アップルのLightningポート時代は終わりを迎えつつあるが、すぐには姿を消さないだろう。
Lightningが初めて登場したのは、2012年9月のiPhone 5発表時だ。それまで採用されていたかさばる「30ピンコネクタ」に替わる形で導入され、以来、何十億台ものiPhoneやiPad、さらにはAirPodsの充電ケースにまで広く搭載されてきた。当初からいずれは次世代規格に置き換わると見られていたが、「iPhone 16e」の登場で正式にその時がやってきたといえる。
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挿し込みのしやすさも画期的だった。実際、個人的にはこれまでLightningポート自体が壊れたケースを2度しか見たことがない。
ただ、Lightningケーブルは耐久性に難があり、コネクタ付近のほつれや腐食、接触不良が頻繁に報告されていた。USB-C to Lightningケーブルの登場とサードパーティメーカーへの開放により、ケーブル品質は改善したものの、依然として粗悪品も多く出回っている。
2018年、アップルがiPad ProをUSB-Cに移行した時点で、Lightningの終焉は既定路線となった。USB-Cはデータ転送速度や電力供給能力の面でLightningを上回り、さらにEUが2022年に充電ポートの統一を義務づける法律を可決したことで、アップルも完全移行を迫られる形となった。
とはいえLightningポートが直ちに消え去るわけではない。iPhone 5からiPhone 14まで、世界累計で25億台以上が売れたとされる機種すべてにLightningが採用されているうえ、AirPodsの充電ケースやMagic Mouseなど、まだ数多くの製品がLightningポートを搭載している。
アップルがLightning搭載の新型iPhoneを作らなくなったとしても、手持ちのケーブルをすぐに処分する必要はないだろう。
Lightningの時代は確実に終わりに向かっているが、完全に幕を下ろすには、もうしばらく時間がかかりそうだ。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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