我々の主な業務のひとつに、MagSafe対応バッテリーのレビューがある。この1年間、十数種類のバッテリーを実際に使用し、その機能、デザイン、特徴、そして何より充電性能を検証してきた。また、仕事柄、常に予備として1つは持ち歩いている。
Anker、Belkin、Baseus、Casely、Burga、Hyperなど各社のMagSafeバッテリーを試してきたが「これはぜひ記事にして読者に届けたい」と驚きを感じる製品はそう多くない。しかし、たまに衝撃的に驚かされるMagSafeバッテリーに出会うことがあり、Torras「MiniMag Power Bank」はまさにその一例だ。
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同製品は、iPhoneの背面に磁力でくっつき、MagSafe対応ケースとの相性も良い。また、USB-Cケーブルも同梱されている。日本のAmazonでの価格は7999円だが、記事執筆時点ではタイムセールで5948円となっている。(国内価格は編集部追記)
色はグレーとピンクの2種類で、容量は5000mAh。アルミ合金製の筐体は軽量で、グラフェンを用いた放熱設計で安全な充電を実現したという。出力は最大7.5W、USB-Cケーブル経由なら18Wとなる。残量はインジケーターライトでひと目に確認できる。
同バッテリーの最大の魅力は、その設計にある。過去1年間に試した同容量のバッテリーの中で最も薄く、かつ軽量だ。MagSafeバッテリーは往々にしてかさばるものが多く、使用シーンを選ぶ。一方でTorrasは5000mAhという十分な容量を維持しながらも、見事にスリムな形状を実現している。
参考までに、Torras MiniMagの厚みはわずか7.6mm、重量は111gだ。「iPhone 16」の厚みは7.8mmなので、MiniMagは「iPhoneよりも薄い」というMagSafeバッテリーの中では珍しい仕様だ。
例えば、私が現在最も評価している「Belkin MagSafe対応モバイルバッテリー」は厚み1.8cm、重量は150gもある。
さらにTorras MiniMagは、13Nの強力な磁力で、出先で外れる心配を低減している。ただし、パックを横からぶつけると外れることもあるが、これはほとんどのMagSafe充電器に共通する現象だ。
個人的には、このMiniMagは日常使用や旅行用の5000mAhバッテリーに最適だ。小容量のプラグイン充電器よりも多くの電力を供給できる上、薄型のためバッグやポケットにも問題なく収まる。実際、スマートフォンに装着したままでも収納可能だ。
iPhone 14 Proに装着しても、カメラやケースのカメラ周辺の突起にも干渉しない点もメリットだ。MagSafeバッテリーにカメラを塞がれて写真を撮れなくなる心配がないのだ。
最も重要な充電性能についてだが、MagSafeで試したところ、iPhone 14 Proは42%から74%まで1時間で充電された。最大7.5Wの出力が出ていたように思う。充電中、バッテリーは多少温かくなったが、特に異常な過熱は見受けられなかった。USB-C経由で充電すれば最大18Wまで出力可能で、約2.5時間で充電が完了した。
唯一の不満を挙げるとすれば、カラーバリエーションの少なさだ。最近ではAnkerやBelkinなども多彩な色展開を進めているため、Torrasにも期待したい。また、外面が非常に滑らかであるため、手に持った際のグリップ感がやや不足しているのも気になる点だ。
細かい点はさておき、総合的にはおすすめできる製品だ。定価7999円でも十分妥当な価格だし、購入する時期や店舗によってはさらに安く手に入る可能性がある。
キックスタンドやグリップなどの追加機能、あるいはより大容量(ちなみにTorrasは1.3cm厚の10000mAh版も展開している)を求めるのであれば、最適な選択肢ではないかもしれない。しかし、常に予備のバッテリーを携帯したいというニーズには最適だ。
総じて、これまで試した他のMagSafeバッテリーと比較しても、非常に優れた製品だと感じた。特に薄型設計の利点を存分に活かしており、サイズの小ささにもかかわらず充電速度や性能に妥協はなく、同容量の他製品、例えばBelkinの最新バッテリーとも十分に競合できる。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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