ChatGPTに「学習モード」登場、すぐ答えを出さず思考を促す

Imad Khan (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年07月30日 11時40分

 OpenAIは米国時間7月29日、会話型AI「ChatGPT」の新機能「学習モード」を発表した。これは単に答えを返すのではなく、より自然な学習体験を学生に提供することを目指すものだ。

PCの前で紙の文書を見ながら悩む人物 提供:Viva Tung, CNET / Getty Images
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 質問やトピックを入力すると教科書的な要約を返す従来のChatGPTと異なり、学習モードは正答に自力でたどり着けるよう、段階を踏んで学生と一緒に学習を進める。学生は理解が不十分な点について、家庭教師と対話するようにChatGPTとやり取りできる。

 学習モードはChatGPTの無料版およびPlus、Pro、Teamプランのユーザーに即日提供され、今後数週間のうちにChatGPT Edu向けにも提供される予定だ。

 学習モードは回答エンジンのように即答することはしない。たとえ学生がいら立って正解だけを求めても、応じない。代わりに、正しい結論に到達できるよう対話を続ける。教員や保護者向けの管理機能は現時点では用意されていないため、学生が本当に即答を望むなら標準のChatGPTに戻すことはできる。ただしOpenAIが将来的に管理機能を拡充する可能性もある。

 2023年末のChatGPTの登場は、学術界にほぼ即座に波及した。学生は膨大なデータで訓練された文章生成ツールを手にし、数秒でエッセイを生成できるようになった。ChatGPTから即時に答えを得たいという誘惑は強く、教室や大学キャンパスではAIによる剽窃が問題になっている。教師は、学生が思考や問題解決という骨の折れる作業をAIにさせており、AIが学生の批判的思考力を妨げているとも訴えている。専門家は、批判的思考が子供の発達のために極めて重要だと指摘する。

 OpenAIの最高経営責任者(CEO)であるSam Altman氏は、先週Theo Von氏のポッドキャスト番組で、AIモデルの進歩に伴い教育は根本的に変わる必要があると語った。情報処理においてAIモデルがいつか人間より賢くなるため、社会で広く使われるこの新しいツールに合わせて教育は進化しなければならないという見解だ。

OpenAIの発表

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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