Meta、手の動きでも操作可能な新型ARグラスのプロトタイプ「Orion」を発表

Kerry Wan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2024年09月26日 11時13分

 Metaは米国時間9月25日、新たな拡張現実(AR)グラスのプロトタイプ「Orion」を発表した。

Orion
提供:Meta

 「世界で最も先進的なメガネだ」と、Metaの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏はMeta Connectイベントで語った。同社は2023年の「Meta Quest 3」と「Ray-Ban Metaスマートグラス」の成功を受けて、同イベントに自信を持って臨んでいる。

 ある意味でOrionは両製品の長所を兼ね備えた製品であり、Quest 3の複合現実(MR)のようなコンピューティングを、Ray-Banスマートグラスに似た軽量で一般的なフォームファクターで提供するものとなるはずだ。Zuckerberg氏はOrionの特徴として以下の点を挙げた。

  • ヘッドセットではない。ワイヤーやケーブルが垂れ下がることはなく、重さは100g未満
  • 視野角(FOV)の広いホログラフィックディスプレイ
  • ディスプレイは現実世界の細部まで鮮明に映し出せる
  • ディスプレイは、どのような環境でも視覚的なオーバーレイを可能にするほど明るい
  • ARでは、映画のようなスクリーンや複数のモニターを表示できる

 つまり、Orionは目の前のものをキャプチャーして映像化するのではなく、現実の視界にホログラムを適用するということだ。

 受信したメッセージやビデオ通話の映像などの重要な情報を見ながら、現実の世界にも注意を払い続けることができるため、Quest 3や「Apple Vision Pro」などのVRヘッドセットにおける問題の1つが解消する。

Orionを試すNVIDIAのCEO、Jensen Huang氏
NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏はOrionのデモを行い、「これは大きな出来事だ」と述べた
提供:Meta

 Metaによると、Orionの操作には3つの方法がある。「Meta AI」を介した音声、手と視線のトラッキング、ニューラルインターフェースだ。Orionは手首に装着するニューラルインターフェースと連動し、クリック、ピンチ、親指で押す動作を入力をとして認識できる。

 Metaによると、Orionはカスタムシリコンと一連のセンサーで動作し、バッテリーはメガネのつる部分に内蔵されている。

 Zuckerberg氏によると、一般消費者向けに販売できるようになるまでには、まだ多くの作業が必要だという。ディスプレイシステムを改良してより鮮明にすること、デザインを小型化してスタイリッシュにすること、手頃な価格を実現することなどだ。それまで、Orionは開発者キットとして、主に社内でのソフトウェア開発や、少数の外部パートナー向けに提供される。

 このデバイスの次世代バージョンは、「Meta初の消費者向けフルホログラフィックARグラス」として発売される見込みだと、同氏は述べた。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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