Metaは、スポーツ向けサングラスなどを手掛けるOakleyとの提携によるAI搭載の新型スマートグラス「Oakley Meta HSTN」を発表した(HSTNは「ハウストン」と読む)。MetaはRay-Banと提携した「Ray-Ban Metaスマートグラス」を既に展開中だが、今回の新製品では顕著な改善を盛り込み、新たなデザインとやや高い価格を採用している。
Ray-Banと同様にOakleyも眼鏡メーカーEssilorLuxotticaのポートフォリオに属する。Metaのウェアラブル技術部門トップであるAlex Himel氏によれば、今回の製品は将来登場するOakley製品群の一部にすぎない。私が質問した限りでは、スポーツやフィットネス向け機能が近く追加される可能性がある。
Himel氏は現行のRay-Ban Metaスマートグラスについて、「最も多く寄せられている不満はバッテリー持続時間に関するものだ」と語り、新しいOakley Meta HSTNではこれが改善されると自信を見せた。「ハードウェアとソフトウェアの改良により、40%と大幅に改善している」(同氏)
新しい丸型フレームのグラスは見た目がシャープで、性能面でも歓迎すべき向上をもたらすはずだ。Metaによると1回の充電で最大8時間もつという。私の経験では、Ray-Ban Metaでは3~4時間だ。レンズ脇に配置された内蔵カメラは、3K解像度の動画を撮影できる。
同製品は7月11日から499ドル(約7万3000円)の限定版の予約受付を開始し、その後「夏のうち」に399ドル(約5万8000円)からの通常モデルが発売される。発売地域は米国、カナダ、英国、アイルランド、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ベルギー、オーストラリア、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク。年内にメキシコ、インド、アラブ首長国連邦でも発売予定だ。
Himel氏によれば、新たなモデルは1年半前のRay-Ban Metaと同じQualcomm製チップセットを採用するが、カメラとバッテリーの改良と最適化、さらにテンプルに追加された新しいバッテリーのおかげでより多くのことを実現できるという。現行のRay-Ban Metaでは30分ほどに限られているセッションベースのリアルタイムAIも、このOakleyでは延長される可能性があるという。同氏はまた、より低解像度で長時間AIを動かすための低消費電力カメラモードに対応するとも話したが、いつ実現するかは不明だ。
動画の解像度が3Kに引き上げられたことで、より鮮明な動画を撮影できるようになる見込みで、Himel氏はスポーツや過酷なアクティビティで多く利用されると想定している。ただし防水等級はIPX4で、水没には対応しない。ズーム機能が搭載される可能性について尋ねたところ、現時点でそのような計画はないとのことだった。ただしHimel氏は別のアイデアが進行中だと示唆し、「写真や動画とAIが交差するところで多くの機能を追加する予定で、これは素晴らしいものになるはずだ」と語った。
Himel氏はまた、「iOS 26」の「Wi-Fi Aware」対応やバックグラウンド処理モードが、「iPhone」との写真・動画共有をより円滑にする可能性があると期待している。
個人的にまだ足りないと感じるのは、このスポーツやフィットネス志向の新型グラスが、スマホやスマートウォッチのフィットネスアプリと直接連携しない点だ。Himel氏は今後の可能性は大きいと考えている。「次世代ウェアラブル、つまりスマートグラスや新しい形態のデバイスでも、健康とウェルネスは引き続き中心的なテーマになるが、その形は新しくなる。AIで何が可能になるかを考えれば、可能性は莫大だ」と語る。
ではこうしたフィットネス機能はいつ来るのだろうか。「(Meta)Connectを楽しみにしてほしい」とHimel氏は語る。Meta ConnectはMetaが毎年9月頃に開催するAR/VR開発者会議で、スマートグラスやヘッドセットのアップデートが発表されるのが恒例で、より高度なディスプレイ搭載グラスもそこで登場すると見込まれている。
Metaのプレスリリースこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
働くあなたの心身コンディションを見守る
最新スマートウオッチが整える日常へ