「Atlas V」ロケットが米国東部時間6月23日午前6時54分にフロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられ、Amazonの「Project Kuiper(プロジェクトカイパー)」用の衛星27基を低軌道に投入した。このミッション「Kuiper 2」によって、Amazonが運用中のブロードバンド衛星は54基に倍増した。
Project Kuiperは、Amazonが100億ドル(約1兆4500億円)超を投じて、Elon Musk氏率いるSpaceXの「Starlink」に対抗するもの。Amazonは特に現地の既存プロバイダーがサービスを提供していないかサービスが不十分な地域を含む世界中で、高速かつ信頼性の高いインターネットを届けるため、3236基からなる衛星ネットワークを構築する計画だ。
6月23日の打ち上げは問題なく進んだ。1週間前には、ロケットブースターの問題で技術者が最初の試みを中止していた。United Launch Alliance(ULA)のAtlas Vは、打ち上げから約3時間後に衛星群を放出し、ワシントン州レドモンドにあるAmazonのKuiperミッションセンターに制御を引き渡した。
3236基のネットワークを完成させるため、Amazonは今後数年で約80回の打ち上げを予定している。Atlas Vでさらに8回、後継機である「Vulcan Centaur」で38回、加えてJeff Bezos氏率いるBlue OriginのロケットやSpaceXの「Falcon 9」ロケットも使われる予定だ。ワシントン州カークランドの工場では1日5基の衛星を生産しており、Amazonは年内にサービス開始を予定しているという。
Amazonは米連邦通信委員会(FCC)の規定により、2026年半ばまでに衛星の半数を打ち上げなければならず、その達成のために毎回の打ち上げが極めて重要だ。
それでもSpaceXに追いつくのは容易ではない。Starlinkは週に1回以上のペースで打ち上げを行い、ハードウェア、地上局、市場シェアで大きく先行している。それでもAmazonの小売網と潤沢な資金はProject Kuiperに優位性をもたらし、特にStarlink端末が高価または品薄な市場では強みとなる。
Amazonのプレスリリースこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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