企業向けポータルLiferayのCEO、オープンソースならではの強みを語る

CNET Japan Ad Special2012年12月10日 11時00分

オープンソースだからこそ提供できる顧客への価値

 なぜLiferayでは市場投入までの時間が短いのか。チェン氏は「Liferayは、機能を損うことなく、できる限りソフトウェアをライトウェイトでスリムにしているため扱いやすい」と説明する。これは、同社のエンジニアチームの力が大きいことはもちろん、「オープンソースならではの強みだ」という。「オープンソースでは、効率の悪いコードや膨れあがったコードを隠すことはできない」(チェン氏)

 チェン氏は、プロプライエタリソフトウェアとオープンソースソフトウェアの違いを、企業の投資と顧客の価値の曲線を示して説明する。プロプライエタリソフトウェアの場合、イノベーションへの投資額や開発にかける時間は、ソフトウェアをリリースする手前がピークとなる。いったん製品をリリースすれば、投資は減り、企業はソフトウェアを販売することで収益を上げる。製品はメンテナンスやバグフィックスが中心となり、新機能は次期バージョンまで登場しないケースが多い。つまり、顧客の価値はリリース時から大きく上がることはない。

 一方、オープンソースソフトウェアは、多くの人が使えば使うほどコミュニティが広がり、開発に時間を投資する人数が増えていく。こうして投資が増えると、継続してイノベーションが起こる状況が生まれ、収益と顧客の価値も比例して上がるというわけだ。

 「プロプライエタリソフトウェアの場合、開発者の数が限られることはもちろん、企業は知的財産を長期間保持したいと考えるため、古いものをできるだけ長く販売することに注力し、開発に対する企業の投資意欲も低くなる。オープンソースソフトウェアは開発者の数が無限で、多くの人に使ってもらうことで価値を出そうと考えるため、常にイノベーションを起こそうとするインセンティブがある。ソフトウェア自体は無料のため収益はプロプライエタリソフトウェアに比べるとわずかだが、顧客の価値はとてつもなく大きい」(チェン氏)

 チェン氏によると、Liferayは約180カ国で利用されているというが、「そのうち99%以上のユーザーは商用版Liferayを利用しているわけではない」という。それでも「顧客に価値を与えていることは確かなので、それでいいと考えている」とチェン氏。「無料で使う人が多くなれば、Liferayについて深い知識を持つ人、つまりわが社の人材の価値が上がる。それがわれわれのビジネスモデルだ。Liferayは、世界に良い影響を与えることを企業理念としている。だからわれわれは株式を公開することもないし、ベンチャーキャピタルからの投資も断っている。世界に良い影響を与えるため、今後もLiferayの方向性は自分たちで決める」(チェン氏)

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