最終更新時刻:2010年12月18日(土) 8時00分

【Internet Explorer 8の深層に迫る!】インターネットを快適・便利にするIE8の新機能とは

安全に安心してWebサイトを利用する技術

 「安心」を強化する機能も、IE8には新たに追加されている。まずは「互換表示」機能。IE8ではWeb標準への対応を強化しているが、旧ブラウザ向けに設計されたWebサイトではきちんと表示されていたサイトが、IE8ではきちんと表示されないということが起こりえる。

アドレスバーの更新ボタンの左横にあるのが互換表示ボタン。サイトの表示がおかしかったときはこのボタンを押してみよう アドレスバーの更新ボタンの左横にあるのが互換表示ボタン。サイトの表示がおかしかったときはこのボタンを押してみよう

 これに対してアドレスバーの横に表示された互換表示ボタンを押すと、旧バージョンのレンダリングを使うというもの。従来のIE独自拡張が解消され、Web標準に準拠する方向性は歓迎すべきものだが、独自拡張を使ったWebサイトの中には、特にビジネスの現場でソースを修正できない場合も起こりえる。そういう場合にこの互換表示を使えば、従来通りの表示で閲覧できるようになる。サイト側が対応するまでの間のつなぎとしても便利だ。

 Webサイトを閲覧していて、ブラウザが強制終了してしまうクラッシュはよく起こる。マイクロソフトによればクラッシュの原因の99%以上がActiveXのアドオンなど、IEコンポーネント以外が引き起こしているそうだが、いずれにしてもIE全体が終了し、書きかけのWebメールやブログの内容が失われてしまうのはかなりのストレス。

 IE8では、クラッシュからの自動復旧機能を搭載。これは、各タブを1つのプロセスとして管理し、タブが強制終了してもほかのタブには影響せず、そのタブだけを再起動するというもの。IE全体を巻き込まないので、書きかけのテキストを失ってしまうということがなくなるわけだ。

クラッシュして復元されると、このようなレポートが表示される。ブラウザ自体は終了しないので、裏にあるタブで入力していたテキストなどは消えることがない
ちなみにブラウザ全体が強制終了した場合、次回起動時に、強制終了時に開いていたサイトを開き直す機能も搭載している。ただし、書きかけのテキストが復活することはない

 フィッシング詐欺が横行している昨今、危険なサイトにはアクセスできないようになっていると安心感が高い。IE8には「SmartScreenフィルター」が搭載され、危険なサイトへのアクセスをブロックすることができるようになった。

SmartScreenフィルターを使って、今見ているサイトをチェックしたり、疑わしいサイトを報告したりできる

 このフィルターでは、Webページを分析してチェックを行い、疑わしいサイトでは警告表示をするほか、報告があったサイトはアクセスする段階でブロックしてくれる。ダウンロードされるファイルに関しても同様のチェックが行われ、マルウェアをダウンロードすることをブロックしてくれる。

 SmartScreenフィルターでは、URLがHTTPS経由で暗号化されてマイクロソフトに送信される。IPアドレスなどの個人情報と一緒に保存されることはないので、個人は特定されないが、セキュリティソフトで同様の機能を使っていて危険性の理解が深いユーザーなどであれば同機能をオフにすることも可能だ。

 また、「クロスサイトスクリプティング(XSS)フィルター」機能も搭載。XSSは、基本的にWebサイトの脆弱性を悪用した攻撃だが、脆弱性が解消されるまでの間も、このフィルターによって利用者を防御してくれる。

 さらに重要な機能が「InPrivateブラウズ」機能だ。新規タブを開いたときに「InPrivateブラウズウィンドウを開く」を選択するか、Ctrl+Shift+PのショートカットキーでInPrivateブラウズウィンドウが開く。この状態でWebサイトにアクセスすると、本来はIEに保存されるCookieや一時ファイルはブラウザウィンドウを閉じると自動的に消去され、アクセス履歴やフォームデータ・パスワード、アドレスバー・検索のオートコンプリートなどの情報は保存されなくなる。

セーフティボタンなどからInPrivateブラウズは起動する
新規ウィンドウが立ち上がり、InPrivateブラウズが有効になる。InPrivateブラウズが有効になっているのはこのウィンドウだけだ

 InPrivateブラウズは、たとえばネットカフェの共有PCや一時的に借りたPCでネットアクセスする場合に、個人情報を残さないようにするための機能だ。これを使ったからといってWebサイト側に送信される情報がブロックされるわけではないので注意しよう。

 こうした情報の送信をブロックするのが「InPrivateフィルター」機能だ。Webの測定ツールや広告用に送信される情報をブロックすることで、送信される情報を制限することができる。IE8の「セーフティ」ボタンから「InPrivateフィルター」でオン・オフができ、「InPrivateフィルター設定」からは、送信を許可するもの、許可しないものを選択することも可能だ。

InPrivateフィルターは、サードパーティなどに送信されるデータをブロックする
設定画面からブロックする情報を確認できる

まとめ

 IE8は、多数の新機能を搭載し、大きく成長したブラウザだ。IEはシェアが高く、OS標準であるために多くの人が利用するブラウザだが、Firefox、Google Chrome、Safari、Operaといったライバルたちに押され気味という印象もあった。

 しかし、今回のバージョンアップでサイト閲覧をより便利にする新機能、安心・安全を高める機能の搭載で、ライバルにも引けを取らないブラウザに仕上がっている。

 IE8は、マイクロソフトのサイトから無償でダウンロードできる。ぜひ一度、便利な新機能を体験してほしい。

バックナンバー
【第1回】インターネットを快適・便利にするIE8の新機能とは

常時接続・ブロードバンドの進展、そしてWebアプリの登場で、ブラウザが果たす役割はこれまで以上に大きくなっている。そうした中、満を持して登場したIE8の実力を検証してみよう。
2009/05/18 11:00

【第2回】マイクロソフトが語るInternet Explorer 8の真実

「Internet Explorer 8」は、数々の意欲的な機能を搭載し、インターネットをより便利に、快適に使えるように配慮されている。マイクロソフトにとってIE8はどんなブラウザなのか。同社のキーパーソンに話を聞いた。
2009/06/01 11:00

【第3回】インターネットをより安全に使いこなす

IE8は、インターネットを快適に利用するための新機能を数多く搭載しているが、IE8の神髄はそれだけではない。インターネット上にはびこる悪意のある攻撃に対処するセキュリティの高さ。それがIE8の大きな特徴となっている。IE8を使うことで、インターネットをさらに安全に使いこなそう。
2009/06/15 11:00

インフォメーション
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提供:マイクロソフト株式会社
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