UPBONDは9月11日、建設DX事業を展開しているネクストフィールドと共同で開発したWeb3サービス「GOヘイ!」を利用し、兵庫県内にある鹿島建設の現場で、ステーブルコインによる従業員インセンティブの実証実験を実施したと発表した。
GOヘイ!は、Web3.0とブロックチェーン技術を活用した建築業界向けサービス。本実証では、技能労働者が直感的でゲーム感覚の高いアプリを通じて相互評価を行い、ポイント(トークン)を獲得する。これらのトークンは、日本円連動ステーブルコイン「JPYC」と交換でき、将来的には現金同様に利用できるという。
このシステムにより、技能労働者のモチベーション向上、現場の運営効率改善を図る。また、ウォレットに信用情報が蓄積されることで、技能労働者が現在よりも簡単に銀行や保険のローンを組める未来も見据えているという。
本実証では、鹿島建設の捉える業界課題や現場のニーズに応じて、GOヘイ!の機能を追加で開発。さらに、現場での使いやすさや労働者のモチベーション向上に直結する機能として、セガ エックスディーの協力により、ゲーミフィケーションの要素を取り入れ、楽しみながら継続的に利用できる仕組みを構築したという。
UPBONDは本実証を実施した背景として、2024年の労働法改正による36協定の労働時間制限強化により、技能労働者の賃金減少が懸念されていることをあげる。同時に、建設現場ではより効率的な運営が求められ、新しい技術や作業方法の導入が不可欠となっているという。今回の取り組みによって、技能労働者へゼネコンから直接インセンティブを付与することにより、技能労働者を適正に評価し、モチベーションの向上と現場の活性化につなげる狙いだ。
将来的には、多言語対応、外国人技能者対応、CCUS(建設キャリアアップシステム)との連携、資格情報や経験情報の共有、建設業アプリや給与システムとの連携も目指し、取り組みを建設業界全体に広げ、DX推進と技能労働者の価値向上を図っていく。
UPBONDは今後、本実証で得たフィードバックをもとに、鹿島建設と協力しながらシステムの改善と実証実験現場の拡張を続けていくとしている。
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