていきたい」と述べ、今後はモバイル分野も視野に投資先の開拓を続けていく意向を明かした。