3か月前に地球への衝突が懸念された小惑星を、NASAの宇宙望遠鏡が撮影した──。
数か月前、小惑星「2024 YR4」が大きな話題となった。一時は地球衝突確率が3.1%まで上昇し、多くのニュースで取り上げられた。現在、その脅威はほぼ消滅したものの、注目された小惑星の新たな写真が公開された。
NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は、近赤外線カメラ(NIRCam)と中赤外線観測装置(MIRI)で同小惑星を撮影した。NIRCamは反射光を測定し、MIRIは熱放射を捉える。同望遠鏡がこれまで観測した中で最小の天体であり、直接サイズを測定できた天体としても最小クラスだという。先週公表されたこれらの画像により、いくつか興味深い事実が判明した。
まずは同小惑星の大きさだ。当初は40〜90mと推定されていたが、実際には約60mであることが分かった。さらに、欧州宇宙機関(ESA)は、同小惑星が大型小惑星に典型的に見られる性質、すなわち表面に微細な砂や塵(レジオロス)が堆積している状態を示していないと指摘している。これは、高速な自転やそれに伴う表面環境の違いが影響していると考えられるが、詳細な原因については今後の解析が求められる。表面には握りこぶし大以上の岩が多いとみられる。
NASAによれば、同小惑星を地上から観測できる期間は残りわずかだ。軌道が地球から離れており、最強クラスの望遠鏡でも4月末から5月初旬には視界から消えると見られる。次に観測可能となるのは軌道が再び近づく2028年になる予定だ。
2024 YR4は2024年12月に小惑星センターが最初に報告し、大きな反響を呼んだ。当初の軌道データでは地球衝突の確率は1.3%だった。その後、数か月の間に衝突確率は最大3.1%まで変動したが、追加の観測により0.28%まで急落した。NASAの衝突監視ツール「Sentry」によると、現在の地球衝突リスクはわずか0.00078%となっている。
しかし、月にとっては状況が異なるかもしれない。NASAの推計では、この小惑星が月に衝突する確率は約3.8%と、地球より高い数値となっている。科学者たちは小惑星が視界から消える前にデータ収集を進めているが、詳細な分析は2028年の再接近を待つ必要がある。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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