未踏ターゲット事業の新たな分野として「リザバーコンピューティング技術」を追加


2023年7月3日
独立行政法人情報処理推進機構


未踏ターゲット事業の新たな分野として「リザバーコンピューティング技術」を追加
~プロジェクトの公募を本日から開始~

IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:齊藤裕)は、未踏ターゲット事業の新たな分野として「リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発」について、プロジェクトの公募を本日から開始します。

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IPAは2018年度から、革新的な次世代ITを活用して世の中を抜本的に変えていけるような先進分野において、基礎技術や領域横断的技術革新に取り組むIT人材に対し支援を行う未踏ターゲット事業を実施しています。本事業ではこれまで「量子コンピューティング技術」をターゲット分野としてプロジェクトを公募してきましたが、本年度は新たに「リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発」をターゲット分野として追加し、公募を開始します。

リザバーコンピューティングは、人間の脳の仕組みを模したニューラルネットワーク(数理モデル)の一種で時系列情報処理に適した機械学習の枠組みの一つである「再帰的ニューラルネットワーク」の特殊なモデルを一般化した概念です。リザバーコンピューティングの特徴として、少量のデータにより極めて高速な学習が可能であり、低い学習コストで比較的高い計算性能が得られること、学習コストが低いため、消費電力が少ないことがあげられます。さらに、物理系を利用してリザバーコンピューティングを実現する物理リザバーを用いた機械学習デバイスなどの開発も注目されています。物理リザバーの実現により、予測の超高速性と超低消費電力性が期待され、将来的にはリアルタイム時系列処理のためのAIハードウェアの基盤となる可能性があるなど、研究開発の進展が期待される分野です。

本公募では、リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発に強い関心を持つ個人からのプロジェクト提案を募集します。採択されたプロジェクトに対し、該当分野に精通したPM(プロジェクトマネージャー)や技術面のサポート役であるテクニカルアドバイザからの指導や助言とともに、活動実績に応じたプロジェクト推進費を提供します。また、PM、同期の仲間、当該分野の専門家等が参加する報告会などを通じて議論や交流を促進し、先進分野の人材育成を推進します。公募の概要は次のとおりです。

・公募期間: 2023年7月3日(月)~2023年8月14日(月)12:00(正午)

・説明会 :2023年7月11日(火)18:30から ※オンライン開催

・審査結果通知:2023年9月下旬までに実施

・育成期間:2023年10月10日(火)予定 ~ 2024年3月8日(金)

・契約形態:IPAと採択者間で委託契約を締結。 1プロジェクト当たりの費用の上限は200万円。

・プロジェクトの要件:リザバーコンピューティング技術を活用したソフトウェア開発
以下は、参考例です。要件に合致していれば他の対象領域でもかまいません。
■ニューラルネットワークリザバーに関する対象領域例
モデル・アーキテクチャの高性能化・高効率化に関する開発・性能評価(例:他の機械学習モデルや脳情報処理の仕組みを活用するもの)
アプリケーションに適した学習アルゴリズムの開発・性能評価(例:予測、分類、異常検知、制御)
IoTデバイス・センサ用アプリケーション開発・性能評価(例:音声、画像、動画などの実データ処理)

■物理リザバーに関する対象領域例
自然・物理現象を用いたリザバーの開発・性能評価(すでにリザバーとして機能しうる物理系の準備があることが望ましい)
自然・物理現象を用いたリザバーのシミュレータ開発・性能評価
ハードウェア実装を想定した学習アルゴリズムの開発・性能評価

また、IPAではリザバーコンピューティングについての理解を促進し、興味関心を喚起するため、オンラインセミナーを7月21日に開催します。オンラインセミナーの詳細は本公募の概要ページから追ってご案内する予定です。
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