海外で富裕層向けに高級携帯電話サービスを提供しているノキア傘下のVertu(ヴァーチュ)は、NTTドコモから回線を借りて日本市場でも事業を開始する。2月19日には東京銀座に国内1号店となる「Vertu 銀座フラッグシップストア」をオープンさせたほか、2009年5月には月額5万2500円のプレミアムメンバーシップサービス「VERTU Club」を開始する予定だ。
Vertuが国内で販売する端末には、600万円のモデルもある。Vertuのサービスは他社とどう違うのか、そして日本ではどのように展開していくのか。Vertu日本事業プレジデントの伴陽一郎氏に話を聞いた。
ノキアの中にはさまざまな事業やブランドが存在しており、その中の1つという位置付けになります。VertuをNokiaブランドの一部だと思われている人も多いようですが、NokiaブランドはNokiaブランドで、VertuはVertuで独自のコンセプトを持っており、作られる製品も大きく異なります。
Vertuはノキアという企業が持つブランドの1つです。たとえば、日本のVertuはノキア・ジャパンに属しているのではなく、ノキア本社のVertu事業に属しています。
我々が想像した以上に良い結果となっています。現在、景況感が悪化していることから、オープンするまでは色々な人から「大丈夫なのか」と聞かれました。ですが我々はあらかじめ顧客ターゲットを絞り込んでおり、そうした方々は景況感に大きく影響されていないようです。これは狙い通りだったといえるでしょう。
これまでに来店されている方々の話を聞くと、Vertuを海外で知られた方と、さまざまな情報でVertuの存在を知ったという人の2タイプに分かれるようです。後者の方は銀座にお店ができるということを、ご自分で聞きつけていらしたようですね。
「サービス開始まで待てない」という方々の問い合わせが非常に多く、2月19日から予約を受け付ける形でスタートしました。実際、地方から訪ねてきたり、会社を休んで来たりした方もいるほどです。
さらに、製品を早く手にしたいという方が非常に多かったことから、現段階では携帯電話としての機能しか利用できないということをご理解頂いた上で、端末を提供しています。
海外での主な顧客は、やはり富裕層、セレブの方々です。このような方々は頻繁に(国内外を)移動するので、Vertuの携帯電話としての部分と、サービスの部分に着目されているようです。またビジネスで成功された方、自分の持つアイテムにこだわりを持った方なども多く利用されています。
ただ、さまざまな層の方々に利用されています。私自身、ロンドンのVertuの店舗でどのような人が訪れてくるのか見たことがありますが、身なりの整った紳士から、カジュアルな格好をした人までさまざまでした。日本の店舗に来店する方を見ても、似た傾向があると感じています。
また、海外では男性のユーザーが多いですが、ファッション性の高い端末が登場したことで、最近では女性のユーザーも増えています。
主に、「VERTUコンシェルジュ」「VERTU Fortress」「VERTU Clubメール」「VERTUウェブ」の4つが利用できます。
VERTUコンシェルジュは、携帯電話を使っている方々のライフスタイルをサポートするサービスです。端末右側のコンシェルジュキーを押すことでサービスに接続し、音声でライフスタイルマネージャー(コンシェルジュサービスのスタッフ)とやりとりすることで、航空券や海外のホテル、ギフトなどの手配ができます。ライフスタイルマネージャーは、顧客の要望に24時間態勢で応じます。
Vertuの携帯電話を利用される方は要求水準も高いのですが、そういった方々も満足させるようなサービスを提供しています。実際にあった依頼の例として、「花を贈りたいので日本一のバラを用意して送って欲しい」というようなものがありました。
次にVERTU Fortressですが、これは英国の旧軍事施設の掩蔽壕(えんぺいごう)にある、地下30メートル、壁の厚さが3メートルという空間にサーバを設置して、お客様の情報を守るというバックアップシステムです。ちなみにFortressは、英語で「要塞」という意味です。
VERTU Clubメールは、VERTU Clubに入会すると、“○○○@vertuclub.ne.jp”というドメインが使えるようになるというものです。これにより、メールを受け取った相手が「このアドレスはVERTU Clubのメンバーだ」と判断できるようになります。
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