KDDIは2月5日、4月1日に代表取締役社長 CEOおよび役員を異動すると発表した。
取締役執行役員常務 CDOを務める松田浩路(まつだ ひろみち)氏が代表取締役社長 CEOに就任する。代表取締役社長 CEOを務める高橋誠氏(「高」ははしごだか)は代表取締役会長に、取締役会長を務める田中孝司氏は取締役相談役に就任する。
社長に就任する松田氏は、京都大学 大学院 工学研究科修士課程を経て、1996年に国際電信電話(現KDDI)に入社。以降、商品技術部長、事業創造本部長、経営戦略本部長などを歴任。2024年4月からはCDOのほか、先端技術統括本部長 兼 先端技術企画本部長を務めていた。
高橋氏は、「通信業界を取り巻く環境は大きく変わってきている。KDDIの社長は通信のジェネレーションごとに交代すると言われ、私も5Gの成長とともに7年間社長を務めてきた。5Gの次は6Gではなく、AIの時代と言われている。その意味から今後会社を牽引していく人材は、技術の経験が豊富でグローバルのパートナーとも臆することなくビジネス構築ができる人材である必要がある」と話す。また、昨今業界を盛り上げる企業の特徴として「トップが若い」ことも加えた。
新社長となる松田氏は、「5GのあとはAI時代になると思うが、AIと組み合わせることが大事。AIで5Gをどうさらに進化させるかがKDDIのメインテーマで、その延長線上でネットワークも進化させていきたい」と語った。
また同日、KDDIは2025年3月期 第3四半期 決算も発表している。売上高は前年同期比2.3%増の4兆3642億円、営業利益は2.0%増の8646億円となり、増収増益を達成した。
同社の好調の一因が、通信サービスと金融サービスのクロスセル戦略だ。「auマネ活プラン+」に代表される通信と金融のセットプランが好評で、総合ARPU(1契約当たりの平均収入)は5340円に拡大。前年同期比で130円増加した。
2024年8月に共同経営に参画したローソンとの取り組みでは、「Pontaパス」などの連携施策が好調。高橋氏は、「Pontaパスの新規獲得数は前四半期比で2割増。「povo Data Oasis」(ローソンへ来店するたびに100MBのデータ容量を付与するサービス)は延べ10万人、9割を超えるローソン店舗で利用いただいている。ローソン全店でのeSIM販売もまもなく開始予定」と話す。通信サービスの顧客基盤拡大のほか、ローソンの来店者数の増加、日販拡大にも貢献するなどの相乗効果が生まれているという。
ネットワーク強化の観点としては、Sub6基地局は国内最多の約3.9万局に到達。なお、「Starlink」の直接通信は年末までにサービスを開始できるとした。
法人向けのビジネスセグメントでは、IoT関連サービスの売上高が前年同期比20.8%増の1220億円と成長。IoTの累計回線数も前年同期比22.2%増の5300万回線となった。
法人向けサービスをワンストップで提供することで企業のDXを支援する「WAKONX(ワコンクロス)」では、多摩データセンターでのAIサービスの開発、堺工場跡地などでの最新GPUの導入などを推進し、ブランドそのものを支えるAI基盤の構築、サービスの開発が進んでいるとしている。
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