logo

健康リテラシーの低さが招く、「低栄養」とは?

トレンド総研 2016年09月19日 10時00分
From 共同通信PRワイヤー

2016年9月19日

トレンド総研

~“敬老の日”特報~
健康リテラシーの低さが招く、「低栄養」とは?
高齢者は認知症の進行・死亡リスクに直結、
介護費用アップで家族の負担にも

高齢者の6割が、70歳を過ぎてから「食事の量や内容に変化」と回答
85歳以上では4~5人に1人が低栄養傾向
「低栄養」は、膵臓がんと同程度の死亡率!?
60代以下も要注意!肥満気味でも「かくれ低栄養」の可能性が
「低栄養対策メニュー」や「栄養調整食品」がカギ!

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、「低栄養」問題をテーマにレポートいたします。

【1:概要紹介】 「低栄養」とは?
急速に高齢化が進む現在の日本。元気でアクティブなシニアに注目が集まる一方で、寝たきりなどの要介護状態に陥る高齢者も多く、2極化しています。最近では、自宅でも、施設や病院でも介護が受けられない「介護難民」の増加が社会問題に。また、介護が長期化した場合には、家計にも負担が重くのしかかります。そして、こうした介護リスクを高める1つの要因として問題になっているのが、高齢者の「低栄養」です。「低栄養」とは、エネルギーやたんぱく質など、健康な体を維持し活動するのに必要な栄養素が足りない状態を指します。注意が必要なのは、自分ではしっかり栄養を摂っているつもりでも「低栄養」になる場合があるという点。この「健康リテラシー」の低さこそが、「低栄養」を招く原因につながると言えます。さらに、60代以下の若い人や中年男女も注意が必要。シニアではなくても、さらには肥満ぎみであったとしても「かくれ低栄養」状態に陥ることがあります。そこで今回トレンド総研では、この「低栄養」をテーマに、高齢者およびその家族を対象にした意識・実態調査や、医師・管理栄養士などの専門家へのインタビューをおこないました。

【2:診断テスト】 あなたは大丈夫? 「低栄養」予備軍チェックリスト
「低栄養」は自覚がなくとも起こりえる症状です。下記のチェックリストに複数当てはまる人は「低栄養」予備軍の可能性があると言えます。(※チェックリストは管理栄養士の指導をもとに作成しています)

<あなたは大丈夫? 「低栄養」予備軍チェックリスト>
□やせてきている □皮膚の炎症をおこしやすい □傷や褥瘡が治りにくい □抜け毛や毛髪の脱色が多い □かぜなどの感染症にかかりやすい □握力が弱い □下肢や腹部がむくむ □食欲がない □よろけやすい □口の中や舌・唇がかわいている、唾液がべたべたする □だるい、元気がない、ボーッとしている □皮膚が乾燥し、弾力がなくなっている □食べるスピードが遅くなり、食べる量が減る □知らない間によだれが出る □せきの力が弱い □口の中に食べものを長くためている □よくむせる □うがいがうまくできない □口からよくこぼす □痰がからみやすい □声がかすれる □一人で外出しなくなった □自分で料理をしない

【3:調査結果】 高齢者および家族の「低栄養」に関する意識・実態調査
高齢者が「低栄養」に陥ってしまう可能性は、どの程度あるのでしょうか。今回トレンド総研では、高齢者およびその家族を対象に、「低栄養」に関する意識・実態調査をおこないました。

[調査概要]・調査対象:70歳以上の男女 300名、40~60代女性 300名(70歳以上の高齢者と同居し、食事を提供している方) ・調査期間:2016年8月19日~8月24日  ・調査方法:インターネット調査

◆70歳を過ぎてから「食事の量や内容に変化」、高齢者の6割が回答
まず、70歳以上の高齢者300名に対して調査をおこなったところ、「低栄養」を知っていた人は、わずか21%という結果に。多くの高齢者が「低栄養」の症状やリスクを認識していない様子がうかがえます。続いて、「70歳を過ぎてから、食事の量や内容に変化はありましたか?」と聞くと、60%が「あった」と回答。具体的には、「食事の量が減った」が最も多く76%にのぼっており、以下、「野菜を中心に食べるようになった」(49%)、「肉をあまり食べなくなった」(25%)、「食事を残すことが増えた」(12%)などが続きました。年齢とともに、食欲や食べたいものが変化する高齢者は少なくないようです。また、高齢者の「粗食」は、かえってエネルギー量やたんぱく質の不足につながる場合もあるため注意が必要ですが、「食事においては粗食を心がけている」という人が全体の4割超(44%)にのぼっています。そこで今回、「低栄養」の説明をした上で、自分が当てはまると思うかを質問したところ、11%が「そう思う」と答えました。高齢者のおよそ10人に1人が「低栄養」の自覚があるということになります。

◆同居する家族の約8割が、「高齢者の食事は、介護や寝たきりなどのリスクに影響」と回答
続いて、70歳以上の高齢者と同居し、食事を提供している家族(40~60代女性)300名に調査をおこないました。はじめに、「同居する高齢者の食事メニューに気をつかっていますか?」と聞いたところ、71%が「気をつかっている」と回答。また、「高齢者の食事は、介護や寝たきりなどのリスクにかかわると思いますか?」という質問でも、79%と約8割が「そう思う」と答えており、高齢者の健康のためには、普段の食事が重要と考える家族が多いことがわかります。しかし一方で、高齢者の家族たちの中で、「低栄養」という症状を知っている人の割合は37%にとどまる結果に。残り6割以上の家族は、「低栄養」について理解がおよんでいないということになります。

◆高齢者およびその家族の「低栄養」予備軍チェックリスト回答結果
そこで今回は、調査に回答した高齢者およびその家族に、前述の「低栄養」予備軍チェックリスト(管理栄養士の指導をもとに作成/複数チェックがついた場合は、低栄養の疑いあり)に回答いただきました。まず、高齢者については、チェック項目数が平均「3.7」個という結果に。また、前問で「低栄養」の自覚があると答えた高齢者においては、平均チェック項目数が実に「7.9」個にのぼっています。また、体型が「肥満・肥満ぎみ」でもリストに複数チェックを入れている人が多く、平均「4.1」個と全体平均を上回る結果に。一見、太っていて栄養状態がよいようにみえても、実際は「低栄養」に陥っているケースもあると言えそうです。さらに、高齢者の家族にも、自分自身が該当する項目にチェックをしていただいたところ、その平均は「3.1」個となりました。特に、前問で同居高齢者が「低栄養」の可能性があると答えた人については、チェック数が平均「4.3」個と全体平均を大きく上回る結果に。高齢者にあわせた食事を摂っていると、その家族までも「低栄養」に陥ることがあるため、食事提供者自身も栄養面に気をつかう必要があると言えます。

【4:医師インタビュー】 医師に聞く「低栄養」の原因とリスク
続いて、「低栄養」の原因とリスクについて、24時間対応の在宅総合診療を提供する「医療法人社団 悠翔会」理事長・診療部長の佐々木淳先生にお話を伺いました。

<専門家プロフィール> 佐々木淳(ささきじゅん) 医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長
日本内科学会認定医/日本医師会認定産業医/CAMRO代替医療研究機構・代表理事。三井記念病院、医療法人社団 哲仁会 井口病院副院長等を経て、24時間対応の在宅総合診療を提供する医療法人社団 悠翔会を設立。

◆膵臓(すいぞう)がんと同程度の死亡率!? 現代に潜む「低栄養」のリスクとは
「低栄養」は、そのまま放置すると死亡リスクが高まると言われています。実際に、入院時の栄養状態によって2グループに分けられた高齢者が、退院後にどれくらい健康で生きられたかを追いかけたアメリカの研究データがあるのですが、これによると、入院時に栄養状態が良好だった高齢者グループは、退院後3年間生きた人が全体の約8割だったそうです。一方で、「低栄養」の高齢者グループにおいて、3年以上生存できた方は2割未満。つまり、栄養状態だけで死亡率が4倍も違うということになります。3年後の生存率は、手術ができない膵臓がんとほぼ同じくらい。「低栄養」によって、肺炎・骨折・認知症など、さまざまな病気のリスクが高まることで、結果として死亡のリスクも高まってしまうのです。

◆高齢者が「低栄養」に陥りやすい3つの要因
特に高齢者は、「低栄養」になりやすい傾向があるため、注意が必要です。厚生労働省が発表している最新の「国民健康・栄養調査(平成26年)」によると、65歳以上で17.8%、80歳以上では4~5人に1人が低栄養傾向とされています。また、首都圏の在宅療養患者を対象に実施した調査では、半数が「低栄養」だったというデータもあります。高齢者が「低栄養」に陥りやすいのには、いくつか要因があります。まず挙げられるのが「生活能力の低下」です。例えば、1人で買い物に行けない、1人で料理ができない、冷蔵庫に食べものを取りに行くのが億劫など。こういった方は、おのずと食事の量が減ってしまい、十分な栄養が摂れないという状況に陥りがちです。また、高齢になると多いのが、「病気」にともなって食べられなくなる方。例えばうつや認知症は加齢に伴って増えてきますが、これらの病気を発症すると「低栄養」に陥りやすくなります。また、脳梗塞の後遺症などで、食べる力そのものが弱くなることもあります。さらに見落としがちなのが「薬の副作用」で食べられなくなるというケース。睡眠薬や胃薬を服用することで、食欲が落ちてしまうという方は少なくありません。現在の日本は高齢化が進んでいるため、必然的に「低栄養」に陥る人の割合も増えています。今後も高齢者はどんどん増えていくため、「低栄養」のリスクにさらされる方もおのずと増加すると言えるでしょう。

◆家族と同居している高齢者でも要注意!
なお、データ上、一番「低栄養」になりやすいのは老年男性の一人暮らし。その次は高齢者のみの老老世帯です。しかし、家族と同居している場合でも「低栄養」に陥ってしまう可能性は十分にあります。というのも、一緒に食事を摂っている高齢の家族の食事量や体重が減っていても、「年をとれば、それが普通」と、見逃されるケースが少なくないのです。家族に「年だから仕方がない」と見過ごされてしまうと、知らず知らずのうちに「低栄養」に陥り、本来よりも早いタイミングで健康を害したり、病気になったりする場合があります。ご高齢の方と一緒に暮らされているご家族の方は、食事量や体重の減少に気がついたら、早めに医師・保健師・管理栄養士などの専門スタッフにご相談されることをおすすめします。

◆若い人や、太っている人も「かくれ低栄養」になる可能性が
また、高齢者に限らず、若い人でも「低栄養」に陥ることはあります。病気などによって栄養状態が悪くなるケースのほか、ダイエット中の方も注意が必要です。体重を減らそうと思って極端に食事を減らしたり、しばらくの間偏った食事をしたりしていると、一時的に栄養状態が悪化することは十分にありえます。若い人は、一時的に栄養状態が悪化しても、元に戻る力は高いですが、ダイエットをする場合は無理をしすぎず、栄養状態にも気を配ることが重要です。さらには、“太っているのに「低栄養」”という人も、確実に存在します。見た目だけで栄養状態を判断するのは大変難しく、「かくれ低栄養」のような状態が起こりえるのです。見た目がコロコロしていると、何となく栄養状態がよさそうですが、私たちにとって本当に必要なのは、脂肪ではなくて、筋肉や骨、そして臓器。どんなに体が大きくても、筋肉が極端に少ない状態であれば、その人の運動機能はきっと高くありません。ということは、結局「低栄養」の方と同じように、転倒のリスクが高かったり、食べる力が落ちたりすることにつながります。重要なのは、いま痩せているか、太っているかではなく、むしろ直近での体重・食事量などの変化なのです。自分の栄養摂取状況や食習慣、身体の状態を充分に理解できていない、また、自分に適した食生活が送れないような「健康リテラシー」の低い人は、高齢者でなくても「低栄養」になりやすいと言えます。

◆「低栄養」から脱却するには、その人にあわせたケアが必要
「低栄養」は、病気そのものではないため、病院にいったり、薬を飲んだりすれば治るというものではありません。改善のためには、まず「なぜ食事がすすまないのか」「なぜ栄養状態が悪いのか」といった要因を、具体的に抽出する必要があります。例えば、椅子の座り方ひとつで食べものが飲み込めなくなってしまう方もいますし、目が悪くて白いお皿にのせた白いごはんが見えないという方もいます。おいしくしっかり栄養を摂るためには、その人にあわせたケアが必要なのです。また一般的に、食事のボリュームが取れていれば「低栄養」にはならないと思われがちですが、食事の量だけでなく、その中身も大変重要です。しかし、年齢を重ねていくと、いろいろなものをバランスよく食べる「食事の多様性」を保つのが難しくなってきます。特に高齢者の場合は、買い物や調理が億劫になって、朝はおかゆと味噌汁だけ、お昼はあんぱんだけなど、食事の内容が乏しくなりがち。そうなると、必然的に栄養素も不足してしまいます。中でも注意しなければいけないのが、たんぱく質です。たんぱく質が不足すると、骨や筋肉が弱くなり、寝たきりになるリスクが大きく高まります。カロリーや糖質などはアイスクリームやチョコレートなどでも摂れますが、たんぱく質はなかなか摂るのが難しい栄養素です。必要な栄養をしっかり摂るためには、いろいろな種類のものを積極的に食べることが重要。また、たんぱく質が摂取できる、市販の栄養調整食品などを活用するのもよいでしょう。

【5:管理栄養士インタビュー】 管理栄養士に聞く「低栄養」対策のポイント
さらに今回は、訪問管理栄養士の第一人者で、介護現場での栄養指導経験も豊富な中村育子先生に、「低栄養」対策のポイントについてお伺いしました。

<専門家プロフィール> 中村育子(なかむらいくこ) 訪問管理栄養士
平成6年4月板橋区立西台在宅サービスセンター。平成9年12月福岡クリニック在宅部栄養課。平成20年6月全国在宅訪問栄養食事指導研究会会長に就任。平成26年6月日本在宅栄養管理学会(旧全国在宅訪問栄養食事指導研究会)副理事長に就任。

◆体重やBMI値だけでは判断できない「低栄養」
私は訪問栄養指導を約20年おこなっていますが、介護現場ではよく「低栄養」の問題に直面します。高齢になると、入れ歯があわない、ヘルパーさんの食事があわないなど、ちょっとしたことで食事の量が減ってしまいます。食が細くなってくると、栄養を充実させるのは難しいものです。また、量だけでなく、摂取する食品の種類も少なくなるという点からも、高齢者や要介護者は「低栄養」に陥りやすいと言えます。逆に、介護する側の家族が知らず知らずのうちに「低栄養」になるケースもあります。介護の現場では、ゆっくりスーパーで買い物をする時間すらとれず、自分の食事の準備などとてもする気にもならないという介護者の方を多くみかけます。カップラーメンやおにぎりだけで済ませるなど、自分の食事を犠牲にしている介護者は、自分自身が「低栄養」に陥りやすくなるのです。また、「低栄養」は体重やBMI値だけでは判断できないため、なかなか自分では気付きにくいという難しさがあります。見た目は標準体重であるけれども、栄養状態が悪いという方も少なくありません。「低栄養」かどうかを正しく把握する上では、血清アルブミン値などの血液生化学検査をおこなう必要があります。アルブミン値が3.3以下など低い方であれば「低栄養」と言えます。「低栄養」の心配がある方は、一度専門機関などでアルブミン値を測ってみるとよいでしょう。

◆夏~秋は、「低栄養」に注意すべきタイミング
さらに、夏から秋は「低栄養」になりやすいタイミングのため、より注意が必要です。「夏バテ」など、暑さで食事の摂取量が減ると、そうめんなど、のどごしのよいものばかりを食べようとしがち。そうすると、必然的に食事の偏りがでてきてしまいます。また、気温の高低差が激しくなる9月は、高齢者に限らずとも体調を崩しやすくなるタイミング。日中は暑いけれども、夕方に涼しくなると、疲れが一気に出てしまうという、「夏バテ」ならぬ「秋バテ」の症状が起こりやすいと言えます。体調が悪いからといって食事を抜いたりせず、栄養のあるものをしっかり摂りましょう。

◆「低栄養」を回避するための食事の在り方とは 
「低栄養」を回避する上でまず重要なのは、食の多様性とバランス。少しずつでいいので、いろいろな食品を食べるように心がけることが大切です。また、食べる量が少なくなってきた方の場合は、食べたい時に少しずつ食事を分けて食べる、補食で食べるなど、食事の時間にとらわれないことが重要です。さらに、食事の時間が楽しくなるように雰囲気を工夫することも大切。豪快に食べる人、美味しそうに食べる人などが近くにいると、つられて自分も食事を食べるということがあるのです。ひとり暮らしの方でも、例えば近所のお友達と一緒に食事を摂ってみるなど、楽しく食事をすることで、食事量の増加が期待できます。

◆管理栄養士がおすすめする「低栄養」対策メニュー
自分で調理をおこなう場合は、1度にいろいろな栄養が摂れるよう、たくさんの食材を使ったメニューがおすすめです。具だくさんの汁物や、鶏肉の筑前煮、豚汁、石狩鍋、納豆汁など、たんぱく質の多いものと野菜をうまく取り入れたものがよいでしょう。また、グラタン、ピザ、ドリアなども、最近の高齢者はよく食べます。牛乳、チーズ、エビ、ほたてなどが入っているため、たんぱく質も一緒に摂れます。いずれにしろ、手に入りやすい食材で、簡単に作れることが重要です。

◆「たんぱく質」を意識して摂ることが重要…栄養調整食品などの活用もおすすめ 
具体的なメニューとしては、「たんぱく質」を意識して摂るように意識するとよいでしょう。ゆでたまご、焼き肉、焼き魚など、たんぱく質を多く含む食品は、焼くと固くなるため、高齢者は敬遠しがち。しかし、たんぱく質の不足は「低栄養」に直結してしまいます。お肉、お魚、卵、大豆製品、牛乳、乳製品など、1回の食事の中で必ず1品は、たんぱく質の多いものを盛り込むように心がけていただきたいです。また、食事の量が減ってしまい、たんぱく質をはじめとした栄養が確保できない方には、栄養調整食品をご提案しています。最近は、明治「メイバランス」、味の素「メディミルスープ」など、味もおいしい調整食品がドラッグストアで手に入りますので、少量で高栄養なものを、好みにあわせて選ぶとよいでしょう。



本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

今日の主要記事