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2007年09月25日 〜 2007年11月19日
楽天は、もはや知らない人のいない日本最大のインターネットサービス企業。そこで取り扱われている商品やサービスの種類は多岐にわたり、数も膨大。3500万人と言われるユーザー数を聞くだけで、規模の大きさが改めて分かる。一瞬たりともサービスを停止させないために、システム運用の現場ではさまざまな工夫がこらされている。3500万ユーザーが快適にサービスを受けられるための仕組みとは、どのようなものなのだろうか。これまでマスメディアにほとんど明かされることのなかった、楽天のシステムの秘密と、現場を担うエンジニアの育成について、同社執行役員 開発・編成統括本部 システム構築・運用本部 本部長 兼 編成本部 本部長 兼 開発人材部門 部門長の樋口将嘉氏に聞いた。
――樋口様が担当されている「システム構築・運用本部」とは、どのような部門なのでしょうか。
現在、楽天株式会社(以下、楽天)社内では、システム開発全体を数百名規模の体制で行っています。それらは大きく4つのグループに分かれており、その内のひとつが「システム構築・運用本部」です。業務の範囲は、データセンターの設計・構築・運用から、ネットワーク、サーバ、データベースやミドルウェアの管理にまで及びます。規模で言うと、全部で数千台規模、データセンターも全国数カ所にまたがっています。それらを運用管理するのが私たちシステム構築・運用本部の役目になります。
――規模の大きさに改めて驚きました。業務の中で、特に重視している点は何でしょうか。
サービスや商品売買の場という点で、楽天には社会インフラ的な側面があると言えます。登録会員の方だけで3500万名にのぼり、楽天市場のオーダートランザクションも、1分間に700〜800件という量の受注があります。システムの停止はユーザー様、店舗様双方に広く迷惑がかかりますので、とにかくダウンタイムを確実になくしたい。それが運用の第1目標で、もっとも重視している点です。
一方で、セキュリティへの配慮も必須です。ユーザー様には住所やカード情報などを登録いただいていますし、購買履歴などもありますので、情報管理には非常に気を遣っています。
また、これだけシステムが大規模ですと、「コストとの戦い」になります。時間と予算をかければその分だけ堅牢なシステムが構築できますが、ビジネススピードを考慮すると、かけられるコストと時間には限りがあります。そのあたりのバランスについては、楽天が10年間蓄積してきたノウハウが活きています。
――樋口様は検索システム開発のご経験をお持ちですが、楽天の業務にも活かされているのでしょうか。
楽天の検索サービスは一般的な検索サービスとは少し異なり、「商品検索」が主になります。同じ検索サービスではありますが、使用用途も違い、元になるデータの収集方法も異なるためシステム自体もオリジナルなものになります。しかしながら、Web検索のノウハウを商品検索に転用することは可能です。たとえばキーワードの分析を行ってマッチングを改善する施策を実現に向けて検討しています。
商品検索の場合、主となるのはデータベースに登録されている商品名などによる単純検索です。そこにWeb検索のノウハウを追加すればより便利になるのではないかと考えています。ところが、登録されているデータの件数は1,800万件以上もあるため、それらのデータをいかに分類し、どのようにキーワードとマッチさせ、グルーピングするかについては、まだまだ改善の余地があります。現在、楽天技術研究所(※)と協力して研究しているところです。
それから、楽天の検索サービスはあくまで、会員向けのサービスが中心であるということに強みがあると思います。一般的な検索サービスでは広告事業が主な収益源となり、ページビューや検索回数などで売り上げが決まります。一方、楽天の場合、検索結果が楽天市場のお買いものや、楽天トラベルの旅行予約につながります。多岐にわたるサービスのトータルで、お客様が利便性を感じられることが、楽天が提供できる価値の差別化要因になります。会員にとって「使えるサービス」であることが、価値を生むのです。
検索サービスを単一で提供していては、検索結果のこのような横展開はできません。しかし楽天のようにさまざまなサービスを提供していると、それらの連携によってサービスを広げていけるというところが魅力ですね。
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