2012年4月1日に開局する、日本初のスマートフォン向け放送局である「NOTTV(ノッティーヴィー)」。同事業を手がけるmmbiは2月16日、レギュラー編成を中心に放送内容の詳細を公開した。本記事では2回にわたり、NOTTVが可能にする新たな利用体験を紹介していきたい。初回ではNOTTVの番組編成と、新たな視聴スタイルがもたらす「楽しさ」をお伝えする。
NOTTVは日本初のスマートフォン向け放送局であり、インタラクティブ前提の番組づくりが可能。100%オンラインで、双方向のソーシャルTVです
発表会見でこう強調したのはmmbi代表取締役社長 二木治成氏だ。
NOTTVは、従来のテレビのように時間軸に沿って放送する3チャンネルの「リアルタイム視聴」に加え、コンテンツを一時保存して好きな時に閲覧する「シフトタイム視聴」を楽しめるのが特長。高画質も特長で、「ワンセグの約10倍の画質」になるという。
画素数は720×480でDVDと同等。最大320×240のワンセグに対し約5倍近い計算だ。フレームレートはワンセグの秒間15フレームに対し2倍の30フレーム枚。あわせて約10倍の画質というわけだ。
このような高画質・高音質な映像を放送波で、視聴者が最初から「通信」とつながっているスマートフォン・タブレットに送り出すと、何ができるか。そしてテレビはどう変るのか。それを体現すべくNOTTVの番組は従来の放送とは異なる視点で編成され、SNSとの連携などを前提とした番組構成を強くアピールする。
編成としては、リアルタイム型放送であるNOTTV1・NOTTV2が情報番組やスポーツ中継、各種エンターテインメント番組などの総合編成。NOTTVNEWSは最新ニュースをウィジェットやデータ放送とあわせて提供する。
いっぽう蓄積型放送は、シフトタイム視聴の映像コンテンツとデジタルコンテンツの2本柱となる。映像に留まらず、電子書籍やアプリ等のスマート端末で楽しめるコンテンツを送出していく。
新しく始まるNOTTVを見てもらうために、人々に提供する意味のあるものは何なのか。その1番目の答えはライブ、生放送です
mmbiの常務取締役 小牧次郎氏は、このように強調する。一般的な動画配信サイトによるライブ配信と違い、放送波によるライブ中継は視聴者数の制限やトラフィックの混雑といった問題がない。だからこそライブにこだわる編成を全面に押し出すというわけだ。
その目玉として月曜~金曜の朝10時から夕方5時まで、7時間の「超大枠」生放送番組として展開するのが「notty★LIVE7時間!」だ。
番組時間の半数以上を様々な場所からの中継で構成し、そのツールとしてドコモのXi(クロッシィ)を使用した新しい小型中継システムを投入。街頭、音楽ショップ、イベント会場などあらゆる場所から、旬を中継していくという。7時間の生放送の司会に挑戦するのは、ごらんの豪華顔ぶれだ。
続いて主力のライブ番組として紹介したのは各種スポーツ番組だ。サッカーでは、スカパーのJリーグ放送を、同時中継。土曜日のJ1は2チャンネルを使い、最大5試合を生中継。録画を含めると、全試合を中継する。日曜日のJ2は最大2試合だ。
この生中継が役に立つのは、例えばスタジアム。スマートフォン片手に、同時間帯にプレーされるライバルチームの状況を見ながら応援できる。それらを見ながら感想をツイートする、といった光景も当たり前になるでしょう。しかも放送なので、スタジアムの観客数万人が同時に視聴しても回線がパンクすることはない(小牧氏)
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