Insta360が新型360度カメラ「Insta360 X5」を発表した。小型ボディで、8K動画と7200万画素の静止画を360度で撮影できる。「Insta360 X4」の後継機で、数日間使ってみた印象では、新たな「最強360度カメラ」だと感じた。日本での本体価格は8万4800円から。
Insta360 X5で最も注目すべき点は、イメージセンサーが1/1.28インチへと大型化した点だ。X4は1/2インチで、一般的にセンサーが大きいほど夜間や屋内での撮影性能が向上する。
同社によれば、これは従来比144%の大型化に相当し、CNETが画質最優秀と評する「Kandao QooCam 3 Ultra」(1/1.7インチ)よりも大きい。また、新搭載の「Triple AI Chip System」により処理能力が向上し、ノイズの軽減と画質の向上が期待できるという。
そのほかの改良点として、屋外撮影に便利な内蔵ウインドガード、AIによる低照度モード、そして「超耐久」ガラスレンズの搭載が挙げられる。また、360度カメラにおいてはレンズの破損が大きなリスクだが、X5はユーザー自身でレンズ交換が可能な設計となっており、過去にレンズをうっかり壊した経験がある人には嬉しいポイントだ。
動画の解像度やフレームレートはX4と同様で、8Kは30fps、5.7Kでは60fpsおよび30fpsでのHDR撮影に対応する。最大ビットレートは200Mbpsから180Mbpsにわずかに低下しているが、大型センサーの効果で画質への影響はほとんどないだろう。
静止画は7200万画素(1万1904×5952)と1800万画素(5888×2944)の2モードが選べる。後者はアプリを使ってスムーズなアニメーション動画を作成でき、SNS向けコンテンツとして使いやすい。バッテリーは2290mAhから2400mAhへと増量され、8K録画でも数分ほど長く撮影できるようになった。
現在、詳細レビューを執筆中だが、短期間の使用ではX5のサイズや重量はX4とほぼ同じに感じた。X4、X3、X2を使ってきたユーザーなら、違和感なく操作に慣れるだろう。好評だった大型タッチスクリーンも引き継がれており、タップやスワイプで直感的に操作できる。
処理速度は向上したとされるが、HDR写真の保存には依然として若干の待ち時間が発生する。ただし、現時点では発売前のファームウェアであり、今後のアップデートによる改善に期待したい。
操作性はX4と同様に快適で、スマホとの接続やデータ転送もスムーズだ。ただ、アニメーション対応は1800万画素モードのみという点は従来と変わらず、個人的には処理性能が向上した今、7200万画素モードでも対応してほしかったところだ。
撮影画像を見る限り、写真・動画ともに発色やディテールは非常に良好。大型センサーの恩恵は、特に夜間撮影時に顕著に感じられるはずで、そのあたりも今後のレビューで詳しく検証する予定だ。
新機能として「InstaFrame」モードが追加された。このモードでは、2種類の動画ファイルを同時に記録可能。一方はSNS投稿向けのフラット動画で、固定視点かセルフィー追従のいずれかを選べる。もう一方は、後から自由に編集できる360度動画となっている。最大解像度は5.7K30fpsに対応する。
総合的に見て、X5はX4を正統進化させたモデルと言える。これまで筆者が使ってきた中でX4は最も優れた360度カメラだったが、その魅力を引き継ぎつつ、低照度性能や処理速度の面で確実に進化している。近日中に公開予定の詳細レビューもぜひチェックしてほしい。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方