われわれの多くは、何らかの職業上あるいは個人的な弱点を抱えており、自分が思うようには、あるいは本来可能なほどには、進歩や成長していない。わたしの場合であれば、中国語の知識は自分が望んでいるものからはほど遠い。もちろん、人それぞれにそういうものがあるだろう。弱点の性質がどのようなものであれ、この記事で紹介するヒントは、それを克服したり緩和したりする役に立つはずだ。
アルコールやドラッグの問題と同じで(なにも読者にこれらの問題があると言っているのではない)、問題を認識することが、解決への鍵だ。意識しない限り、進歩はほとんど起こりえない。逆に、一度認識されれば、進歩が始まる可能性がある。
問題については、できる限り具体的に考えるべきだ。例えば、わたしの場合なら、「中国語の問題」というのは漠然とし過ぎている。より具体的な問題としては、「簡体字に対応する繁体字やその逆を知らない」あるいは「耳で聞いたことを字で書き表せない」いったものがあり得る。ここでは、読者が自分は短気だとと考えているとしよう。これを「データを消してしまったユーザーからの電話を取ると、イライラしてしまう」というように、より具体的に考える。具体的であるほど、その問題を解決するための行動もより効果的になる。
ただ「この分野を伸ばしたい」と言うのではなく、数字化した目標を設定すべきだ。そうでなければ、どれだけ進歩したかを知ることができない。悪くすれば、まったく進歩していないように思えて絶望してしまうかもしれない。
例えば、中国語の文字の理解を向上させるには、具体的に「11月末までに、漢詩の『遊子吟』を、辞書を引かずに、少なくとも90%は読めるようになりたい」とする。目標がユーザーに対して腹を立てないということであれば、「今週は、データを消してしまったユーザーからの電話でX回以上はイライラしない」という風に設定してもいいだろう。
小さい頃、誰かの背中に「蹴ってください」という紙を貼るといういたずらをやらなかっただろうか。かわいそうな犠牲者からはその紙は見えないが、他の人には見える。言い換えれば、その人には死角があったということだ。
誰にでも死角がある。問題を認識していても、自分以外の人がどう認識しているかということから、学べることがあるかもしれない。よく知っていて、信頼している人に、どう考えるか尋ねてみるといいだろう。話を聞くときには、腹を立てないように心がける(もちろん、相手が善意で話しており、助けてくれようとしていると仮定してのことだが)。「友人から受けた傷は信じられる」と古いことわざにもある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス