ベルシステム24ホールディングスは9月28日、養豚業界のDX化を推進するスタートアップ企業のEco-Porkと養豚現場の課題を解決する新サービスの創出・展開に向け、資本業務提携契約を締結したと発表した。
同社によると、日本における食料自給率は2021年では38%となり、先進国の中で最低の水準になっているという。
養豚業においては、生産者数は減少の一途を辿る一方、持続的な生産を営んでいくために、経営の規模拡大が進んでいる。そのため、従業員1人当たりが管理する頭数も増大し、業務効率化が喫緊の課題となっているという。
そこで、ICT・IoT・AIを駆使した養豚の生産性改善に取り組み、クラウド型養豚経営支援システム「AI Farm Manager Porker」を提供するEco-Porkと、養豚業界や畜産分野の業務効率化につながる新サービスの創出・展開に向け、資本業務提携契約を締結した。
養豚現場での業務は、大きく「現場作業」と「事務処理」の2つに分けられる。現場作業は、豚の観察や飼育現場の営繕など、生産性に直結する業務が多く、熟練者でなければ時間がかかる作業がほとんどという。
事務処理は、作業記録といったデータ入力などにより全体を数値管理し、農場内で情報共有することで生産改善に繋げる業務となるが、現場作業者にとって日々の作業記録にかかる時間の捻出が負担になっている。
今回、両社は現場作業者のコア業務時間の創出を目的として、新たなBPOサービスとしての提供を目指す。具体的には、事務処理のうち、AI Farm Manager Porkerへの初期データ移行・日々の入力を代行する。
さらに、養豚現場に設置したAIカメラを通じ、夜間の遠隔監視や在場頭数のカウント、異常検知など、テクノロジーと人の力を組み合わせ、効率化と高信頼性を実現していく。
また、Eco-PorkのAI開発について、画像や映像のアノテーション付けなどの前処理業務や、AI Farm Manager Porkerに蓄積されたデータの統計分析を支援する。
将来的には、生成AIを用いて、作業記録や成績などの飼養結果レポートの作成自動化や現場の生産性向上を実現するAIアルゴリズムを共同開発するなど、効率的で環境負荷の少ない養豚経営の実現を目指す。
なお、同社では、養豚を含めた一次産業を重点分野に位置付けており、売上50億円規模の事業創出を目指すとしている。
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