日本で買えない「Galaxy S25+」がシリーズ最高の選択肢である理由

Kerry Wan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎2025年02月16日 07時30分

 3人兄弟の真ん中の子は不当な評価を受けることもあるが、サムスンの新型スマートフォンである「Galaxy S25+」(日本未発売)は、高機能な「S25 Ultra」と小型の「S25」の間にある中間的なモデルでありながら、非常に優れた機種に仕上がっている。筆者はわずか数日試しに使ってみただけで、このモデルが3つの中で一番のお気に入りになった。

S25+を手に持つ著者の写真 提供:Kerry Wan/ZDNET
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 その理由の一部は、S25+そのものと言うよりも、さらに大きく、角張った形のUltraを最初に試していたことにある。筆者の手は平均より大きめなのだが、S25 Ultraのデザインは少々手に余った。長時間使っていると角張った角が手のひらに食い込んでくるし、画面の端の方にあるチェックボックスやメニューボタンに触れようとすると、他のスマートフォンよりも指を大きく動かす必要があるのだ。

 一方、ややスリムで四隅が丸みを帯びているS25+は、ずっと不快感が少なく、新色のネイビーにはUltraにも負けない魅力を感じた。筆者が昨日、レビュー用のS25+を初めて手にした時には、「このモデルがこれだけ薄く感じるのなら、新モデルの『Galaxy S25 Edge』はどれだけ薄いんだろう?」と思ったものだ(これは両方のデバイスに対する賛辞だ)。

 しかし、S25+の美点は持ちやすさや仕上げ以外にもある。そもそも、求めているのがコンパクトなデザインだけなら、基本モデルのGalaxy S25でも十分だ。S25より200ドル高く、Ultraよりも300ドル安いS25+が特に優れているのは形状と機能のバランスだ。

 S25+の仕様をS25と比較すると、バッテリー容量(4900mAhと4000mAh)やディスプレイ(QHD+とFHD)などの点で大きく上回っている。

 S25+のディスプレイは解像度が高いのに加え、低解像度のコンテンツを自動的にアップスケールするサムスンの新機能「ProScaler」に対応しているため、シャープで鮮明に見える。ProScalerを使用したS25+と、この機能がないS25を並べると、S25は明瞭さで劣っていた。

 一方、S25+とS25 Ultraは機能面ではほぼ同等であり、Ultraは300ドル高い。普通なら、Ultraの方がプロセッサーも、カメラも、ソフトウェアの機能も、充電能力も優れていると思ってしまっても不思議はない。ところが、実際にその中で差があるのは1つだけだ。

 S25+とS25 Ultraを比べると、プロセッサーは両方ともクアルコムの「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」で、どちらも「Galaxy AI」のツール群をすべて利用でき、有線・無線の充電速度も同じだ(それぞれ45Wと15W)。S25+には200メガピクセルのカメラが搭載されていないが、それも大きな問題ではない。

 S25+のトリプルカメラシステム(光学3倍ズームの10メガピクセル望遠カメラを含む)は汎用性が高く、筆者を含むほとんどのユーザーにとって十二分なものだ。最近のスマートフォンのカメラが優れている大きな理由に、バックグラウンドで行われている演算処理があるが、その点ではS25+とS25 Ultraの間に大きな差はない。そして、それはよいことだ。

 カメラから得られる画像の評価に差が出るケースは2つしかなく、マクロ撮影を重視している場合(S25 Ultraの50メガピクセル超広角レンズはマクロ撮影に非常に強い)と、恐ろしく遠方から自由の女神像を撮影するような、そもそも撮影が難しい条件で写真を撮りたいような場合だけだろう。それ以外のほとんどの場合は、S25+でも十分なはずだ。

S25+の写真 提供:Kerry Wan/ZDNET
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 その上、2025年のモデルではSペンの機能が削減され、Ultraモデルにしかない独自のアクセサリーから、単なるタッチスクリーン用のスタイラスになってしまった。スタイラスを使った精密な入力をする必要がない人にとっては、ハードウェア的な違いはほとんどないと言っていい。

 念のために書いておくが、筆者にはS25 Ultraを貶める意図はない。このモデルの性能は、2025年末までベストスマートフォンランキングの上位に止まり続けられる水準にある。その一方で、Galaxyシリーズの最上位モデルと基本モデルがどちらも出来がいいだけに、S25+の良さは見逃されてしまいがちで、中間的なモデルに1000ドルも払うなら、もう300ドル余分に払って最上位機種にランクアップした方がよいのではないかと考える人もいるだろう。

 しかし、仕様を細かく見ていけば、平凡に見える真ん中の存在が、「そう悪くない」場合もあると気付くかもしれない。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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