ChatGPT SearchとPerplexityで「従来型ネット検索が終わる」って本当!?

 生成AI検索の登場で「検索」がオワコンになる!? そんな話をチラホラ聞きます。生成AI検索をうたう「Perplexity」(パープレキシティ)に加えて、ChatGPTも「ChatGPT Search」を公開したことで注目が集まっているのは確かでしょう。

 従来のWeb検索とは異なるアプローチを取り、自然文でのリクエストに対して、より直感的で関連性の高い情報を提供することを目的とした生成AI検索。

 これらを代表する、ChatGPT SearchやPerplexityといったサービスは今までの「Web検索」とはどの様な違いがあるのでしょうか?

 今回は代表的な2サービス「ChatGPT Search」や「Perplexity」に加えて、競合のサービスも紹介しながら、慣れ親しんだWeb検索に起こっている大きな変革についてお話しようと思います。

  1. 話題のChatGPT Searchを使ってみよう
  2. Chromeエクステンション(拡張機能)版は?
  3. 無料版Perplexityと言われるGensparkは?
  4. Web検索から情報探索へ

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話題のChatGPT Searchを使ってみよう

 まず、ご紹介するのはChatGPT Searchです。

 ChatGPTで学習済みAIモデルとWeb検索結果を組み合わせ、データを生成する方法自体は、これまでプロンプトで指示を出したり、WebChatGPTのようなChrome拡張機能を使って実現することができました。

 今回の機能追加では、「Search」ボタンを押すことで、明示的にWeb上の検索結果を優先したり、右側のカラムに回答のソースとなるURLをリスト表示したりする機能が加わりました。最新ニュースやWeb上の情報を重視した回答を求める際に、より便利な選択肢が増えた格好です。

 使い方は「質問」や「指示」を行う際に、「Search」ボタンを押すだけです。

地球儀マークのSearchボタンをオンにして検索をすると、Searchが有効になる
地球儀マークのSearchボタンをオンにして検索をすると、Searchが有効になる

 従来のWeb検索との大きな違いの1つは「自然文で検索可能」という点です。

 例えば、アメリカの下院選の最新の選挙結果を知りたい場合、今までのWeb検索では「アメリカ 下院選 最新の選挙結果」といったキーワードで検索していました。

 ですが、生成AI検索では、人間にものを尋ねる様に「アメリカの下院選の最新の選挙結果は?」といった形で投げかけると、複数のニュースソースから、適切な選択肢を返してくれます。

 生成AI検索の効果を如実に感じるのは「最新ニュース」に関する検索でしょう。

 これらのサービスでは、ネット上の複数のネット上のニュースソースをまとめて要約した上で、ソースとなるリンクを提供してくれるのですが、従来のWeb検索に比べて、提供するリンクの精度が極めて高いのが特徴です。

 従来のWeb検索では、キーワード単位でもっとも合致率が高く、ユーザーにとって有用な情報を、独自のランキングアルゴリズムに応じて表示する仕組みでした。

 この場合、通常の検索時でも、ニュースタブでの検索時でも、ドメインパワーが強く、信頼性の高いサイトが作成した一定以上のボリュームのサイトが優先的に表示され、必ずしも上位に「最新」の情報が表示されるわけではありません。

 また、検索したリージョン(言語)が優先され、日本語で検索した際に、最新の情報が海外にある場合でも海外のサイトが表示されることはまずありません。

日本のニュースサイトでの情報が間に合っていない最新情報の調査にはとても便利
日本のニュースサイトでの情報が間に合っていない最新情報の調査にはとても便利

 ところが、ChatGPT Searchでは、海外のニュースの場合には海外のサイトを自動でニュースソースとしてくれる為、日本語で検索して見つからない物を、英語で再度検索する等の行為をよく行っていた人には非常に便利な仕組みです。

 言語の壁を超えて、複数の情報ソースから要約を行ってくれた上で、更にソースとなるリンクも提示するという特徴は「調べ物」の時間を大幅に節約してくれることでしょう。

Chromeエクステンション(拡張機能)版は?

 ChatGPT Searchは、Chromeでの検索のデフォルトをChatGPT SearchにするChrome拡張機能もリリースされています。

 これは、正直ちょっと使いにくくて、数時間で外してしまいました。

公式のChrome機能拡張の評判はいまいち・・・
公式のChrome機能拡張の評判はいまいち・・・

 現状では、生成AI検索も発展途上で、使う人間の方もWeb検索の方にまだ慣れています。

 ですので、目的に応じてフィットする物を体感的に選んで利用するというのが、現状の最適解の気がします。

 生成AIでの検索は、複数のネット上のソースから集めた情報から、回答を類推し要約し、更にソースとなるリンクを提供するもので、「答えが書かれているページが存在する」事を確信している物に対して、そのサイトのURLを調べるという目的には通常のWeb検索の方が優れています。

 これらを踏まえても、検索の全てをChatGPT Searchにするのはまだ時期尚早だというのが、正直な感想です。

 一方で、後に紹介する「Perplexity」のChrome機能拡張は最高なので、是非導入をオススメします。

 こちらは排他的ではなく、Chrome上の小窓でいい感じに厳選された「Perplexity」の無料版の機能を使えるエクステンションです。

PerplexityのChrome機能拡張版が最高

 実のところ、僕はPerplexityはChrome拡張機能版しか使っていません。

 まず、PerplexityのChrome拡張機能版の優位性を伝えますと、WEBページの移行をすることなく、小窓上で操作が完結する点が素晴らしい。

 例えば、現在この原稿は「Googleドキュメント」で執筆しているわけですが、何かを調べたり、発想の切り口が欲しい際に、いちいち別のページに移行するとそこで集中力が切れてしまったり、ヘタをすると間違って開いたECショッピングサイトやWikipediaのタブのせいで、数時間を溶かすことがしばしばです。

 ところが、PerplexityのChrome拡張機能版では、今開いているページの上に小窓が開き、閉じればリセットというシンプルな仕組みの為に、集中の阻害が起こりません。

 また、小窓でサクサクというChrome拡張機能版での利用は、シンプルで高速な回答がウリのPerplexityの特徴と極めて相性が良いです。

同一ブラウザー内で小窓を立ち上げ”生成AI検索”が利用出来るのはとても便利
同一ブラウザー内で小窓を立ち上げ”生成AI検索”が利用出来るのはとても便利

 Chrome拡張機能版でも、Web版同様に、複数の情報ソースからの要約を行ってくれた上で、そのソースとなるリンクを提示してくれる点は変わりません。

 日常に「生成AI検索」を気軽に取り入れたいなら、まずはPerplexityのChrome拡張機能版から始めるのがベストでしょう。

 Perplexityには有料版があり、回答するAIモデルを切り替えたり、CSV、Excelといった様々なファイルの解析も無制限で行え、Claude 3.5 SonnetやGPT-4oといった最新AIモデルを選択することや画像生成も出来ます。

 ソフトバンクユーザーは1年間無料なので、新規にClaudeやChatGPTの有料契約を迷っている場合には、ソフトバンクユーザーは試す価値はあるかと思います。

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無料版Perplexityと言われるGensparkは?

 Perplexityより、僕が頻繁に使っているのがGensparkです。

 細かい設計思考の違い等々はあるのですが、こちらも複数の情報ソースから、要約した文章生成を行い、そして情報ソースをリンクで提示してくれるという点では同じです。

 では、なぜPerplexityより頻繁に僕はGensparkを使うかというと、「Sparkpage」の機能が超イケてるからです。

 Sparkpageは、入力したキーワードから「記事風」のページを自動生成する機能です。

 似た様なことはPerplexityでも出来ますし、他にも競合はたくさんあるのですが、「検索すると自動で作られる」というのは、「検索」に対する意識変革をするのに十分な新体験です。

 また、公開状態になっているSparkpageは約1500万ページあり、その中からサジェストされた物がトップページに表示されます。

 それらを眺めているだけで、新たな刺激がありますし、「SEO用の記事の副業なんだろうなぁ」なんて物も多数含まれていて、色んな意味でエンタメ要素も高いです。

自動で作られるSparkpageは読んでいるだけで楽しい。
自動で作られるSparkpageは読んでいるだけで楽しい。

 「ウリ」として学術論文にはより強いと謳っていることもあり、いわゆるサイエンス系の雑学記事の原稿っぽいのが特に散見されます。正直結構ハマります。

 現在導入されている仕様や、アップデートスケジュール、β版の情報を見る限りですと、このSparkpageを中心としたコミュニティも計画しているようで、ナレッジ系のネットコミュニティマニアとしては、胸が高まります。

 自分の生成したSparkpageを人に見られたくない人は、くれぐれも「公開」状態にしないように注意しましょう。

Web検索から情報探索へ

 さて、これらの「生成AI検索」によって、どんな変化が自分に起こっているかを考えると、今までは任意のインデックスを探す「検索」だったのが、まるで人と話しながら、なにかの議題に対して「探索」する行為に移っていっている気がします。

 僕がスマホで常用している「Felo Search」という日本のAIスタートアップ企業Sparticle社のアプリがあります。

 通勤中に感じた、さまざまな「〜ってなんだろう?」「〜の問題点は?」を人間に話しかける様に投げかけ、その回答に対して、追加の質問を投げるというスタイルで利用しています。

 Feloとの会話を繰り返す事で、自分だけで考えていた際には思いつかなかった「疑問」や「意見」が自分の中で生まれてきて、それ更に投げかけることで議題にダイブ=探索します。言ってみれば、切り口を含めたAIとの「協業」での情報探索です。

Feloとダラダラ会話をしながらの情報探索で時間を潰す
Feloとダラダラ会話をしながらの情報探索で時間を潰す

 AIが生成した情報をそのまま使うのは、正確性の面でも、クオリティの面でもまだまだ心配があります。最近も、とある自治体が協力するプロジェクトで、AIで生成した情報を発信したところ、架空の情報がいくつか含まれ、大問題となりました。

 PerplexityやGenspark等のソース提示をするAIを利用することでそのリスクは低減しますが、それでもハルシネーション(AIが生成する架空の情報)はしばしば発生しますし、ソースとなるリンク先の情報と、要約が異なることも少なくありません。

 情報の精査・決定はあくまでも人間が行い、情報の海を潜る相方として、AIを活用するというのが、ChatGPT SearchやPerplexityといった「生成AI検索」との現時点での正しい付き合い方な気がしています。

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