台湾を本拠とするNASベンダーのSynologyは10月25日、ユーザーイベント「Synology 2018 Tokyo」を都内で開催した。企業向けと個人向けの二部構成で展開したが、ここでは企業向けのセッションとインタビューを紹介する。
本イベントは同社の業績や今後の戦略、導入事例、最新製品の特徴などを紹介する内容で10年前から毎年世界各国で開催しており、国内ではこれが3回目。2017年は世界17カ国で開催した。
2016年、Synologyでは「Network」「Application」「Storage」の3つを「NAS」のコンセプトとして再定義し、単にネットワークに繋がるストレージとしての「NAS(Network Attached Storage)」に留まらない、“これからのNAS”を提案した。今年も各セッションは、この切り口に沿った展開となった。
冒頭、壇上に立ったSales DirectorのMike Chen氏は、同社を取り巻く環境が順調に推移しているとアピールする。
最新のフルフラッシュストレージ(ALL SSD NAS)であるFSシリーズを含む、10種類以上のNAS製品がローンチできたことから始まり、欧州ではベータバックアップなどのクラウドサービス「Synology C2 beta」が、公開後の3日間で1万人を超えるレジストレーションがあったという。
コラボレーションスイートを含む9つの新しいアドオンのダウンロードを開始したことや、7月に投入したWi-Fiルータ「RT2600ac」が米国のテックメディアで高評価を得たことなども披露した。
グローバルでの売上も拡大しているが、日本市場では前年比60%の成長率を記録。特に家庭でも使いやすいNASキット「DiskStation DS216j(以下、DS216j)」は、日本がアジアでナンバーワンの出荷台数という。
Chen氏は、ビジネスユースで同社が現在焦点を当てているのは、「ビジネス成長の加速(Accelerate)」「シームレスな接続(Connnect)」「デジタルアセットの保護(Secure)」の3つだと語る。
少々抽象的だが、いずれもユーザーに何を提供するのかの話だ。NASを単なるネットワークストレージで終わらせず、データ管理やセキュリティ確保に積極的に活用してもらうため、クラウドベースで使えるアプリケーションの提供やバックアップソリューションを充実させていくという内容になる。
セキュリティに関してはもう一つ。Synologyが台湾企業として初のCVEベンダーに認定され、製品に影響する脆弱性にCVE IDを割り当てる特権を持ったことで、顧客のデータを最大限に保護できると報告した。
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