Metaは、同社のAIツール向け大規模言語モデル(LLM)「Behemoth」の公開を秋まで延期したと報じられている。当初は4月、同社初のAIカンファレンス「LlamaCon」に合わせてリリース予定だったが、6月に変更した後、さらに延期したとThe Wall Street Journal(WSJ)が米国時間5月15日に報じた。
Metaは4月にLLM「Llama 4」を公開した。匿名の社内関係者の話に基づくWSJの報道によると、「Meta AI」のエンジニアらはBehemothがLlama 4に比べて十分な性能向上を示せておらず、6月の公開に値しないことを懸念しているという。
LLMは、「ChatGPT」や「Gemini」、Meta AIなどのチャットボットで質問を投げかけたとき、その背後で質問を把握して人間らしい文章を生成する中核技術だ。
Metaは4月、Behemothを「世界で特に賢いLLMの1つであり、新モデルの教師役になる当社史上最強のモデル」と評していた。
同社は世界最大級のAIプロバイダーになることを目指し、「Facebook」「Instagram」「WhatsApp」「Messenger」の各アプリで投稿文およびキャプションの作成支援や画像編集などにAIを組み込んでいる。4月末にはMeta AIの単体アプリも公開しており、これには「Ray-Ban Metaスマートグラス」向けのハブも含まれている。
4月のLlamaConを取材した、米CNETでソーシャルメディアとAIを担当するKatelyn Chedraoui記者は、今回の再延期によりMetaがAIツールの性能という点で既に後れを取っているのではないかという懸念が強まったと述べた。
同記者は「Metaが新しいLlamaモデルのリリースを遅らせるという報道が事実なら、同社はOpenAIやGoogleなどの大手にさらに後れを取るおそれがある。高度かつ手頃なAIの開発競争は非常に激しい。Metaが発表済みのモデルの改良に取り組んでいる間に、競合がどこまで先行するかがMetaにとっての懸念事項だ」と語った。
Metaの広報担当者は取材に対し、現時点でコメントしていない。
The Wall Street Journalこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
「1→10」の事業化を支援する
イノベーション共創拠点の取り組みとは
イノベーションの「種」から社会実装へ--
社会課題の解決に挑む各社の挑戦