絵文字を自由に作れるアップルの新機能「ジェン文字」の使い方

Jeff Carlson (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2025年01月05日 07時30分

 スマートフォンで絵文字のリストをスクロールしながら、「どうして今欲しい絵文字がないんだ!」と叫びたくなったことはないだろうか?家族に食事の準備ができたことを知らせたいとき、その日のメニューがワッフルなら適切な絵文字が見つかるが、フレンチトーストだった時には残念な気持ちになる。どのOSでも公式の絵文字は追加されており、毎年少しずつ増えているのだが、絵文字が作成されて承認されるまでのプロセスはかなり複雑だ。

作成されたジェン文字が並んだ画像 提供:Screenshot by Jeff Carlson/CNET
※クリックすると拡大画像が見られます

 しかし、読者がiPhone(またはiPad)を使っており、「Apple Intelligence」を使用できるなら、自分だけのカスタム絵文字である「ジェン文字」を作ることができる。ジェン文字はほとんどどんなものでも絵文字にすることができ、これにはユーザー自身の姿も含まれる。

 しかしいざジェン文字を使おうとすると、アート作品を生成する作業に付きものの問題にぶつかる。それは、何でも作れる道具があっても、最初はどう使ったらいいかが分からないという問題だ。また、文章の中に挿入する小さな絵文字には、どんな画像が効果的かも考える必要がある。Unicodeの標準に採用される絵文字のデザインが厳選されているのには、それなりの理由があるのだ。

 この記事では、実際に数多くのジェン文字を作成して(友人たちをうんざりさせながら)たどり着いた、自分が表現したいことをうまく伝えられる、気の利いたジェン文字を作るための「コツ」を紹介したい。

 先に進む前に、まず自分のデバイスがApple Intelligenceに対応していることを確認してほしい。対応デバイスは、「iPhone 15 Pro/Pro Max」、「iPhone 16」全モデル、Mシリーズのプロセッサーを搭載したiPad、最新のiPad miniだ。Apple IntelligenceはMシリーズのプロセッサーを搭載したすべてのMacで動作するが、「macOS 15.2 Sequoia」ではまだジェン文字は利用できない(訳注:Apple Intelligenceはまだ日本語に対応していないが、一時的に主要言語を英語に切り替えれば、現時点でもジェン文字を作成できる)。

  1. iPhoneやiPadでジェン文字を作成、保存する
  2. 抽象的な感情ではなく具体的な「モノ」を入力する
  3. 説明は詳しく具体的に
  4. 絵文字としての分かりやすさに配慮する
  5. 自分の画像を使う
  6. 遊び心や意外性を盛り込む

iPhoneやiPadでジェン文字を作成、保存する

 ジェン文字は文章の中で使われるものであるため、テキストが入力できるどんなアプリからでもジェン文字の作成機能にアクセスできる。ここではその例として「メッセージ」アプリを使用した。詳しい手順は次のようなものだ。

  1. メッセージ入力フィールドをタップしてオンスクリーンキーボードを起動する。
  2. 絵文字ボタンをタップして絵文字の一覧を表示する。
  3. 絵文字を検索」と書かれている検索フィールドの右側に表示されている、カラフルな「ジェン文字」ボタンをタップする。
  4. ジェン文字を説明」と書かれたフィールドが表示されるので、そこに自分が使いたいジェン文字の説明を入力する。

 入力を終えると、「新規ジェン文字」というタイトルの画面が表示され、説明に合った絵文字が生成され始める。表示されたものが気に入らなければ、画面を左にスワイプすれば別の候補が表示される。

 使いたいジェン文字が見つかったら、「追加」をタップすればそのジェン文字がテキストフィールドに挿入される。またこのジェン文字は、絵文字を選ぶ画面の最近使った絵文字リストに表示されるようになる。

 (ジェン文字ボタンが表示されない場合は、「設定」>「一般」>「キーボード」を選択して、ステッカーのオプションが有効になっているのを確認して欲しい)

抽象的な感情ではなく具体的な「モノ」を入力する

 絵文字はもともと感情を伝えるためのものだが、ジェン文字を作成するためには、文章で入力した説明を生成モデルに解釈してもらう必要がある。そのため、例えば「イライラ」とだけ入力しても、イライラが伝わりにくい標準の絵文字に近い画像が表示されてしまったりする。

 それを避けるためには、「両前足を上げて怒っているフクロギツネ」というような、その感情を明確に伝えられる具体的な「モノ」を入力した方がいい(筆者がこの表現を試したときには、驚いたことに画像が1枚しか生成されなかった)。Unicodeの絵文字リストでは、こんな画像を見つけることはできない。

説明は詳しく具体的に

 文章による説明は詳しいほどいいのだが、1つ注意した方がいいことがある。それは、画像の生成は説明が具体的であるほどうまくいくため、具体的な情報が多い方がいい結果が得られるということだ。

 「クリスマス犬」と入力しても可愛らしい画像は得られるだろうが、「クリスマスのセーターを着てサンタ帽を被っている、横から見た茶色とグレーのダックスフント」と入力した方が、自分のイメージに近い絵が出力される可能性が高い。

絵文字としての分かりやすさに配慮する

 ジェン文字や絵文字は文章の中で使われることを念頭にデザインすべきだ。デザインが複雑過ぎると、読み手に意味が伝わらない可能性がある。例えば、ハグの絵文字を通常のテキストサイズで表示すると、2人の人間がハグしているところではなく、映写機のシルエットのように見えてしまう。

 先ほどは説明はできるだけ詳しく書くべきだと述べたが、その結果作成されたジェン文字は、通常の小さいサイズで表示された場合でも意味が伝わりやすいシンプルなものを選んだ方がいい。

自分の画像を使う

 ジェン文字がUnicodeの絵文字よりも勝っている最大のポイントは、ユーザー自身の画像を使えることだ。ジェン文字は、ユーザー(や他の誰か)の写真をベースにして作成することができる。ただ一般的な宇宙飛行士のジェン文字を作るのではなく、あなた自身に宇宙服を着せることができるのだ。

 説明のフィールドに人の名前や、「男性」や「女性」などの一般的な言葉を入力すると、人物の選択を求めるプロンプトや、テキストに点線のアンダーラインが引かれている部分が表示される場合がある。それをタップすれば、人物を選択する画面になる。その後、表示された写真の中から誰かを選んで「完了」をタップすればいい。

 使用する画像を変更したい場合は、人物を選択した際に表示される「編集」ボタンをタップして、別の画像を選択しよう。

遊び心や意外性を盛り込む

 ジェン文字の大きな利点は、ユーザーが指定したものなら何でも作ってくれるところだ。先ほど「イライラ」のような抽象的な言葉を単体で使うのは避けた方がいいと書いたが、「恐竜」という言葉を足して「イライラしている恐竜」とすることで、手を振っている青いティラノサウルスの楽しい画像を生成することができた。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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