楽天が自社でサービスを開発していることを知っていましたか?
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2007年09月25日 〜 2007年11月19日
――止まらないインターネットサービスを構築するため、運用管理の面ではどのようなノウハウがあるのでしょうか。
「システム運用」というと、開発担当が作ったシステムを、運用担当が引き受けるというのが一般的なシステム構築・運用の流れだと思います。しかしインターネットサービスは、リリースしてからが勝負ですので、高回転で次々にアプリケーションを追加開発しながら、どんどん改良していく必要がありますし、ある時一気にトラフィックが急増してキャパシティの問題になるということもあります。
ですから、運用を担うメンバーがインターネットサービスに求められる要件に迅速に対応できる体制が必要です。楽天では設計段階から運用を見据え、話に加わってシステムを開発しています。また、障害発生時に故障箇所の特定と、交換を容易にする「標準化」も大切です。インターネットサービスそれぞれを個別に作り込んでいては、システムの差異が大きくなり運用の負荷が上がります。ですから標準化に基づき、素早いシステム増強が可能な体制作りをしています。
「我々が対応している」というのもポイントです。「我々」というのは「楽天社員」という意味です。通常外部任せであることの多いデータセンターにおいても、弊社では部屋借りをして、電源や空調などに細かくこだわり、ラックの配置からラック内の機器配置、ケーブリングなどすべての設計を自分たちで行っています。外注ではこだわりきれない細部に至るまで考えつくし、重要なノウハウとして蓄積しています。
あとは「当たり前のことを当たり前にやる」という心がけを大切にしています。
――なるほど。システム運用に携わるエンジニアにはそういった意識が求められるのですね。
エンジニアは顧客データなど、セキュリティ上重要な箇所のメンテナンスも担当しています。そのため、年に1度、セキュリティに関する試験を行い、合格しないとその業務には携われないようにしています。日々の業務の “慣れ” がセキュリティ問題を引き起こさないように、チェックを欠かしません。
各エンジニアには、ネットワークやサーバ、データベースなどがどのように組み合わさってサービスを形成しているのかを意識するように教育しています。エンジニアは、自分がサービス全体の中でどのように役立っているのかを意識しなくてはならない、と私は考えているのです。
また機材やミドルウェアに対しては設計段階から技術検証を行い厳しく確認して、適材適所で導入するようにしています。なぜならば、大規模で高負荷な環境でないと発生しないような、世界初の障害に出会ってしまうケースもありますから。そうした場合でも、楽天のエンジニアは他社とも情報を共有し、トラブル情報や対処方法などの共有を行うようにしています。
――そうした世界最前線で活躍する楽天のエンジニアには、どのような資質が求められるのでしょうか。
システム運用に関しては「守る」という意識が強くなりがちです。サッカーに例えると、運用はゴールキーパーを任されているようなものです。守るだけでは試合に勝てません。キーパーには積極的な攻めの視点が必要です。エンジニアは、守ったうえでいかに営業やサービス企画の担当が良いサービスを提供して利益に結びつけられるか、そういった積極的な攻めの視点も持たないといけないと思っています。
エンジニアにとって仕事の醍醐味は、作り上げたシステムが社会にインパクトを与えられることだと思います。楽しんで仕事ができる、または新しい発想で仕事に取り組める人物が好ましいですね。一般的に運用というと、発想が堅くなりがちですが、楽天のシステムは「運用があって開発がある」というイメージです。運用経験の中から得られる設計ノウハウを活かし、それをフィードバックして開発するという攻めの姿勢が必要ですね。
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