最終更新時刻:2010年12月18日(土) 8時00分

【Internet Explorer 8の深層に迫る!】マイクロソフトが語るInternet Explorer 8の真実

インターネットを標準へと導くIE

 そうしたIEの新機能の中でも特に力を入れていたのが標準への準拠だという。シェアを考えると「事実上、インターネットの基盤を作っているIE」だからこそ、従来はHTMLやCSSの解釈が「良くも悪くも寛大だった」。IE5のころはまだWebサイトの制作が一般的ではなく、多少の文法間違いでも表示できるようにしたのが始まりで、簡単に作れることからサイトが普及した、と分析する。さらに、より簡単にリッチな表現ができるように独自拡張を加えていった。簡単に作れるということが、「インターネットがここまで急速に進化した重要なポイントだった」という。

 しかし、インターネットがこれだけ一般的になると、解釈が緩く、独自拡張があるということはメリットとはなりにくく、さらにPC以外のモバイル端末などが普通にインターネットにつながるようになった昨今では、「標準化に一歩踏み出すことで、インターネットをさらに進歩させる」ことも必要だった。

 標準化への適合は、「IE6のころから考えていた」が、これまで独自拡張を使っていたサイトが見られなくなる可能性があり、そうなると「ユーザーが離れるので舵取りが難しかった」という。

 それでも少しずつ標準化への適合を進め、IE8では「ようやく、標準化でユーザーが離れる様な状況にはならない」という環境が整った。「IE8は、インターネット全体が標準化するための環境作りという意味で歴史的な一歩を踏み出したブラウザ」なのだ。

ブラウザにも互換表示ボタンを付けるなど、互換性には力を入れて開発した。 ブラウザにも互換表示ボタンを付けるなど、互換性には力を入れて開発した。

 それでも、IE8の開発部隊では「新機能と同等の工数を互換性のための開発にさいた」という力の入れようだったそうだ。インターネットの創生期から開発されてきた歴史あるIEだからこそ、互換性には力を入れる必要があったわけだ。

 そして、IE8によって標準化への準拠が進み、多くのユーザーがIE8へと移行することで、独自拡張が残るIE6のユーザーが減ることになる。原田氏が「Web開発者からは、IE6をIE8が早く駆逐してくれれば、インターネット向けの開発が楽になるとの声が寄せられている」と認めているとおり、IE8は、インターネットにとっても重要なマイルストーンになると言えるだろう。

IE8での表示
IE6での表示
海外ではすでに、IE6では利用できない最新のテクノロジーを使い、IE8やIE7での利用を前提としたメジャーなサイトも存在する。本来は、ブラウザ問わず正常に表示されることが望ましいが、最新のIE8を利用してブラウジングすれば安心だ。
(写真は今年4月にリニューアルしたCNET Australiaのサイト。左はIE8、右はIE6での表示結果だ。IE6では各部で表示崩れがでている他、JavaScriptのエラーが発生している)。

 「見える部分での開発競争は終わった」。Webサイトの表示は標準化されるため、どのブラウザでも同じように見えるのが当たり前になる。ブラウザは付加価値として速さ、表示以外の部分での拡張機能、安心して動作するという3点が必要になるとの認識を示す。

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バックナンバー
【第1回】インターネットを快適・便利にするIE8の新機能とは

常時接続・ブロードバンドの進展、そしてWebアプリの登場で、ブラウザが果たす役割はこれまで以上に大きくなっている。そうした中、満を持して登場したIE8の実力を検証してみよう。
2009/05/18 11:00

【第2回】マイクロソフトが語るInternet Explorer 8の真実

「Internet Explorer 8」は、数々の意欲的な機能を搭載し、インターネットをより便利に、快適に使えるように配慮されている。マイクロソフトにとってIE8はどんなブラウザなのか。同社のキーパーソンに話を聞いた。
2009/06/01 11:00

【第3回】インターネットをより安全に使いこなす

IE8は、インターネットを快適に利用するための新機能を数多く搭載しているが、IE8の神髄はそれだけではない。インターネット上にはびこる悪意のある攻撃に対処するセキュリティの高さ。それがIE8の大きな特徴となっている。IE8を使うことで、インターネットをさらに安全に使いこなそう。
2009/06/15 11:00

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