OKI、高速高周波対応の高多層銅コインプリント配線板量産技術確立

JCN 2015年05月12日 10時10分
From JCN Newswire


TOKYO, May 12, 2015 - ( JCN Newswire ) - OKIグループのプリント基板事業会社であるOKIサーキットテクノロジー(社長:野末正仁、本社:山形県鶴岡市、以下 OTC)は、このたび、従来技術の20倍の放熱性を実現した「高速高周波対応※1銅コイン※2埋め込み高多層プリント配線板の設計・量産技術」を、開発に成功しました。新技術を適用したプリント配線板は、最新の大容量データ通信機器用として2015年4月から量産を開始し、今年度2億円の販売を目指します。

スマートフォンなど携帯端末の高性能化によるデータ通信量の増大にともない、通信基地局やデータセンターのサーバーなどで使用する装置に搭載されている高速高周波対応部品は、大容量データを処理するために発生する熱対策が課題とされています。また装置の小型化のために半導体など電子部品は小型のプリント配線板に高密度で搭載すること、そして小型化と低消費電力化のため装置自体の冷却ファンやヒートシンクをなくすことが求められています。プリント配線板には、狭い面積の中で、搭載された電子部品が発生する熱を、さらに高効率でプリント配線板へ伝え外部へ逃がす高度な「放熱構造」の実現が必要となります。

一般的なプリント配線板素材に比べ高速高周波対応の素材は強度が劣るため、穴(スルーホール)へ負荷のかかりやすい銅コイン埋め込みは、高多層板では困難とされていました。その為、従来はプリント配線板に表面を銅めっきした多数の穴(スルーホール)を明けて、穴内の銅めっきを通じて放熱する「スルーホール構造」が主流でしたが、データ処理量の増大と電子部品搭載の高密度化が進み、発熱量が増加する一方でスルーホールの配置エリアが狭くなり、十分な放熱量が確保できず熱対策の大きな課題でした。

今回OTCでは、スルーホールに円柱状の銅(銅コイン)を挿入し圧力負荷の少ない独自の工法で隙間無く埋め込むことで、少ない穴数でより多くの熱伝導領域を確保し放熱性能を20倍に向上させるとともに長寿命で高信頼性を実現した新技術「T-Coin(Technology of copper Coin insert)構造」(ティーコイン構造)の開発に成功しました。熱伝導率※3の高い銅を大面積で発熱部品に直接接触させることで、高い放熱性を実現しました。これらの技術を活かし、冷却ファンやヒートシンクレスが無くても十分な放熱性能をもった商品の開発に貢献します。

新開発のT-Coin構造は、銅コインの形状と厚みをミクロン単位で管理する製造技術と、銅コインがスルーホールめっきへ接触した時にダメージのない加工をする圧力レート制御技術により実現しています。銅コイン直径とプリント配線板板厚の適用範囲(銅コイン直径3.0~6.0mm、板厚1.0~2.0mm)を広く設けているためカスタマイズが容易で、様々な用途のプリント配線板のシミュレーション・試作から量産まで対応できます。OTCでは、今回の量産開始にむけて、スルーホールに銅コインを埋め込む時の圧力を均一にするため、OTC独自仕様の「銅コイン埋め込み設備」を開発・導入しました。

【用語解説】
※1: 高速高周波対応
インターネットなどの普及により数百メガバイト~数ギガバイトの大容量データを秒単位で高速に伝送する事が望まれている。また、デジタル回路では動作周波数が高くなり数ギガヘルツ以上考慮する必要があるとされている。高速高周波対応のプリント配線板では、材料特有の比誘電率、比誘電正接の特性が高い材料を用いる。
※2: 銅コイン
銅を円柱状に成形した材料。
※3: 熱伝導率
物質内で高温部分から低温部分へ熱が伝導する際の、伝導のしやすさを示す値で単位は「W/m・K(ワット・パー・メートル・ケルビン)」。

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概要:沖電気工業株式会社

OKIは米国でグラハム・ベルが電話機を発明したわずか5年後の1881年に創業した、日本で最初に電話機を製造した情報通信機器メーカーです。先見性と勇気をもって果敢に挑戦・行動するという、創業以来の「進取の精神」を連綿と受け継ぎ、ブランドスローガン「Open up your dreams」のもと事業展開しています。現在、「金融システム」「通信システム」「情報システム」「プリンタ」「電子部品・モジュール他」の5つの分野において、OKIグループは社会の発展に寄与する最先端技術の商品・サービスをお客様にお届けし、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献しています。詳細はこちらからご覧ください。リンク

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