自然災害、事故など、不測の事態が発生した場合でも、企業ができる限り事業を継続できる、あるいは早期の復旧を可能とするためのBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に注目が集まっている。中小企業とBCPの現況、また、クラウドとの関係、取り組み方などについてITRのシニア・アナリスト 金谷敏尊氏に聞いた。
東日本大震災後、大企業から中小企業まで規模にかかわらずBCPへの関心は高まっている。実際の取り組みも勢いづいており、具体的にはインフラ系、特にデータセンター関連での需要が拡大しているようだ。
「データセンター事業者はいま、例年の10倍くらい忙しいとの声も聞かれるほどです」と金谷氏は話す。
金谷氏が挙げる企業の“いまの課題”は、大別すると3点、
となる。
これらに対する解決策として、大企業から中堅・中小まで第一に挙がってくるのが、データセンターに機器やデータを預けるという答えだという。 「データセンターは、地震など自然災害へのさまざまな対策を講じており、自家発電装置を備えている場合が多い。節電規制への対応なども、事業者任せにできる」からだ。データセンターの空きは、実際に少なくなってきている状況だという。
「東京都内であれば、収容能力は大きいので依然として余裕はあるものの、大阪、福岡などでは、かなり埋まっている模様。中小企業でデータセンターの活用を考えているのであれば、沖縄、北陸、山陰などの地域も視野に入れておいた方が得策では」と話す。また「事業者は大手優先の傾向があるため、地場のデータセンター事業者を探すなど、早めに行動することが望ましいだろう」と提言する。
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