Bloombergによると、AppleはSpaceXおよびT-Mobileと提携し、iPhoneの最新ソフトウェア「iOS 18.3」にStarlink衛星対応を組み込んだ。
この提携が実現すれば、一部のT-Mobileユーザーにとっては、Appleが現在提供している衛星通信サービス「Globalstar」の代わりとして利用できる。Globalstarはセルラー圏外でも「緊急SOS」機能を通じて緊急メッセージを送ったり、救援要請を行ったりできるサービスだ。
Starlinkは世界最大の衛星コンステレーションで、固定回線や携帯電話網が整備されていない地域でもブロードバンドを利用できる。利用には専用アンテナが必要だったが、T-Mobile(日本ではKDDI)と提携したDirect to Cellにより、スマートフォンとの直接通信が可能となり、年初より一部Galaxyスマートフォンが対応している。
報道によると、iOS 18.3にはStarlink対応が含まれているという。なお、iOS 18.3の公式の説明文ではAI機能やバグ修正については言及があったものの、Starlinkへの言及はなかった。
Appleからのコメントはすぐには得られなかった。一方、SpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏はXで、今回の提携に関する投稿を引用し、否定するどころか補足説明をした。彼は「現行Starlink衛星のスマホ直接通信(Direct to Cell)なら中サイズの画像や音楽、オーディオポッドキャストを利用でき、次世代衛星(Starlink v2と思われる)では中解像度の動画もサポートする見込みだ」と述べた。
この動きは、圏外でもより信頼性の高い緊急通信を実現するために、衛星経由の接続を広く普及させる大きな一歩だ。SpaceXのほか、Amazonのプロジェクト・カイパーなど、同分野では複数の企業が競争を繰り広げている。
(国内編集部追記)なお、日本ではKDDIがStarlinkと提携。スマートフォンとの直接通信について、ベータテストを2024年末にすでに開始している。本格的なサービス提供は2025年春ともアナウンスしている。
Starlinkが導入されることで、iPhoneは空に向ける必要がなく、ポケットの中でも衛星と接続できるとも報じられている。
Appleが衛星通信機能を初めて導入したのは2022年で、その当時マスク氏は「AppleとStarlink接続について有望な話し合いがあった」とツイートし、提携の可能性を示唆していた。
Bloombergによれば、T-Mobileはベータテスターに向けて「ほぼどこからでも衛星経由でテキスト通信を続けられるようになった」とメッセージを送ったという。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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