カリフォルニア州の車両管理局(DMV)は、電気自動車(EV)メーカーTeslaの機能名「オートパイロット」と「フルセルフドライビング」が虚偽広告で消費者に誤解を与えると申し立てている。罰金などの最終判断が下されるまで、少なくとも30日間にわたり同社のカリフォルニア州でのEV販売ライセンスを停止するよう求めているが、Teslaは争う構えだ。
もしカリフォルニア州DMVの販売停止要請が認められれば、Teslaは大きな混乱に見舞われるおそれがある。現政権のEVに対する慎重姿勢や不安定な関税政策、さらにElon Musk氏の政治的発言などが相まって、2025年前半に販売が落ち込んだ直後の事態だ。現在は連邦政府によるEV税控除の終了を前に、駆け込み需要で販売が回復しているが、販売が停止されれば同州でこの勢いは断たれ、9月の税控除終了後まで立て直しに時間を要する可能性がある。同州では、米国で販売されるEVの3分の1強が販売されている。
カリフォルニア州のドライバーは、ヒョンデ、Kia、Ford、General Motors、ホンダ、Acura、Chrysler、Jeepなど他社製EVへの乗り換えを検討せざるを得なくなるかもしれない。また、Teslaが影響を受けない州外へ在庫を移動させた場合、各地のディーラーに過剰在庫が発生する可能性も指摘されている。
最終的な結論は、今週開かれる聴聞会の行方を見守るしかない。
DMVは、Teslaおよび最高経営責任者(CEO)のMusk氏が、高度運転支援システム(ADAS)の名称「オートパイロット」「フルセルフドライビング」やその説明・広告手法を通じて、車両の性能を誤認させていると主張している。DMVは2022年7月に申し立てを行い、2023年11月に訴えを修正(2021年には米運輸安全委員会も同様の理由からTeslaを「無責任」と非難していた)。DMVはカリフォルニア州における少なくとも30日間の販売停止に加え、賠償金支払いを命じる裁判所命令を求めている。
同局は、Teslaが「運転席にいる人の操作なしで短距離から長距離まで走行可能」「駐車スペースを自動で見つけ、自律的に駐車」などとうたうことで、現行の法的・技術的能力を超えた期待を消費者に抱かせていると指摘する。
これに対しTeslaは、2014年に「オートパイロット」、2016年に「フルセルフドライビング」が導入された当初からDMVはこれらの名称の利用を認識しており、これは「暗黙的な承認」に当たると反論。一方、数年にわたって製品の説明を修正してきた。現在は、ウェブサイト上で最上位のADAS機能を「フルセルフドライビング(スーパーバイズド)」と表記し、「現在ご利用いただける機能はドライバー自身が監視する必要があり、車両を自律運転させるものではありません」と脚注で明示している。
しかしDMVはこれを不十分と判断しており、米国最大のEVメーカーと同州が係争する事態となっている。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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