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2012年以降に向けた中堅・中小企業におけるIT投資市場規模と実態調査報告

ノークリサーチは2012年以降に向けた国内中堅・中小市場におけるIT投資市場規模と実態に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<年商や業種に応じたビジネス環境を把握したきめ細かい商材提供が必要>
■中堅・中小企業全体の2011~2015年平均成長率は2.1%だが、年商や業種で傾向は異なる
■年商5~30億円ではマイナス成長、年商30~300億円では試行錯誤に起因する投資が続く
■製造業、卸売業、流通業でIT投資の伸びが比較的堅調、小売業は店舗展開投資を重視
■サービスの浸透は緩やか、ハード/ソフトも含めた均衡の取れたソリューション提案が大切

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年1月10日

2012年以降に向けた中堅・中小企業におけるIT投資市場規模と実態調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2012年以降に向けた国内中堅・中小市場におけるIT投資市場規模と実態に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業におけるIT投資の実態と展望レポート」のダイジェストである。


<年商や業種に応じたビジネス環境を把握したきめ細かい商材提供が必要>
■中堅・中小企業全体の2011~2015年平均成長率は2.1%だが、年商や業種で傾向は異なる
■年商5~30億円ではマイナス成長、年商30~300億円では試行錯誤に起因する投資が続く
■製造業、卸売業、流通業でIT投資の伸びが比較的堅調、小売業は店舗展開投資を重視
■サービスの浸透は緩やか、ハード/ソフトも含めた均衡の取れたソリューション提案が大切


対象企業: 日本全国/全業種の年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業(IT市場規模推移算出対象は年商5億円以上~500億円未満)
対象職責: 企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員
調査実施時期: IT投資市場規模算出は2011年通年でのデータ収集を元に算出、一部設問は2011年1月~2月
有効回答件数: 1000件
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■中堅・中小企業全体の2011~2015年平均成長率は2.1%だが、年商や業種で傾向は異なる

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業の2011年から2015年までのIT投資規模推移を年商別に集計したものである。(IT市場規模の算出方法や区分定義については右記を参照リンク)
年商5億円以上~500億円未満全体の2011年から2015年までのCAGR(平均成長率)は2.1%であるが、年商や業種によって傾向は様々である。次頁以降では年商別、業種別、商材別の状況について詳しく述べている


■年商5~30億円ではマイナス成長、年商30~300億円では試行錯誤に起因する投資が続く

まず前頁にグラフを掲載した年商別の傾向について述べる。年商5億円以上~30億円未満ではCAGR-0.9%と減少する。この要因としてはクラウド活用によってハードウェアやソフトウェアがサービスへと移行することによる影響よりも、ハードウェアやソフトウェアの更新サイクルの長期化による面が大きい。これはハードウェアの高性能化と低価格化、ソフトウェアの成熟化やOSなどの基本ソフトウェアのバージョンアップサイクルの長期化といった提供側の要因が挙げられる。さらに年商5億円以上~30億円未満の企業では国内外の経済環境の激しい変化への追随が難しいため、IT関連費用を極力抑えて現行システムをなるべく長く利用するという意向が生まれやすい。
一方で、年商300億円以上~500億円未満では年商500億円以上の大企業と同様に企業の買収/合併や事業拠点の統廃合といったビジネス面での変化やその際のシステム面での統合手段としての仮想化やプライベートクラウドの活用が要因となって、システムの集約が進んでいく。こういった取り組みはITコストの削減につながるため、IT投資規模はほぼ横ばいの状態となる。
年商30億円以上~50億円未満、50億円以上~100億円未満、100億円以上~300億円未満の3つの年商帯については比較的高いCAGR値を示している。これらの年商帯では会計、販売/購買、生産、人事/給与などといった基幹系業務システムを中心に自社業務への適合などを課題とする試行錯誤がまだ続いている。また、今後の新たな市場開拓を目指した海外展開への取り組みも盛んになっている。クラウド活用についても既存システムの現状把握が十分でなく、大企業のように全社規模でITコストを大幅に削減するためのクラウド活用には踏み出しにくい。その結果、既存システムの改善/刷新においては自社内運用とクラウド活用が混在し、年商300億円以上~500億円未満のようなITリソースの集約がスムースには進まない状況となる。
したがってIT投資の負担は依然として大きく、他の年商帯と比べた時の高いCAGR値を示す結果となっている。だが、ユーザ企業としてはIT投資負担を軽減したいという意向が常に存在しており、より安価で確実な手段を模索していることを踏まえておく必要がある。


■製造業、卸売業、流通業でIT投資の伸びが比較的堅調、小売業は店舗展開投資を重視

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業における業種別のIT投資規模推移を示したものである。
(業種区分定義の詳細については右記を参照リンク)
業種によってもIT投資の傾向は大きく異なってくる。まず、組立製造業や加工製造業は長引く円高や発展が著しい新興国との競争など厳しい状況におかれているが、海外展開に伴うIT投資や生き残りをかけた生産体制の効率化や拡大のための採算管理システム投資への取り組みが活発になると予想される。
建設業では東日本大震災の復興需要が期待されるものの、放射能を含んだがれきの処理が停滞していることに加えて、公共事業の減少および入札額の下限に近い金額での受注が慣例化することによる下請け業者への値下げ圧力などといった従来から続く恒常的な要因により、IT関連まで投資の余裕がない状況が続いている。
卸売業では継続する消費者嗜好の多様化、食中毒事件や原発事故による放射能の影響を踏まえた食品流通における安全性の確保、世界各地の自然災害や新興国での消費拡大などに起因する食料品を中心とした原材料の高騰などといったように取り組むべき課題は非常に多岐に渡る。これらの課題に対処するための流通関連システムへの投資が必要となり、それがIT投資における比較的高いCAGR値の要因となっている。
小売業ではスマートフォンを端末とし、ソーシャルサービスやGPS機能を活用した顧客獲得への取り組みが盛んになりつつある。だが、こうしたIT活用では小売業者自身によるシステム投資が少なく、消費者が所有する端末と小額または無償で利用可能なサービスの組み合わせで実現できてしまうものも多い。また、投資余力のある小売業者では基本的なシステム投資は一巡しており、売上拡大の施策として実店舗の拡大に注力する傾向が強い。そのためIT投資への優先度が相対的に低くなり、結果としてCAGRは微減となっている。
流通業(運輸業)はイラン核開発問題に代表される中東情勢の影響による原油高の懸念や荷主からの値下げ圧力など今後も厳しい状況が続く。だが、GPSやクラウドを活用した走行情報管理による配車効率や燃費の向上への取り組み、無線LANやRFIDタグを利用したピッキング作業の効率化など、厳しい状況下でも利益を捻出するためのIT活用への取り組みが予想される。
サービス業はほぼ横ばいのCAGR値となっている。だが、サービス業は業態も多種多様であり、地域の特性に応じた事業所展開を行うことも少なくない。その結果、IT投資の傾向も様々である。全体のIT投資規模推移はほぼ横ばいではあるが、実際はIT投資に積極的な業態とそうでない業態がある。ITを提供する側としては自社で提供可能な商材と詳細な業態とのニーズマッチングを行うことが重要となってくる。
IT関連サービス業は4.1%と比較的高い値を示している。クラウドやアプライアンスなど、顧客企業が求めるシステム形態の選択肢が増える点を踏まえた自社商材のポートフォリオ拡大や、運用/保守サービスを維持するためのインフラ投資などが主な要因である。
以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業における商材別のIT投資規模推移を示したものである。(商材区分定義の詳細については右記を参照リンク)


■サービスの浸透は緩やか、ハード/ソフトも含めた均衡の取れたソリューション提案が大切

クラウドによってハードウェアやソフトウェアが急激に減少し、サービスの比率が増加するという見解もあるが、ユーザ企業を対象としたアンケートに基づくIT市場規模算出の結果では3つの商材カテゴリの比率が短期間で大きく変化するという結果は少なくとも現時点では導き出されていない。
中堅・中小企業の多くは既に何らかの情報処理システムを保持している。既存のソフトウェアやハードウェアがサービスへと代替されるためには、それら既存システムの移行が不可欠だ。しかし、一気に全てを移行することは困難であり、部分的な移行においても自社内とクラウドを跨いだシステム連携や個別カスタマイズの反映など技術面での課題も多い。つまり、ユーザ企業から見ると既存システムをクラウドへ移行するための明示的なメリットが見いだせない状況である。会計やBIなど一時的にITリソースを多く必要とする分野では単なるコスト削減ではないメリットが期待できるが、特定の業務場面に限ったクラウド活用が広く普及するにはまだ数年単位での時間を要すると予想される。
さらに、中堅・中小企業を支援する販社やSIerの意向も忘れてはならない要因である。中小規模の販社/SIerは従来型のハードウェア販売やシステム開発/運用がまだ主体であり、クラウドを活用したストック型ビジネスへの転換は容易ではない。
そのため、顧客に対して新しい商材を提案することを躊躇するケースも少なくなく、そのことがユーザ企業の啓蒙を遅らせる一要因にもなっている。
しかし、業種や業態に特化したクラウドサービスの登場や社内の既存システムからの移行におけるノウハウの蓄積などによって「サービス」への投資額は今後徐々に増えていく。また、中堅上位企業でのIFRS への取り組みや、製造業における生産管理システムの更なる改善も見込まれ、それが「ソフトウェア」の投資額増加要因となっている。一方、「ハードウェア」に関しては性能向上と比べた場合の価格低下などの要因で「サービス」や「ソフトウェア」と比べるとCAGRの値はやや低い。
だが、全体比率に占めるハードウェアの割合が急激に低下するわけではなく、年商300億円以上~500億円未満の中堅上位企業におけるプライベートクラウドの自社内構築や、年商5億円以上~50億円未満の中小企業における簡易なシステム導入といった多様な用途に応えるアプライアンスの需要なども重要である。


本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業におけるIT投資の実態と展望レポート」の詳細は下記URLを参照リンク


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