スマートリング市場はここ数年で爆発的に大きくなり、自社で開発したデバイスで市場に参入する企業が増えている。しかし、さまざまなスマートリングが出回る中でも、「Oura Ring 3」はその頂点に君臨し続けてきた。
そのため、Ouraが新たなスマートリングをリリースするにあたって目指したのは、自らの前世代の製品を打ち破ることだった。「Oura Ring 4」は、競合製品を圧倒的に上回る(Oura Ring 3も含めて)、印象的で優れたデザインを持つスマートリングだ。しかし、必ずしも誰もがOura Ring 3ではなくOura Ring 4を買った方がいいというわけではない。どちらがいいかは、スマートリングに何を求めているかによって違ってくる。この記事では、この2つにどのような違いがあるかを見ていこう。
Oura Ring 3 | Oura Ring 4 | |
---|---|---|
バッテリー持続時間 | 最長7日間 | 最長8日間 |
充電時間 | 20~80分 | 20~80分 |
サイズ | 6~13 | 4~15 |
素材 | 外装:チタン、内装:エポキシ | 外装・内装ともチタン |
仕上げ | ブラック、ブラッシュドチタン(Horizonのみ)、 ゴールド、シルバー、ローズゴールド(Horizonのみ) | ブラック、ブラッシュドシルバー、ゴールド、 シルバー、ローズゴールド |
価格 | 299ドル(約4万6000円) | 349ドル(約5万3000円)~ |
新型であるOura Ring 4の売りの1つが、スマートになったセンサーだ。Oura Ring 4の「Smart Sensing」技術では、18通りの光路が使用できるため(Oura Ring 3では8通り)、より正確なデータを得ることができ、データの欠落も減る。
では、それが快適さとどう関係するのだろうか。スマートセンサーを採用したOura Ring 4では、Oura Ring 3ではリングの内側に出っ張っていたセンサードームが平たくなったため、着け心地がより快適になり、締め付けを感じにくくなった。筆者はOura Ring 3を約8カ月間着けていたのだが、数少ない不満な点の1つが、3つのセンサードームが内側の指に食い込み、そのへこみが何日も肌に残ることだった。
Oura Ring 4では、Smart Sensing技術によってセンサーが平らになったため、快適度がOura Ring 3よりもはるかに上がった。また、リングの内側と外側の両方がずっとスリムになり、着け心地が軽くなった。特に、手首や指に着ける健康トラッカーの装着感が気になり、アクセサリーに違和感を感じやすいタイプの人にはOura Ring 4をお勧めしたい。
Oura Ring 4で実現された大きなハードウェアの改善点の1つに、提供サイズの拡充がある。Oura Ring 3ではサイズが6号から13号までだったのに対して、Oura Ring 4では4号から15号までになった。つまり、大きいサイズと小さいサイズを合わせて、提供サイズが4つ増えたわけだ。サイズが合わないためにOura Ring 3は使えなかったという人も、Oura Ring 4であれば指に合うものが見つかるかもしれない。
Oura Ring 3のバッテリー持続時間は最大で7日間とされているが、筆者の経験では通常は4日前後だった。また、新型のOura Ring 4のバッテリー持続時間は最大で8日間とされているが、筆者がテストした際には5日半ほどだった。
充電を忘れがちで、数日間はバッテリーのことを心配せずに着けていられるスマートリングが欲しいという人にはOura Ringがお勧めだ。一方で、毎日必ず充電をするタイプの人なら、Oura Ring 3でも支障は無いだろう。
Oura Ring 4で導入されたソフトウェアの新機能は、そのほとんどがOura Ring 3でも利用できる。これには、ワークアウトを始めると自動的に心拍数のモニタリングを行う機能や、Ouraアプリの再設計、生理学的なストレスの背景を把握するのに役立つ、新しくなった「日中のストレス」機能、「Ouraラボ」で提供されている、いくつものテスト段階の新機能(食事内容の記録など)などが含まれる。
自動心拍数モニタリングは、リングを着けている人がわざわざ指示をしなくても、自動的に健康データを記録し続けられるようにするというOuraのミッションに沿った機能だ。ワークアウトを自動検出してくれるだけでなく、ワークアウト開始時に心拍数記録ボタンをタップしなくても、アクティビティ中の心拍数を監視・記録することができる。
アプリの「日中のストレス」機能も改善され、日中のストレスを表す時系列グラフに、その時の食事、ワークアウト、病気、気分などを記録するためのタグが実装された。例えば、同僚と口げんかになり、自分の心拍数が上がっていることに気付いたとしよう。それをアプリに記録しておけば、そのタグが日中のストレスの時系列グラフにタグとして記録される。
また、やはりどちらのリングでも利用できる「Ouraラボ」では、Oura Ring 3のユーザーも利用できる実験的な機能がいくつか提供されている。筆者が試して気に入った機能の1つは、カメラとAIを使って自分が食べているもの(と食事時間)を記録する、食事記録機能だ。
このAIは、筆者が朝食にヨーグルトと一緒にベリーとバナナを食べているときに、フルーツをヨーグルトに完全に混ぜ込んでいる状態だったにもかかわらず、それを見分けることができた。
Oura Ring 3の価格は299ドルからに設定されている上に、新製品が発売されたため、今後は定期的に割引価格で販売されるだろう。もし349ドルから(および全データにアクセスするための月額サブスクリプション料金5.99ドル、日本では税込999円)という価格が少々高すぎると感じるのであれば、Oura Ring 3なら50ドル安く購入でき、時期によってはさらに安く買える可能性がある。
すでにOura Ring 3を持っており、出っ張ったセンサードームや大振りな作りに問題を感じていないのなら、Oura Ring 4に買い換える必要はない。どちらのモデルも持っておらず、これからどちらを買うかを決める場合、出っ張ったドームが指の周りを圧迫しても気にならないのであれば、Oura Ring 3でも構わないだろう。
Ouraこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」