スマートフォンやタブレットが一般化することで、映像や音楽などのエンターテインメントコンテンツも、家だけでなく家の外に持ち出して楽しむのが当たり前になってきている。
そうなってくると求められてくるのが、画質と音質だ。しかし画質はまだしも、モバイル機器で「いい音」を聞くのは非常に難しい。なぜならコンパクトなモバイル機器は、もともとスピーカのスペースも小さく、原理的に貧弱な音しか出ないのだ。
そこでDTSでは、モバイル機器でも映画や音楽、ゲームなどを最大限楽しめるテクノロジを開発した。それが「DTS Ultra Mobile」だ。
DTS Ultra Mobileは「DTS Envelo」と「DTS Boost」の2つの音声技術から成り立っている。
DTS Boostは、小さな筐体でも音を歪ませることなく、豊かで余裕のある音を再現する技術。DTS Ultra PC II Plusでも採用されている。ヘッドホンを使わず、スマートフォンなどの小さな筐体でも音声を最大限に引き出して、音圧レベルを向上できる。
一方DTS Enveloは、DTS Ultra PC II Plusで採用された「DTS Surround Sensation」の発展技術。2本のスピーカでも音の広がりを感じさせられるバーチャルサラウンドテクノロジで、より立体的な音で、映画やゲームが楽しめる。ヘッドホンを使用時でもこの機能は有効で、自然な音場が感じられる。また、サラウンド感を高めるだけではなく、ボーカルやセリフの聞きやすさも向上するのがポイントだ。
日本国内ではDTS Ultra Mobileを搭載したスマートフォンはまだ発売されていない。だが米国では、LGエレクトロニクス製の「T-Mobile G2x with Google」というDTS Ultra Mobile搭載のスマートフォンが登場している。
T-Mobile G2x with Googleは、ゲームや音楽再生などエンターテインメントを楽しむために開発されたスマートフォンだが、その評判はとても高く、1月にラスベガスで開催された家電見本市「International CESイノベーション2012」では「デザインとエンジニアリング アウォード」を受賞している。
2012年内には、DTS Ultra Mobileを搭載した端末が、日本で発売されることも充分に想定できる。DTS Ultra Mobileという言葉を忘れないほうがいいだろう。
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