アップルが多数のアクセシビリティ機能を発表--iPhone、iPad、Macなどに年内提供へ

Abrar Al-Heeti (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年05月14日 09時31分

 Appleは米国時間5月13日、自社製品に今後追加する複数のアクセシビリティ機能を発表した。文字を読むのを支援する機能や、リアルタイム字幕の表示、乗り物酔いの軽減など多岐にわたり、2025年内にリリース予定だ。発表は5月15日の「Global Accessibility Awareness Day」に先立って行われた。

Macの拡大鏡 Macの拡大鏡
提供:Apple

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 同社は6月9日から開催する年次イベント「Worldwide Developers Conference(WWDC)」に向けて準備を進めており、そこで「iOS 19」を含むプラットフォームのアップデートを発表する見込みだ。サムスンやGoogleがAI機能をスマートフォンに取り込む中、「Apple Intelligence」のアップデートも発表する可能性が高い。こうしたAI機能の多くは、「iPhone」や「Pixel」などのデバイスのアクセシビリティを強化してきた。

 「Appleでは、アクセシビリティはDNAの一部だ」と、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は発表の中で述べた。「すべての人のためのテクノロジーを作ることは私たち全員の優先事項であり、われわれは年内に提供するイノベーションを誇りに思っている。これには、人々が重要な情報にアクセスし、周囲の世界を探究し、好きなことをできるよう支援するツール群が含まれる」

 今回のアクセシビリティ機能はiPhoneのほか、「iPad」「Mac」「Apple Watch」「Apple Vision Pro」に順次導入される。以下に主な内容を示す。

  1. アプリのアクセシビリティ情報ラベル
  2. 拡大鏡がMacにも
  3. 読書モード「Accessibility Reader」
  4. 点字機能「Braille Access」
  5. ライブキャプションがApple Watchにも
  6. Apple Vision Proの視覚アクセシビリティ
  7. その他のアクセシビリティ強化

アプリのアクセシビリティ情報ラベル

Accessibility Nutrition Labels 提供:Apple
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 「App Store」のアプリ/ゲームの製品ページに新たなセクションが追加され、「VoiceOver」、「音声コントロール」、「さらに大きな文字」、十分なコントラスト、視覚動作の削減、字幕など、対応するアクセシビリティ機能が一目で分かるようになる。開発者向けには、表示基準を満たすためのガイダンスも提供される。

拡大鏡がMacにも

 iPhoneやiPadで利用できる拡大鏡機能がMacにも導入される。iPhoneの「連係カメラ」やUSB接続カメラを使い、スクリーンやホワイトボードなど周囲の物を拡大表示できる。「デスクビュー」を利用した文書の読み取りや、明るさ・コントラスト・カラーフィルタの調整にも対応する。

読書モード「Accessibility Reader」

 iPhone、iPad、Mac、Vision Proで利用できる新しい読書モード。フォント、色、行間を調整して読みやすさを向上させ、「読み上げコンテンツ」機能で画面上のテキストを読み上げることも可能だ。iOS、iPadOS、macOSの拡大鏡に統合されており、メニューや書籍など実世界のテキストにも利用できる。

点字機能「Braille Access」

 iPhone、iPad、Mac、Vision Proを点字ノートテイカーとして使える機能。「点字画面入力」機能や連携する点字デバイスで入力してアプリを起動でき、点字でメモを取ったりネメス点字を使って計算したりできる。

 BRF(Braille Ready Format)ファイルの閲覧や、「ライブキャプション」との連携による会話の点字表示にも対応。

ライブキャプションがApple Watchにも

ライブリスニングが起動したiPhoneとApple Watch 提供:Apple
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 iPhoneで収音した音声を「AirPods」や「Beats」、補聴器に送る「ライブリスニング」がApple Watchにも拡張され、リアルタイム字幕をウォッチに表示できる。Apple Watchからライブリスニングの開始・終了や巻き戻し操作ができ、AirPods Pro 2の補聴機能とも連携する。

Apple Vision Proの視覚アクセシビリティ

 Vision Proでは、Zoomの強化により周囲のあらゆるものを拡大表示できるようになる。「VoiceOver」ではvisionOSの「ライブ認識」により、物体の認識や文書読み上げに対応。承認済みアプリがメインカメラにアクセスできるAPIも提供され、「Be My Eyes」などのアプリでライブ視覚支援が利用可能になる。

その他のアクセシビリティ強化

  • 乗り物酔い軽減用の「車両モーションキュー」がMacにも追加。iPhone、iPad、Macで表示されるアニメーションドットのカスタマイズが可能に。
  • 「パーソナルボイス」のセットアップが高速化し、従来150フレーズ必要だったところを10フレーズ・1分未満でより自然な音声を生成できるようになり、スペイン語(メキシコ)も追加。
  • 「視線トラッキング」のように、Head Trackingで頭の動きによる操作が可能に。
  • 「ミュージックの触覚」で楽曲全体またはボーカル部分のみを触覚で体験でき、強度調整もできる。
  • 「サウンド認識」にName Recognitionが追加され、名前を呼ばれた際にも通知する。
  • Name Recognitionの通知が表示されたiPhone 提供:Apple
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  • ライブキャプションで対応言語が増え、英語(インド・オーストラリア・英国・シンガポール)、中国語(簡体・広東語)、スペイン語(ラテンアメリカ・スペイン)、フランス語(フランス・カナダ)、日本語、ドイツ語、韓国語に対応。
Appleの発表

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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