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望まれる喘息治療と、積極的な治療参加の重要性

グラクソ・スミスクライン株式会社 2012年12月20日 17時54分
From Digital PR Platform


気管支喘息とCOPDの専門医団体である日本喘息・COPDフォーラム(JASCOM)とグラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は、喘息患者の実態を調べる大規模電話調査「AIRJ;Asthma Insights and Reality in Japan(エアジェイ)」を共同で実施、その調査結果に関するメディアセミナーを2012年10月25日(木)に開催しました。あわせて7~9月に喘息の子どもたちを対象に実施した「先生へのお手紙コンテスト“せんせい、きいて!”」の受賞作品の発表も行われました。

■成人気管支喘息の実態と課題
国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王病院アレルギー内科、JASCOM成人喘息領域代表
足立 満 先生

 AIRJは喘息患者の治療・管理の実態を把握することを目的とした大規模電話調査です。「健常人と変わらない日常生活が送れる」「正常に近い呼吸機能を維持する」「喘息発作が起こらない」などのガイドラインの治療目標の達成状況、喘息の基本治療薬であるICS(吸入ステロイド)の普及率、服薬アドヒアランス(服薬遵守)の現状等の観点から調査されており、2000年、2005年に続き、第3回目が2011年に実施されました。

 今回は、「アクセスパネル」を用いた新しい調査手法をとり、代表性、連続性を確保しました。ただし手法が異なるため、過去2回と今回の調査結果を単純に比較することはできないことをお断りしておきます。


●喘息のコントロールは依然として不十分
 調査対象は、過去に喘息と診断され、かつ最近1年間に喘息関連症状を経験した、あるいは喘息治療薬を服用した16歳以上の400名です。平均年齢は46.4歳、性別は男性27%、女性73%ですが、これは電話調査時の在宅率が女性のほうが高かったためと思われます。重症度は、軽症間欠型64%、軽症持続型17%、中等症持続型8%、重症持続型11%でした。

 軽症の人が8割以上を占めているにもかかわらず、最近1ヵ月間の喘息発生率を見ると62%に症状が出ていました(図1)。また、最近1年間の入院 は2%、救急治療は2%、欠勤・欠席は13%で、現在の喘息治療は「症状を出さないこと」が目標の1つですから、6割もの患者さんが1ヵ月間に喘息症状を経験している現状をみると、コントロールは依然として不十分と言わざるを得ません。
 
 スポーツ・レクリエーション、睡眠、家事など生活上の諸活動についても、6割の人が喘息のために何らかの形で支障をきたしていると答えており、「健常人と変わらない日常生活が送れる」というガイドラインの治療目標は十分に達成されていないのが現状だといえます。


●吸入ステロイドの普及は進んでいるが、自己判断でやめる人が多数
 最近1ヵ月間のICSおよびICS/LABA(吸入ステロイドと長時間作用性吸入β2刺激薬の配合剤)の使用率は34%であり(図2)、ガイドラインの普及とともにICSの使用率も高まってきています。しかし、ICSが喘息の基本治療薬であることをふまえると、更なる普及が求められます。

 また、最近1年間の服用期間は、10ヵ月以上の人が41%にとどまりました。しかも服薬をやめた理由を見ると、「症状がなくなった」が61%、「発作が治まった」が39%で、症状の消失に伴う自己判断によって服薬をやめているケースが非常に多いことがわかりました(図3)。症状が治まっても喘息の根源である気道炎症は残っていますので、治療をやめてしまうと症状がぶり返し、しだいに悪化するリスクがあります。医師が患者さんに対して、喘息が慢性の炎症性疾患であること、ICSの継続が重要であることをきちんと説明する必要性が示されました。

 管理状況については、「定期的に受診」が47%、「吸入指導を受けた」が95%、「ピークフローメーターを週1回以上使用」が3%、「1年以内に肺機能検査を受けた」が43%でした。この調査だけでは詳細はわかりませんが、通院やピークフローメーターの使用状況は患者さんの年齢や性格、そして重症度や環境にもよりますので、私は年齢やライフスタイルに合わせた指導が必要ではないかと考えています。

●ICSの更なる普及と服薬アドヒアランスの向上が求められる
 今後はより良いコントロールを目指して、ICSの更なる普及と服薬アドヒアランスの向上が求められます。ICSの使用率は高まってきましたが、治療の第一選択薬であることを踏まえれば更なる普及が必要です。また、自己判断で治療を中断する人が多いので、「症状が出たらICSを服用するが、症状が消えたらやめる」のではなく「医師の指示の下、ICSを継続的に使い喘息を長期的にコントロールする」ことの大切さを理解してもらわなければなりません。
 
 最近はプライマリケア医の下で治療を受ける患者さんも多いので、プライマリケア医に対する疾患啓発や専門医とプライマリケア医との連携も課題です。高齢の患者さんが増えているため、ご家族、介護施設のスタッフなど関係者への啓発をすすめていく必要もあるのではないでしょうか。

■小児気管支喘息の実態と課題
国立病院機構 福岡病院 名誉院長、JASCOM顧問
西間三馨 先生

 小児喘息の治療は「症状のコントロール」「呼吸機能の正常化」「QOLの改善」の3つを軸に、喘息があっても「健康な子どもと同じような生活が送れる」ことが目標です。AIRJ2011においても、こうした観点から調査・分析を行っています。手法は成人と同様で調査対象は400例です。一般的に小児喘息は男児のほうが多く、今回の調査も男児65%、女児35%となっています。平均年齢は8.8歳、重症度は軽症間欠型58%、軽症持続型23%、中等症持続型15%、重症持続型4%なので、軽症の小中学生が主な対象と考えていいでしょう。

●喘息が学校生活やスポーツ、睡眠などの妨げになっている
 最近1ヵ月間の喘息症状を見ると、調査の期間が11~12月で症状が出やすい時季であったとは言え、60%が何らかの喘息症状を経験しており、喘息が十分にコントロールされているとは言えません(図4)。最近1年間の入院や救急治療に関しても、軽症型が多いにもかかわらず、予定外受診や欠席が多くなっています(図5)。また、生活上の諸活動も喘息により、さまざまな面で制限されていることがわかりました(図6)。私たちは喘息のお子さんが健康な子どもと同じような生活が送れることを治療の目標としていますが、残念ながら身体活動面において、ハンディキャップがあるのが現状です。
 
 喘息コントロールテスト(ACT:対象12歳以上/25点以上がコントロール良好 C-ACT:対象4-11歳/20点以上がコントロール良好)も20点未満が12~15歳で26%、4~11歳で17%と高い数字が示されました。コントロールできていないお子さんがこんなにも多いのは意外であり、残念な結果だと思っています。

●短期間のICS服薬が多い 治療継続についての説明が必要
 最近1ヵ月間のICSおよびICS/LABAの使用率は20%でした。成人に比べると低い数字とはいえ軽症のお子さんが多いことを考えれば決して低い使用率ではありません。しかし問題はきちんと使用しているかどうかです。最近1年間の服用期間を見ると、10ヵ月以上の人が22%である一方で、2~3ヵ月以下の人が約7割を占めていました。このデータだけでは詳しいことはわかりませんが、短期間の服用では適切な治療が行われておらず、コントロールが不十分である可能性もあります。

 中断した理由を見ても、「症状がなくなった」が66%、「発作が治まった」が36%と、患者さんや保護者の判断で薬をやめているケースが多く、医師が患者さんや保護者に対して、ICSやその使い方について十分な理解を促すことが重要です。
 
 吸入指導は従来あまり行われておらず、今回、「吸入指導を受けた」が77%と高い数字になっていたのは、良い傾向だと思います。一方で、「ピークフローメーターを週に1回以上使用」はわずか1%でした。喘息治療において、客観的な指標を用いることの重要性を、まず医師に対して周知する必要があると考えます。

 今回の調査で、小児喘息の治療状況はかなり改善されてきてはいるものの、症状のコントロールや運動など患児のQOLに関する治療目標が達成されていないケースが多く、学校生活や運動、睡眠において喘息が妨げになっていることがわかりました。今後、より質の高い喘息のコントロールを達成するには、ICSを中心とした喘息の長期管理が不可欠であり、その内容や重要性を医師、患者、保護者の皆さんに周知した上で治療をすすめていく必要があると思います。

■ぜんそくがよくなったらしたいこと! よくなって、できるようになったこと!
「先生へのお手紙コンテスト“せんせい、きいて!”」受賞作品発表

JASCOMとGSKでは、喘息を抱える小学6年生までのお子様を対象とし「ぜんそくがよくなったらしたいこと!よくなって、できるようになったこと!」をテーマに、「先生へのお手紙コンテスト“せんせい、きいて!”」を実施しました。全国から集まった683通ものお手紙から厳正なる審査の結果、優秀賞3名、入賞7名が選ばれ、審査委員長を務めた西間先生より本セミナーにて受賞作品が発表されました。

○応募期間/ 2012年7月11日~9月20日
○応募資格/ お子さま:小学6年生までのぜんそくの患者さま、保護者さま:ご両親、祖父母さま等のお身内の方
○応募方法/ 全国の医療機関に設置した専用応募用紙に記入し郵送
○応募総数/ 683 通 *全応募作品を喘息の総合情報サイト「Zensoku.jp」の特設サイトにてご紹介しています。
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【受賞作品(一部抜粋してあります)】
[優秀賞]
○先生が一人でいそがしそうだから、かんごふさんになって先生のお手つだいをしてあげたいです。 
大阪府/2年生/おおくらいろは ちゃん

○ぜんそくになるのがいやだから、あまりおにごっこをしなくなりました。ぜんそくが治ったら、また、みんなといっしょに思いっきり走りたいです。 
広島県/3年生/おかださら ちゃん

○夢が、かなったら、お母さんやお父さんに、「いままで心配してくれた分、がんばる。」って、言ってあげたい。 
石川県/5年生/やましたゆうだい くん

[入賞]
○おおきくなったらおいしゃさんになる。おかあさんのあしをなおします。いっぱいおべんきょうしておとなもこどももみんなきていいびょういんにします。
長崎県/小学校入学前/しもやまなおき くん

○このあいだ、せんせいがいいました。「ほっさがないからきゅうにゅうはやめてようすをみましょう。」わたしはとてもうれしかったです。 
千葉県/1年生/ねぎしあゆみ ちゃん

○もっといままでできなかったことも、ぜんそくがなおったらしたいです。そのためにまいにちくすりをのんでいます。 
滋賀県/2年生/いとうるか ちゃん

○ぼくもぜんそくだけど藤川投手みたいに元気になって、すごいプロ野球せん手になりたいです。 
大阪府/3年生/やぎはやと くん

○わたしの、ぜん息がなおるまで、ちゃんと、おくすりをのむので、先生、おうえんよろしくおねがいします。 
東京都/3年生/ますだみひろ ちゃん

○ぜんそくが止まると大好きな野球ができます。先生、僕の夢は野球選手です。 
長野県/5年生/さとうこういちろう くん

○まだぜん息が出るけど、薬をきちんと飲んで、学校を休まないようにして、たくさん勉強をがんばりたいです。 
岐阜県/5年生/きたむらたくみ くん

【西間先生コメント】
「どのお手紙も感激するものばかりで、入選作品を選ぶのには本当に苦労しましたが、とても楽しいひとときでもありました。これらの作品が、多くの喘息患児とその保護者の方々に勇気を与え、ひとりでも多くの患児が子どもらしい生活を送れるようになるきっかけとなってくれることを願ってやみません。

■column
喘息治療の主役は吸入ステロイド 治療を続ければ症状のない生活も可能に

 喘息は吸入ステロイド(ICS)治療により大部分がコントロール可能であり、症状の出ない生活を送ることもできるようになっている。しかし、治療の継続は簡単ではなく、「患者さんは365日24時間、常に症状に悩まされるわけではないので、調子が良くなると服薬をやめてしまう傾向が世界的に見ても強い」と西間先生。足立先生も「服薬遵守率は世代によっても異なり、働き盛りの人では定期的な通院さえも難しいことが少なくない」と話す。しかし、喘息の症状は“氷山の一角”。ベースには気道の慢性炎症があるため、症状を抑えるだけの治療では発作を繰り返し、徐々に悪化し、最悪の場合、死に至るリスクもある。症状が治まっても医師の指示の下、ICSを継続的に使用することが必要だ。ステロイドは副作用が強いとのイメージが根強いが、吸入薬は飲み薬や注射薬に比べ薬の量が少なく、肝で速やかに代謝され、かつ患部に直接作用するため全身性の副作用が少ないのが特徴である。子どもやお年寄りにも広く使われている。


■JASCOMの理念&活動内容
日本喘息・COPDフォーラム(Japan Asthma and COPD Management Forum;JASCOM)は呼吸器疾患、特に気管支喘息とCOPDに関して治療の発展、患者さんのQOL向上、正しい理解と普及を図るため、2003年に呼吸器専門医を中心として設立された団体です。2012年現在、会員数は呼吸器専門医約480名。情報発信や患者会との連携活動、調査・研究など、さまざまなプロジェクトを展開していますが、COPDに関しては現在、特に啓発プロジェクトに力を注いでおり、認知度の改善や早期受診の推進をめざしてワークショップや実態調査を行っています。

発行:
日本喘息・COPDフォーラム(Japan Asthma and COPD Management Forum=通称JASCOM)
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グラクソ・スミスクライン株式会社
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