光る新スマホ「Nothing Phone (3a)」レビュー iPhone 16eより安く価格性能比もバッチリ

Andrew Lanxon (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年03月05日 07時04分

 ロンドンを拠点とするNothingは、これまでも背面が光るAndroidスマートフォンとして注目を集めてきた。

 無機質で地味な端末が多い中、Nothingは遊び心にあふれ、世間をちょっと楽しくしてくれる存在だ。今回発表された「Nothing Phone (3a)」と「Nothing Phone (3a) Pro」もその流れを汲んでおり、LEDをあしらった独特のデザインが目を引く。それに加え、十分なスペックと手頃な価格を両立している点が魅力だ。(以後製品名の丸括弧は省略)

  1. ●派手なデザインは健在
  2. ●安定した性能、Android 15、そしてAI機能
  3. ●カメラも十分使える
  4. ●低価格で性能もしっかりした真のコスパ端末

 「Nothing Phone 3a」は同シリーズのベースモデルで、12GB RAM/256GBストレージ構成が379ドル(約5.6万円)からだ。

 一方の上位モデル「Nothing Phone 3a Pro」は、3倍望遠のペリスコープレンズを備えるなどカメラ機能がより充実しているが、プロセッサやディスプレイ、バッテリーは3aと共通。価格は12GB/256GBモデルが約6.8万円からだ。

 MWC Barcelona 2025で実際に「Nothing Phone 3a Pro」を試してみた。価格と性能のバランスがなかなか良く、サムスンの「Galaxy A」シリーズやGoogleの「Pixel 8a」といった手頃なスマホ、さらには「iPhone 16e」のような少し上位の「お手頃価格帯」モデルとの比較が楽しみだ。

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●派手なデザインは健在

派手なライトは健在 派手なライトは健在(Andrew Lanxon/CNET)
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 Nothing Phone 3aシリーズの背面は、ネジやケーブルの配線が透けて見えるガラスパネルになっており、いかにも工業製品らしい雰囲気だ。カメラ周りに配置されたLEDライト(Nothingでは「Glyph」と呼んでいる)は着信や通知があると光り、ほかにはない個性を主張してくれる。

 両機種とも6.7インチのディスプレイを搭載し、筆者が曇天のバルセロナで触った限りでは十分明るく鮮やかだった。快晴のカリフォルニアの真昼でも同じように見えるかは、実際に屋外で試してみないとわからない。IP68の防水性能も備えているので、土砂降りの雨の中でも気兼ねなく通話ができそうだ。

●安定した性能、Android 15、そしてAI機能

ディスプレイは鮮やかで鮮明だ

ディスプレイは鮮やかで鮮明だ(Andrew Lanxon/CNET)
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 両モデルともクアルコムの「Snapdragon 7s Gen 3」を搭載しており、価格を考えれば十分に満足できるベンチマーク結果が出ている。もちろん、最新のハイエンド端末と肩を並べるほどではないが、Pixel 8AやGalaxy A35 5Gなど、コスパの良い人気モデルに近い性能を発揮してくれそうだ。

 日常の基本的な操作は問題なくこなせるし、『Alto’s Odyssey』や『Vampire Survivors』といったゲームもスムーズに動く。

 OSはAndroid 15がベースだが、Nothing独自のUIが特徴的だ。スタイリッシュではある反面、アイコンがミニマルすぎるとも感じる。ただ、モノトーンが好みならそのまま使えばいいし、気になればレイアウトを自分好みにできる。NothingによるとOS更新は3年間、セキュリティ更新は6年間保証するといい、価格帯を考えるとかなり良心的だ。

 AI関連機能は控えめだが、「Gemini Advanced」「Gemini Live」「Circle to Search」などが利用できる。

 また、個人的に気に入ったのは「Essential Space」という機能で、簡単に言えば日々の思いつきやメモ、スクリーンショットなどを集約するハブ的な役割を果たす。

 たとえば、お店で気になる靴を見つけたら、カメラを開いて専用のEssential Spaceボタン(本体側面にある)を押せば、その写真と音声メモをまとめてSpaceに保存できる。帰り道に買い物リストを作成したいときも、ボタンを長押ししてボイス入力すれば、リストがSpaceに追加され、後でチェックできる。

 現状、スクリーンショットとボイスメモをまとめる程度の機能だが、ユニークかつ便利な機能だ。Nothingによればまだベータ版で、これから機能拡張していく予定だと明言しているので、今後の進化が楽しみだ。

●カメラも十分使える

 カメラ性能に関しては、3aも3a Proもメインカメラは5000万画素だ。Nothingによれば、3a Proはオートフォーカスとダイナミックレンジが強化されているそうだが、実際に比較できていないので、ここでは筆者が3a Proを試した感想を中心に述べる。

 望遠に関しては、3aは2倍光学望遠の5000万画素カメラを搭載する。一方の3a Proは3倍光学ズームに対応する5000万画素のペリスコープカメラを備え、6倍の「インセンサーズーム」も使える。これはセンサーの一部を切り取ってズームする仕組みだ。

 フロントカメラは、3aが3200万画素、3a Proは5000万画素となっており、Proのほうがよりシャープな自撮り写真が期待できる。

●低価格で性能もしっかりした真のコスパ端末

 正直、2つのモデルの違いは思ったより少ない。プロセッサ、ディスプレイ、5000mAhのバッテリー(50W急速充電対応)は共通で、主な差はペリスコープズームと高解像度のフロントカメラ程度だ。写真撮影を重視するならProを選ぶ価値はあるが、そこまで気にしないなら3aで十分だと思う。

Nothing 3a(左)とNothing 3a Pro(右)。

3a(左)と3a Pro(右) (Andrew Lanxon/CNET)
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 どちらも価格に対して性能はかなりしっかりしていて、379ドルでここまで使えるならコスパは悪くない。AppleがiPhone 16eで599ドル(約10万円)を「お手頃価格」と言っているのを考えると、なおさらだ。

 ただ、すぐに新しいスマホが必要でないなら、サムスンの新Galaxy A26やA36、あるいは「Pixel 9a」の登場を待って比較してみるのもいいかもしれない。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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