音の世界標準へ--DTSが導く新時代サラウンド【前編】

CNET Japan Ad Special2012年01月30日 14時00分

AVファンが認めた高音質「DTS」とは?

 DTSとは元々米国で生まれた音響技術を研究、開発する企業だ。創業当時は「Digital Theater System,Inc」という社名で、それを省略してDTSと呼ばれていたが、現在は「DTS, Inc.」に改名している。この社名変更は現在のDTSがおかれた立場を象徴する。「Theater System」に限らず、広く一般的に音の再生に関わるすべての分野で、高音質化に貢献することを社是とするようにDTS自体も社会のニーズに合わせて進化しているのだ。

 DTSの歴史をひも解くとDigital Theater System,Incという社名に象徴されるように、映画館で提供される、デジタルサラウンド音声のフォーマットを提供する会社として生まれた。

 DTSサラウンドを史上で初めて採用したのは、スティーブン・スピルバーグが監督した1993年公開の「ジュラッシクパーク」。時期的には日本全国にシネマコンプレックス(シネコン)ができ始めたころで、映画館に音質が求められ始めた時代だった。当時DTSサラウンド対応の劇場はまだ少なかったが、恐竜たちの重量感まで表現できる未体験の圧倒的音響を体感するために、DTS対応の映画館にまで足を伸ばす人も少なくなかった。

 映画ジュラシックパークで音質に対する評価を高めたDTSは、その後、この迫力のサラウンドを家庭に導入するべく「DTS Digital Surround」という、家庭用の5.1chのサラウンド規格を発表した。DVDのサラウンドといえば、ドルビーデジタル5.1chサラウンドが頭に浮かぶ人も多いかもしれない。というのも当時は、DTSはDVDのオプション規格。すべてのDVDに採用されていたわけではない。

家庭用の5.1chのサラウンド規格として発表された「DTS Digital Surround」。音にこだわりを持つマニアを中心に話題を集めた
家庭用の5.1chのサラウンド規格として発表された「DTS Digital Surround」。音にこだわりを持つマニアを中心に話題を集めた

 だが、音にこだわるマニアの中では、DTSはドルビーデジタルよりも高音質なものとして高い評価を与えられていた。そもそもDVDのサラウンド音声は原音を圧縮して収録されているが、ドルビーデジタルの音声データの転送速度は最大448kbps。一方DTSは最大で1536kbpsと莫大なデータ量となり、スペック面で明確に差があったのだ。そのため「DTS」と表記されたDVDは高音質な作品として、音にこだわるマニアは自分の好きな映画がDTSで発売されることを熱望した。

 その後、DTSは次々と新しい規格の高音質フォーマットを作り上げた。有名なところでは「DTS-ES」という、5.1chサラウンドのリアスピーカのセンター位置に新たにスピーカを加える規格や、「DTS-96/24」という、通常のDTS音声(48kHz/24bit)よりも高音質な96kHz/24bitの音声を記録したフォーマットなどを加えていった。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]