2018年中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド活用状況

ノークリサーチは中堅・中小企業における10分野に渡る業務アプリケーションのクラウド活用状況に関する調査/分析の結果を発表した。

<業務アプリケーションの開発/拡販では「クラウド活用状況を踏まえた施策」が不可欠>
■XaaSを全て合わせたクラウド活用は情報/顧客管理系の方が基幹系よりも依然として高い
■業務アプリケーション分野別の傾向は「IaaS/ホスティング」と「ASP/SaaS」で分けて捉える
■「IT管理/運用の人員規模」や「ビジネス拠点の状況」もクラウド選択を左右する大きな要因
■同じパッケージでも、「社内設置」と「IaaS/ホスティング」では高い評価を得る機能が異なる

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年1月29日

2018年中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド活用状況

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業における10分野に渡る業務アプリケーションのクラウド活用状況に関する調査/分析の結果を発表した。本リリースは「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のクラウドに関連する設問部分のサンプルおよびダイジェストである。


<業務アプリケーションの開発/拡販では「クラウド活用状況を踏まえた施策」が不可欠>
■XaaSを全て合わせたクラウド活用は情報/顧客管理系の方が基幹系よりも依然として高い
■業務アプリケーション分野別の傾向は「IaaS/ホスティング」と「ASP/SaaS」で分けて捉える
■「IT管理/運用の人員規模」や「ビジネス拠点の状況」もクラウド選択を左右する大きな要因
■同じパッケージでも、「社内設置」と「IaaS/ホスティング」では高い評価を得る機能が異なる


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2017年7月~8月
有効回答件数: 1300社(有効回答件数)
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■XaaSを全て合わせたクラウド活用は情報/顧客管理系の方が基幹系よりも依然として高い
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、10分野に渡る導入済みの業務アプリケーション(ERP/生産管理/会計管理/販売・仕入・在庫管理/給与・人事・勤怠・就業管理/ワークフロー/グループウェア/CRM/BI・帳票/文書管理・オンラインストレージサービス)のクラウド活用状況を尋ねた結果である。(グラフ中の「オンプレミス」と「クラウド」が具体的にどのような運用形態を指すか?は次頁に記載) 基幹系アプリケーションは現在もクライアント/サーバやスタンドアロンの導入形態が多く、Webアプリケーションが主体の情報系や顧客管理系と比べてクラウドの割合が低くなっていることが改めて確認できる。ただし、これはIaaS/PaaS/SaaSといった様々なクラウド形態を全てまとめた俯瞰した場合の結果であり、実際には個別に実態を把握していく必要がある。次頁以降ではその一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■業務アプリケーション分野別の傾向は「IaaS/ホスティング」と「ASP/SaaS」で分けて捉える
本リリースの元となる調査レポートでは10分野に渡る業務アプリケーションの運用形態を以下の選択肢を設けて尋ねている。
業務アプリケーション分野別の傾向は「IaaS/ホスティング」と「ASP/SaaS」で分けて捉える
パッケージ(社内設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、社内に設置して利用
パッケージ(データセンタ設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、データセンタに預けて利用
パッケージ(IaaS/ホスティング利用):※
ハードウェア/OSを購入せず、IaaS/ホスティングを基盤としてミドルウェアやパッケージを購入して利用
独自開発システム(社内設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入し、独自開発されたシステムを社内に設置して利用
独自開発システム(データセンタ設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入し、独自開発されたシステムをデータセンタに預けて利用
独自開発システム(IaaS/ホスティング利用):※
ハードウェア/OSを購入せず、IaaS/ホスティングを基盤として独自開発されたシステムを利用
独自開発システム(PaaS利用):※
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入せず、PaaSを基盤として独自開発されたシステムを利用
ASP/SaaS利用:※
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを購入せず、ASP/SaaS形態のサービスを利用調査レポートには10分野全ての業務アプリケーションの運用形態を年商や業種などの企業属性別に集計したデータが含まれる
パッケージ(社内設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、社内に設置して利用
パッケージ(データセンタ設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、データセンタに預けて利用
パッケージ(IaaS/ホスティング利用):※
ハードウェア/OSを購入せず、IaaS/ホスティングを基盤としてミドルウェアやパッケージを購入して利用
独自開発システム(社内設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入し、独自開発されたシステムを社内に設置して利用
独自開発システム(データセンタ設置):※
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入し、独自開発されたシステムをデータセンタに預けて利用
独自開発システム(IaaS/ホスティング利用):※
ハードウェア/OSを購入せず、IaaS/ホスティングを基盤として独自開発されたシステムを利用
独自開発システム(PaaS利用):※
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入せず、PaaSを基盤として独自開発されたシステムを利用
ASP/SaaS利用:※
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを購入せず、ASP/SaaS形態のサービスを利用
前頁に掲載したグラフは上記の選択肢のうち、赤字の※を「オンプレミス」、青字の※を「クラウド」としてまとめたものだ。(設置場所が社内/社外のいずれかではなく、ユーザ企業が自ら所有するものは何か?が基準となっている点に注意)
以下のグラフは10分野に渡る業務アプリケーションのうちで、ERP/会計管理/販売・仕入・在庫管理/グループウェア/CRM/文書管理・オンラインストレージサービスの6分野における上記の選択肢に関する回答結果を集計したものである。
前頁で触れたように、クラウド全体では「情報/顧客管理系の方が基幹系よりもクラウドの割合が高い」という傾向が見られるが下記のグラフで詳細を見ると、その差の要因は「ASP/SaaS利用」であることがわかる。一方で、「パッケージ(IaaS/ホスティング利用)」や「独自開発システム(IaaS/ホスティング利用)」では6つの業務アプリケーション分野の間で大きな差異は見られない。
このように「どのクラウド形態に着目するか?」によって業務アプリケーション分野におけるクラウド活用の傾向が大きく変わる点に注意しておく必要がある。


■「IT管理/運用の人員規模」や「ビジネス拠点の状況」もクラウド選択を左右する大きな要因
業務アプリケーションのクラウド活用状況を把握する際には企業属性から見た傾向も重要となる。本リリースの元となる調査レポートには以下のような様々な観点からクラウド活用状況を集計したデータが含まれる。
年商区分: 5億円未満/ 5億円以上~10億円未満/ 10億円以上~ 20億円未満/ 20億円以上~50億円未満/50億円以上~100億円未満/ 100億円以上~ 300億円未満/ 300億円以上~ 500億円未満
従業員数区分: 10人未満/ 10人以上~20人未満/ 20人以上~50人未満/ 50人以上~100人未満/100人以上~300人未満/ 300人以上~500人未満/ 500人以上~1000人未満/1000人以上~3000人未満/3000人以上~5000人未満/ 5000人以上
業種区分: 組立製造業/ 加工製造業/ 流通業/ 建設業/ 卸売業/ 小売業/ IT関連サービス業/一般サービス業/ その他
地域区分: 北海道地方/ 東北地方/ 関東地方/ 北陸地方/ 中部地方/ 近畿地方/ 中国地方/四国地方/ 九州・沖縄地方
IT管理/運用の人員規模: IT管理/運用を担う人材は専任/兼任のいずれか?人数は1名/2~5名/6~9名/10名以上のどれに当てはまるか?などに基づく12の選択肢
ビジネス拠点の状況: オフィス、営業所、工場などの数は1ヶ所/2~5ヶ所/6ヶ所以上のいずれか?ITインフラ管理は個別/統一管理のどちらか?などに基づく5つの選択肢
以下のグラフは10分野の業務アプリケーションのうち、会計管理における「パッケージ(IaaS/ホスティング利用)」と「ASP/SaaS利用」の回答割合を年商別およびビジネス拠点の状況別に集計した結果である。ITソリューションの多くは年商規模の大きな企業から小さな企業へと普及していくが、会計管理のASP/SaaS利用については年商5億円未満の小規模企業における導入も目立つ。さらにビジネス拠点の状況を見ると、拠点が2ヶ所以上かつITインフラを統一管理している企業ではIaaS/ホスティング利用の割合が相対的に高くなっていることがわかる。ここでは具体例の一つとして会計管理を挙げたが、10分野の業務アプリケーションによって、企業属性別に見た時のクラウド活用状況は大きく異なってくる。ベンダや販社/SIerにとってはこうした分野別かつ企業属性別の傾向を把握した上で、今後の販促施策や製品/サービスの展開を検討していくことが重要となる。


■同じパッケージでも、「社内設置」と「IaaS/ホスティング」では高い評価を得る機能が異なる
さらに本リリースの元となる調査レポートでは10分野の業務アプリケーション毎に「評価/満足している機能や特徴」、「現状の課題」、「今後持つべき機能や特徴」について詳しく尋ねている。以下に列挙したものはERPにおける「評価/満足している機能や特徴」および「現状の課題」の選択肢例である。(選択肢の内容は業務アプリケーション分野によって異なる)
「評価/満足している機能や特徴」の選択肢例(「ERP」の場合)
・複数モジュール間のデータ連携が容易である
・様々なデータを集計/分析して経営に活かせる
・独自開発システムと比べて機能が豊富である
・業種別/業態別のラインアップが豊富である
・バージョンアップが適切に継続している
・最新バージョンへの移行が容易である
・プログラミングをせずに項目や画面を作成できる
・プログラミングをせずにデータ連携を実現できる
・公開されたテンプレートを取捨選択できる
・パッケージとクラウドを選択/併用できる
・様々なクラウドサービスと連携できる
・システム間のデータ転記作業を自動化できる
・複数システムを連結して処理を自動化できる
・データから処理内容を自動で判断できる
・紙面データの入力作業を自動化できる
・スマートデバイスに適した画面が用意されている
・Webブラウザで大半の機能が利用できる
・開発元の企業がなくなってしまう心配がない
・質問に対する販社/SIerからの回答が早い
・導入や保守サポートの費用が安価である
・バージョンアップの費用が安価である

「現状の課題」の選択肢例(「ERP」の場合)
・複数モジュール間のデータ連携ができない
・データを集計/分析して経営に活かせない
・独自開発システムと比べて機能が足りない
・業種別/業態別のラインアップが十分でない
・バージョンアップが長期間行われていない
・最新バージョンへの移行が困難である
・プログラミングしないと項目や画面を作成できない
・プログラミングしないとデータ連携を実現できない
・公開されたテンプレートが十分に提供されていない
・パッケージとクラウドを選択/併用できない
・クラウドサービスと連携することができない
・システム間のデータ転記作業を自動化できない
・複数システムを連結して処理を自動化できない
・データから処理内容を自動で判断できない
・紙面データの入力作業を自動化できない
・スマートデバイスに適した画面が備わっていない
・Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
・開発元の企業がなくなってしまう心配がある
・質問に対する販社/SIerからの回答が遅い
・導入や保守サポートの費用が高価である
・バージョンアップの費用が高価である
以下のグラフはERPにおいて「評価/満足している機能や特徴」に関する回答結果の一部をクラウド活用状況別に集計したものである。この結果を見てみると、「パッケージ(社内設置)」では「複数モジュール間のデータ連携が容易である」の回答割合が相対的に高い「パッケージ(IaaS/ホスティング利用)」では「様々なデータを集計/分析して経営に活かせる」の回答割合が相対的に高い「ASP/SaaS利用」では「導入や保守サポートの費用が安価である」の回答割合が相対的に高いといったように、クラウド活用状況によって機能や価格に関する評価が変わってくることがわかる。ここではERPを具体例として挙げているが、業務アプリケーションの分野によって傾向は大きく異なる。このように業務アプリケーションのクラウド活用状況を把握することは、今後の機能や価格の検討を進めていく上でも極めて重要な観点となってくる。


本リリース内で引用した調査レポートや関連する調査リリース

【引用調査レポート】
『2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
ユーザ企業1300社、全10分野に渡る業務アプリケーションの社数シェアとユーザ評価を集計/分析
【サンプル/ダイジェスト】
「ERP訴求では「潜在的な不満」の把握が不可欠」リンク
「生産管理は富士通とOSK(大塚商会)が同率首位」リンク
「会計管理は「機能で解決できない課題」が焦点」リンク
「販売管理は「売上分析&クラウド」+αが必要」リンク
「人材の有効活用が人事給与の新たな役割」リンク
「クラウドがもたらすワークフローの新たな役割」リンク
「グループウェアのシェア首位争いは2強体制へ」リンク
「CRMは「MA」の要素も含めた進化がカギ」リンク
「BI・帳票は汎用ツールとの差別化機能が必要」リンク
「主要な文書管理基盤に求められる機能とは?」リンク
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】リンク
【価格】180,000円(税別)


【その他、ご好評いただいている調査レポート】
『2017年版中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート』
中堅・中小企業がIT活用の成否を委ねるプライム販社/SIerを選択する際に重視する評価ポイントとは何か?
【サンプル/ダイジェスト】
「販社/SIerの社数シェアと導入効果の関連」リンク
「中堅・中小企業が導入するIT商材の変化」リンク
「販社/SIerが実践すべき必須16項目とは?」リンク
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】リンク
【価格】180,000円(税別)

『「ひとり情シス」の類型と分布に関する調査(Quarterly Report2017年春版) 』
【サンプル/ダイジェストおよびレポート案内】リンク
【価格】125,000円(税別)

調査レポートのお申込み方法:
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株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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