筆者は子どもの頃から水泳をしており、寒い時期でさえ、故郷の近くの湖や川で、自由形のフォームを完成させるために長い時間を過ごしたものだった。泳ぎには自信があったので、今回は、水泳用に設計された新しいウェアラブルを試す機会があると聞いてそのチャンスに飛びついた。先ごろ、FORM Athleticaの新型スマートゴーグル「Smart Swim 2」が届いたので、春先で気候はまだ肌寒かったが、筆者は早速、地元の湖に出かけてこのデバイスを試してみた。
筆者は、初めて装着したときにSmart Swim 2に感銘を受けた。このデバイスは、他のウェアラブルとの連携も良好で、貴重なデータを大量に得ることができ、強力なスマートフォン用アプリが用意されている。また、初代モデルよりも改善されており、右こめかみ付近に心拍センサーを内蔵しているほか、海や湖、川などのオープンウォーターで泳ぐときのために、ゴーグル内にデジタルコンパスが表示できるようになった。
新しい技術が採用されたのに加えて、Smart Swim 2は先代よりも15%小型化されており、膨大な数の水泳選手を分析して開発された独自のガスケットが採用されている。ノーズブリッジについては、デフォルトである中サイズと大サイズの両方を試したが、最終的には大サイズを選んだ。着け心地は快適で、ストラップを少し緩めて完璧にフィットさせると、ゴーグルはしっかりと固定された。
専用のスマートフォン用アプリ「FORM Swim」は、Garminのスマートウォッチや「Apple Watch」、一部のスイムスパ(小型のプールとジェットバスを組み合わせたような設備)などとのペアリングを含めて、ニーズに合わせてゴーグルの設定に使用する。また、ゴーグルで取得したデータを「Strava」「TrainingPeaks」「TriDot」「FinalSurge」などのトレーニング支援サービスと同期させることも可能だ。
このアプリにはあらかじめ多数のワークアウトが用意されているが、自分でカスタムワークアウトを作成してもいい。TrainingPeaksなどの他のサービスのワークアウトを、Smart Swim 2と同期させることもできる。
サブスクリプションでアクセスできるさまざまなプランでも、水泳スキルを高めるためのワークアウトコレクションを入手できる。これらの強力な機能の多くは、「FORM Premium」サービスの一部で、その中には、デジタルコーチングや指導付きのワークアウトを提供する「HeadCoach」と呼ばれる機能もある。FORM Premiumサービスのサブスクリプション料金は、月額15ドル(約2300円)または年間99ドル(約1万5300円)で、249ドル(約3万8500円)のSmart Swim 2を購入すると、2カ月分の無料トライアル期間が付いてくる。
ゴーグルに表示されるダッシュボードは、FORM Swimアプリを使って、プールでの水泳か、オープンウォーターで泳ぐのか、スイムスパを使ったワークアウトかに応じてカスタマイズ可能だ。オープンウォーターで使われる指標には、心拍数、タイム、距離、ストローク数、進んだ方角などがある。プールの距離を設定すれば、ターンに関する指標や、休憩、ペースの情報を利用することもできる。
続いて、ゴーグルの物理的なデザインについて説明しよう。右側のパーツの下側には2つの物理ボタンが配置されている。これらのボタンはサイズが大きく、距離も離れているため、メニューの操作や選択を行う際に間違うことはない。また、ゴーグルに表示される文字は鮮やかな黄色で、水中でもはっきりと見えた。好みに応じて、表示を右目から左目に切り替えることもできる。
筆者が氷のように冷たい水中で短時間だけ泳ぐと、心拍数、ストローク数、推定消費カロリーなどのデータを得ることができた。Garminのスマートウォッチと接続してGPS信号の軌跡を記録することもできたが、次回は目標に向かって真っ直ぐ泳げるようにするための機能である「SwimStraight」も試してみたい。
FORMによれば、この機能を使えば、自分の目と目標地点だけを使った場合に比べて、コースのぶれを10%~15%改善できるという。SwimStraight機能は進むべき方向をを示してくれるため、オープンウォーターで泳ぐときの不安を減らすのにも役立ってくれる。
FORM Smart Swim 2のゴーグルのバッテリー持続時間は最大12時間で、高性能な曇り止めコーティングが施されているため、常にクリアな視界を保つことができる。この製品には2年間の保証期間が付いており、上質のキャリングケース、ノーズピース、充電用ケーブルが付属している。
筆者のようなアマチュアでもSmart Swim 2のトレーニングを楽しむことはできるが、トライアスロンの競技連盟であるWorld TriathlonやUSA Triathronなどの認証を受けているため、プロフェッショナルがレースで使用することもできる。
一般に、GPSを使用したスポーツ用ウェアラブルが目指しているのは、ユーザーがより良い結果を出そうとするモチベーションを高めることだ。筆者は、大人になってからは気軽に水泳に取り組んできたが、FORM Smart Swim 2を使って自分のフォームを改善し、自分の運動のルーチンに計画的なワークアウトを取り込みたいと考えるようになった。運動を一度止めてスマートウォッチをチェックしなくても、目の前でワークアウトに関する数字を確認できるのはすばらしいことだ。これらの数値に簡単にアクセスできれば、ラップをこなし、計画した距離の目標を達成したいという気持ちも高まるし、最終的には泳ぎの上達にも繋がるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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