「貨物列車」と「自動運転トラック」で配達リレー　JR貨物ら　日本初の試み

　JR貨物、日本通運、T2の3社は、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」の実証実験を日本で初めて実施した。

　この実証実験では、雪印メグミルクの常温品を北海道から関西まで輸送する。まず北海道拠点から札幌貨物ターミナル駅までは日本通運のトラックが集荷を担当。続いて、札幌から東京・隅田川駅まではJR貨物の貨物列車が輸送し、そこから大阪の百済（くだら）貨物ターミナル駅まではT2の自動運転トラックが走行する。最後に、百済駅から大阪拠点までは再び日本通運のトラックが配送するというリレー方式だ。

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　また、この実証ではT2が開発したレベル2の自動運転トラックを幹線輸送に活用。同社は2027年からレベル4自動運転トラックの運用開始を予定しており、今回の取り組みはその先駆けと位置づけられる。

T2の自動運転トラック
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　使用するコンテナは、JR貨物とT2が共同開発した31フィートタイプの共用コンテナで、貨物列車からトラックへの直接積み替えが可能。このコンテナにより、モーダルコンビネーションの効率性が大幅に向上している。

コンテナ積替えの様子
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　実証期間は6月20日から24日までの5日間。期間中は、隅田川駅でのコンテナ積み替え作業、北海道から関西への一貫オペレーション、自動運転トラック輸送区間における輸送品質の検証などが行われる。なお、安全性への配慮から、自動運転トラックにはドライバーが同乗して走行する。

　今回の取り組みの背景には、物流業界が直面する慢性的な人手不足がある。貨物鉄道の全国ネットワークと自動運転トラック技術を融合させることで、輸送ルートの複線化や柔軟な輸送力の確保が期待されている。