グループウェアの導入・リプレースを阻む壁とは?見えない「思い込みの壁」を打破するグループウェアの教科書

CNET Japan Ad Special2014年04月22日 15時00分

グループウェアの教科書が示す成功事例と提言


 では、本当にグループウェアは導入することが難しく、導入効果が見いだせない製品なのだろうか?グループウェアは導入を成功させるには、どのような知見が必要か-それを端的に指し示している「グループウェアの教科書」という文書資料を参考にしながら解説したい。この「グループウェアの教科書」は、中小企業向け製品として国内では定番といえるグループウェアを提供するサイボウズがまとめた。多くのユーザーに接している中で得た声やノウハウを集約したもので、機能や技術の進化だけでは解決できない、ユーザーの真摯な悩みを解決するためのヒントとなるような項目がまとめられている。先に挙げた「うちの会社には不要でしょ?」といった壁を乗り越えるヒントも多く見て取れる。いくつか紹介してみたい。

グループウェアの教科書から読み取れるヒント

 「自分達は少人数で、グループウェア導入の必要がない」という意見については、やはり事例の提示が有効だろう。「うちの会社は少人数なのでグループウェアは必要ない」という声があることを紹介した。これは経営者の声で、現場の社員は「グループウェアを導入して情報共有していきたい」と考えている。実は経営者が営業部門のトップとして飛び回っているために、社内の情報共有が充分に出来ていないのだ。この場合、グループウェアを巡る技術進化をどれだけ訴えても意味はない。

 情報共有が有効であることを経営者に訴えるために有効な方法のひとつが、成功事例の紹介だ。特に自分の会社と同じような業種で、グループウェア導入後、業績が向上したといった事例は経営者に興味を持ってもらえる。

 ある企業では、在庫情報の社内共有が出来ていなかった。そのため、在庫がない商品を受注してしまい、顧客からクレームを受けることになってしまった。少人数であっても、必要な情報の共有がきちんと行われていなかったのだ。そこでグループウェアを導入し、きちんと情報を共有する仕組みを作り上げたという。正社員ばかりではなく、パートや契約社員が多い会社でのグループウェア導入成功例もある。

 利用できる端末もPCだけではなくなり、携帯電話、スマートフォン、タブレットでも利用できる。社員全員がパソコンを持っていないためにグループウェア導入を諦めたケースでも、グループウェア導入が可能となった。実際に店舗やホテルなど、社員全員がパソコンを使うのが難しい職場環境の場合でも、スマートフォン、携帯電話、タブレットで使えるグループウェアを導入している。利用できる端末が多いグループウェアを選択することで、パソコンの操作に慣れていない社員でもグループウェアを利用できるようになる。

 コストに関しては、オンプレミス版は初期導入コストの必要が大きいため、これが原因となって導入が進まないケースも多かった。クラウド版は初期導入コストなしに、利用人数分の月額利用料=導入の際にかかるコストとなる。「初期導入コストが大きすぎて導入できない」ことが理由となって導入できなかった場合には、見直しの材料となるだろう。

 クラウドにセキュリティ面で不安を感じるユーザーも多く存在している。その場合は、グループウェアを提供する企業がどんなセキュリティ対策を講じているのか、情報を集めることが第一歩となる。ホームページを見ると、その企業がどんなセキュリティ対策を講じているのかが紹介されている。その説明に納得出来ない場合は、問い合わせを行って質問してもかまわない。

 グループウェアの場合、口頭での伝言、メールでの情報共有に比べ、ログによって情報伝達の工程が辿りやすく、検索もしやすいというメリットがある。実際に、電話で注文を受けているパート社員まで在庫情報が伝わらずに販売トラブルを起こした企業が、グループウェアを導入したことで情報共有がスムーズに行えるようになったそうだ。

 こうした事例は、「ITは苦手だから」という経営者にも興味をひく。製品の機能やIT用語ではなく、「こうして業績があがった」、「こうして業務の問題が解決した」といった点をアピールしてはどうだろう。

 「管理者の権限が強すぎて使いにくい」、「全て現場に任せると言われてもどうすればいいのかわからない」という問題は、解の特効薬があるわけではない。セキュリティトラブルを起こさないためのルール作りは管理者側で行う。一方、現場で抱える課題をグループウェア導入によってどう解決するのかは、現場からの意見を積極的に求める。さらに、導入すれば終了ではなく、定期的に使いにくい点の修正などを管理者、現場で話し合う、導入後の見直しも必要だ。

 また、ルール作りを行っていく場合、グループウェアにある様々なアプリケーションを一挙に導入してしまうとルール作りも煩雑になる。最初に導入するアプリケーションは絞り込み、使うことに慣れてルールが出来上がった段階で、次のアプリケーションを導入する。最初から色々なことをやろうとしないことも重要なポイントだ。最初から全てのアプリケーション、機能を使わなくても、必要なアプリケーションや機能から使い始めることができるグループウェアを選びたい。

 グループウェア導入に成功した企業の場合、「経営指南書を読んでいく中で、グループウェア導入に行き着いた」というケースもある。ITツール導入というよりも、企業の問題点を解決するための方法としてグループウェア導入を考えるという視点が必要。そのために事例や提言など、提供されている情報は積極的に活用していってはどうだろう。

 管理者がITの専門用語を使って機能を説明すればするほど、理解が難しくなることも注意が必要だ。専門用語を使わないと説明が難しい場合は、図や実際のデモを行って説明し、「普段の言葉で語る」ことも、管理者と現場の溝を埋めることにおいて重要だ。またIT管理者が他の業務と兼務で担当している場合には、外部の専門家との連携も重要だと教科書では訴えている。その際に重要なのは、管理者が、「楽になりたいから外部業者を頼みたい」とアピールしても社内で理解されない。例えばセキュリティ問題のように、外部の専門家の知識が不可欠であることを訴えることが必要だ。

 このほか多数の知見を、この「教科書」から読み取ることができた。

 ここまで、なぜグループウェアの提案は難しいのか--、との問題提起を入り口に、その壁を乗り越える具体論を「グループウェアの教科書」の知見を交えつつ考察した。

 「自分達はグループウェアなんて導入できない」と思っている利用者の多くは、実際にはグループウェアを目にしたことがないのではないか?しかしスマートフォン、携帯電話、タブレットを使って、最初はボタンを押すだけでも利用できることを目にすれば、グループウェアの印象も大きく変わっていくだろう。またグループウェアは、導入すれば目的が完了するものではない。「グループウェアを導入して、どう社内をよくしていきたいのか」という理想を考えた上で、「現実に利用者全員でできることをしていこう」と考えることが、グループウェア導入成功の鍵となるはずだ。

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