「Apple Watch Ultra」から乗り換えても違和感なし、ガーミンの新作「Venu X1」を試す

Matthew Miller (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2025年06月27日 12時03分

 筆者は10年以上、Garminのスポーツウォッチを使っているので、新モデルの発表はだいたい予想がつく。しかし先日発表された「Garmin Venu X1」には完全に意表を突かれた。

Garmin Venu X1を着けた筆者の腕 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 Venu X1は、Garminのウォッチとしては珍しいタイプだ。そのデザインは「Apple Watch Ultra 2」に真っ向勝負を挑んでいるように見える。

 外観の大きな特徴は、ほぼ真四角の大胆なデザインと、Garminのスマートウォッチとしては過去最大となる2インチの鮮やかなAMOLEDディスプレイだ。画面の有効表示領域はApple Watch Ultra 2よりも明らかに広く、ワークアウト中に最大8つのデータフィールドを表示できる。筆者の老眼でも一目ではっきりとデータを視認可能だ。

 筆者は過去にもVenuシリーズのウォッチを使ったことがあるが、1、2カ月もすると「fenix」か「Enduro」、「Instinct」、または「Forerunner」シリーズのウォッチに戻してしまうのが常だった。その大きな理由は、Venuシリーズはタッチスクリーンでの操作が基本で、物理ボタンは2つしかないからだ。他のGarmin製ウォッチの5ボタン構成に慣れていると、VenuのUIは慣れるのに時間がかかる。

 とはいえ、VenuはGarmin製ウォッチでは初めてAMOLEDディスプレイを搭載したシリーズであり、Venu X1では画面が大きくなったことで、さらなる進化を遂げた。

Garmin Venu X1の側面 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 fenix 8シリーズと同様に、Venu X1はスピーカーとマイクを内蔵しているため、手首で通話したり、運動中にボイスメモを録音したり、一部の機能を音声で呼び出したりできる。

 2つの物理ボタンには3つのショートカットを割り当てられる。よく使う機能を登録しておけば、画面をスワイプしたりタップしたりしなくても、すぐにアクセス可能だ。筆者は音声コマンド、フラッシュライト、アラームをショートカットに設定し、すぐ呼び出せるようにした。

 LEDフラッシュライトは本体の右上に組み込まれており、立ち上げると画面上に白色光(4段階)と赤色光(1段階)の輝度調整画面が表示される。ストロボなど、高度なLEDライト機能はアクティビティ中も操作可能だ。明るさも十分にあり、夜間や暗い場所で活動する際には重宝した。

 Apple Watch Ultra 2の計算機アプリには「チップ計算」というマイナーだが便利な機能があり、普段からよく使っている。この機能がVenu X1の電卓アプリにもあったことはうれしい驚きだった。こうした小さな機能も、Apple Watchからの移行を後押ししてくれる。

設定などの項目が表示されたGarmin Venu X1 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 Apple Watch Ultra 2に対するVenu X1の差別化要因としては、まずバッテリー駆動時間がはるかに長いことが挙げられる。常時表示モードをオフにすれば、最大8日間はバッテリーが持つ。幸い、常時表示をオフにしても手首を傾ければすぐに画面が表示されるため、特に困ることはない。

 むしろ常時表示をオンにしてしまうと、バッテリーが2日程度しか持たない。まるでApple Watch Ultraだ。GPSモードにすると、フル充電からの稼働時間は14〜16時間まで減る。

 大画面を搭載しているにもかかわらず、重量はわずか40gだ。これは新たに採用された驚くほど軽量で快適なComfortFitバンドによるところが大きい。全体の厚みも7.9mmまで減り、睡眠時もより快適に装着できるようになった。ただし薄型化と大画面化の代償として、他のGarmin製ウォッチと比べると、バッテリーの持ちについては妥協することになるかもしれない。

Garmin Venu X1のバンド 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 Venu X1は、データフィールドのカスタマイズ性の高さ、ネイティブ対応しているアクティビティの多さ、バッテリー駆動時間の長さから、GPSスポーツウォッチとしては「Apple Watch Ultra 2」よりも優秀だ。しかし、セルラー通信機能はない。かつての「Forerunner 945 LTE」のように、緊急時には単体で通信できる機能がほしかった。

 Venu X1はVenuシリーズの新モデルというより、むしろフラッグシップモデル「fenix」シリーズを薄くして、デザインを洗練させ、四角い大型ディスプレイを搭載したという表現の方が近い。税込12万9800円という価格を考えると心電図(ECG)機能に対応していないのは物足りないが、これは薄型化によって内部のスペースが小さくなったせいだろう。個人的には機能面で多少の制限があっても、薄型化・大画面化の方がありがたい。

 Venu X1は、熱心なGarminファンの受けは悪いかもしれないが、Apple Watch Ultra(やその他のウェアラブル製品)からの移行先としては魅力的なモデルだ。

総評

 Venu X1の発表は多くの人を驚かせたが、画面の大きさと引き換えに、バッテリーの持ちはあまり良くなく、価格も高いため、評価はやや分かれている。しかし実際に1週間あまり使ってみて、想像以上に使い勝手は良いと感じた。

 Apple Watch Ultraのような高性能なウェアラブル製品が欲しい人にとっては、Venu X1の登場は歓迎すべきニュースだろう。大きな画面、薄いボディ、そしてGarminファンがこよなく愛するカスタマイズ性の高さを備えた、魅力的なスマートウォッチだ。

米ZDNETのEditor's Choice賞を受賞

 Venu X1は米ZDNETの「Editor's Choice」賞を受賞した。受賞理由は、新鮮で実用的なデザイン、充実した健康・フィットネス機能、バッテリー駆動時間の長さだ。「Venu X1は、待望のGarmin版Apple Watch Ultraだ」と語るのは、米ZDNETでウェアラブル製品を担当するMatthew Millerだ。Venu X1は、Garminのフラッグシップモデル「Fenix 8 AMOLED」よりも低価格でありながら、ほぼ同等の機能を備え、装着感ははるかに良い。しかも、屋外での活動や安全確保に適したLEDフラッシュライトも内蔵する。

Garmin Venu X1

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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