日本ハムは9月19日、養豚支援システム「PIG LABO」(ピッグラボ)の第2弾として、豚の体重をAIで推定するサービス「PIG LABO Growth Master」(ピッグラボ グロースマスター)のテスト販売を10月から開始すると発表した。
PIG LABO GrowthMasterは、豚舎内に自由に設定できるケーブル上を3Dカメラが巡回して、豚を撮影する。撮影した画像から個別の豚の体重をAIが推計し、群れの体重分布と平均体重を算出する仕組みだ。
装置はケーブルから取り外して別の場所に設置されたケーブルに再装着でき、複数の区画の豚の群れも本製品1台の付け替えで体重推定が可能。算出された体重分布と平均体重は、装置本体画面上のほか、離れた場所からもパソコンやタブレット端末で確認できる。
豚を移動させる必要がないため、体重測定作業の合理化につながるだけでなく、動物福祉の視点からも、豚にストレスを与えることなく成育状況を把握できるという。
日本ハムによると、世界人口の増加に伴い食肉需要は増加傾向にある一方で、日本国内の養豚業は飼育者の高齢化が進み、労働生産性向上や労務負担の軽減が求められている。また、少数の作業者で多数の豚を飼育する大規模化も進んでおり、豚にとって快適な飼育環境を推進しながら、地球環境に配慮する必要にも迫られているという。
ニッポンハムグループが2029年までの実現を目指すPIG LABOシステムは、分娩、哺乳、育成、肥育など母豚の繁殖から仔豚の育成、出荷までの全ステージにおいて、豚の飼育作業をサポートする。今回テスト販売するPIG LABO GrowthMasterに搭載する新技術は、日本ハムと、宮崎大学工学部の研究グループによる共同開発だという。
同社はデジタル技術を活用して、現代の養豚を取り巻く課題解決を推進していくとしている。
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